石による3つのデメリット

まずはイメージしやすいであろう石があることによるデメリットを整理していきます。ちなみに石と言ってもさまざまな大きさがあるので、今回は畑でよく見かけるような1〜5センチほどの大きさの小石を想定してお話ししていきます。
農作業の邪魔になる
土の中に石が多かったり、大きな石があったりすると、耕起や種まきなどの邪魔になりますし、鍬(くわ)や耕運機の刃が欠ける原因になります。土を動かす頻度や量が少ない、不耕起栽培や果樹栽培であれば、その悪影響は比較的減らすことはできます。
根の成長を物理的に邪魔する
石が物理的に根の成長を制限することで、根菜類の根分かれの原因になる他、株全体の成長を阻害することがあります。
保水性・排水性の悪化
プランターの土の中に排水性を良くするために軽石を入れるイメージがあると思いますが、土壌内でも石が増えるとすきまが増え、排水性が良くなります。
しかし石が多すぎると、当然ですが排水性が良すぎて土の保水力が低下します。ある研究結果によると、土壌内の石の割合が15%以上になると保水力が低下していき、そして40%を超えると逆に排水性が悪くなるという結果が出ています。石が多すぎると、物理的に通り道を阻害する効果の方が高まるからだそうです。
石があることの4つのメリット

次に石がある事によるメリットを4つ紹介していきます。
排水性・通気性が良くなる
石が適度にあると、土壌内にすきまを作ってくれるので、土壌内の排水性・通気性が良くなります。これにより植物の根や土壌生物にとっても生息しやすい環境が保たれやすくなります。土だけの時よりも、すきまの大きさや水分量にもバラツキが出るので、さまざまな土壌生物が生息しやすい環境になります。
水の地下浸透を促す
土壌内に適度に石が含まれているとすきまができるので、地表からの水分が土壌の深い部分まで浸透しやすくなります。これによって本来であれば浸透せずに地表を流れていた水分が、より深い部分にまで行き渡ります。これは単純に水はけが良くなるというだけではなく、土壌全体での水分保持量が高まるということも意味しています。
ミネラルの供給源になる
石が風化することで、そこに含まれるカリウム、カルシウム、マグネシウム、微量元素(銅、マンガン、亜鉛など)を長期的に放出し、栄養源となります。量的にはわずかずつしか供給されませんが、その土地の生態系を長期間にわたって安定的に支える役割をしています。
地温を上げる
石は土よりも温まりやすく、熱を蓄える性質がありますので、地温が上がりやすくなります。また、夜間に気温が下がる時も蓄えた熱を放出してくれるので、急激に地温が下がるのを防いでくれます。
土壌内の石はどれくらいの量が適当なのか

以上のようにメリット・デメリットを整理してみると、農作業がしにくいことを除けば、植物や土壌生物にとっては、適度に石があることのメリットも多いことが分かります。
ではこの適度な量とはどのくらいなのかについて、いくつかの研究事例を基に以下の表にまとめました。
| 石の割合(体積比) | 植物・土への影響 | 農業への適性 |
|---|---|---|
| 15%以下 | 水・温度・栄養のバランスが最適。 根が元気に育つ。 |
高い |
| 15〜30% | 根が窮屈になり、収穫量が大幅に減る。 | 低い(石を取り除いたり、不耕起栽培・果樹栽培にするなどの工夫が必要) |
| 40%以上 | 水も通らず、根も張れない。 機械作業も困難。 |
不適(大規模な土地改良が必要) |
石の割合が15%を超えると、石があることのメリットよりも物理的な制約によるデメリットが上回るようになるようです。そして割合が15~30%程度に達すると、植物が利用できる有効な土の割合が減るので、根の発達が制限されるようになります。
デュラム小麦の研究事例では、石が30%含まれる土壌において、植物全体の生物量が最大で45%も減少し、開花後の窒素やリンの吸収能力が劇的に低下することが確認されています。
さらに石の割合が高まり、40%に達すると、土壌の物理的な機能が著しく制限され、水の浸透率も保水力も最低になるだけでなく耕運機などの機械作業が困難になります。
15%未満の石は無理にとらなくてもよいかも
以上のように、15%未満であればむしろ石があった方が植物や土にとっては良い影響の方が大きいということが分かります。もちろんそれでも農作業のしにくさはあるかもしれませんが、そこが気にならない人であれば、無理に取り除かなくてよいし、むしろそれがプラスに働くというのは朗報かと思います。ぜひ参考にしてもらえれば幸いです。


















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