ジャガイモの栽培時期
ジャガイモは日本では主に「春植え」と「秋植え」の年2回の作型があります。ただし秋植えは中間地や暖地(関東以西)限定で、寒冷地では春植えのみが基本です。
ジャガイモの適温は植え付け時の地温が約10℃以上、種イモから芽が出て茎葉が生育する間の気温は15〜20℃。イモが肥大するための適温は15〜18℃で、このとき昼夜の気温差が大きいほど肥大が促進します。つまり涼しい気候を好むため、「春はできるだけ早く植え、梅雨明け前に収穫する」のがセオリーになります。
以下に春植え・秋植えの栽培カレンダーをまとめました。表中の用語など、詳細はこの後に解説していきますので、まずはざっくりと把握してみてください。
春植えカレンダー(中間地基準)
| 時期 | 作業内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1月下旬〜2月 | 種イモ入手・浴光催芽開始 | 明るい室内で頂芽を上にして並べ、緑色の短い芽を育てる。意外と植え付け時期より早くに売り切れるので注意 |
| 2月中旬〜3月上旬 | 土づくり・元肥 | 植え付け2週間前までに。石灰の入れすぎ注意(そうか病誘発) |
| 2月下旬〜3月中旬 | 植え付け | 地温10℃以上が目安(最低でも7℃)。遅霜に備えべた掛け資材を用意 |
| 4月上旬〜中旬 | 出芽・芽かき | 1株2〜3本に間引き。間引いた芽は挿し芽で増やせる |
| 4月中旬〜5月上旬 | 1回目の追肥+土寄せ | 草丈15センチで実施。土寄せはイモの緑化防止が最大の目的 |
| 5月上旬〜中旬 | 2回目の追肥+土寄せ | つぼみ〜開花に合わせて。塊茎肥大が始まる時期 |
| 5月中旬〜6月 | 病害虫防除の重要期 | 梅雨入り前に予防散布。疫病・アブラムシに注意 |
| 6月〜7月 | 収穫 | 茎葉が黄変・枯れ始め、指でイモの皮がむけなくなったら適期 |
秋植えカレンダー(暖地基準)
| 時期 | 作業内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 8月上旬〜中旬 | 種イモ入手 | 秋植え専用品種を選ぶ(デジマ、ニシユタカ、アンデスレッドなど) |
| 8月中旬〜下旬 | 土づくり・元肥 | 高温期なので有機物の分解が早い |
| 9月上旬〜中旬 | 植え付け | 残暑対策として敷きワラやもみ殻マルチが有効 |
| 9月中旬〜10月 | 芽かき・追肥・土寄せ | 生育期間が短いため追肥は1回でまとめることも |
| 11月〜12月上旬 | 収穫 | 霜が降りる前に。秋ジャガは春より小ぶりだが味が濃い |
春植えは生育期間が長く収量が多い「本命」の作型です。秋植えは暑さで種イモが腐りやすく、生育期間も短いため難度はやや高め。初心者はまず春植えから始めるのがおすすめです。
品種の選び方
品種選びは「用途」と「作型(春か秋か)」で決まります。以下に代表的な品種を整理しました。正直筆者の主観も入っていますがご参考に。
| 品種名 | 特性 | 適する作型 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| 男爵薯(だんしゃくいも) | 粉質でホクホク。日本の定番。休眠が長い | 春植え | 肉じゃが、コロッケ、ポテトサラダ |
| メークイン | 粘質で煮崩れしにくい。長卵形 | 春植え | カレー、シチュー、煮物 |
| キタアカリ | 男爵系だがカロテン多く黄色い果肉。甘い | 春植え | 蒸しイモ、ポテトサラダ |
| とうや | 黄色い果肉でやや粘質 | 春植え | 万能タイプ |
| インカのめざめ | 極小〜小粒だが濃厚 | 春植え | 素揚げ |
| デジマ | 暖地向け。多収で食味良好。休眠が短い | 春・秋両用 | 煮物、揚げ物 |
| ニシユタカ | 暖地向け多収品種。粘質で煮崩れしにくい | 春・秋両用 | 煮物 |
| アンデスレッド | 赤皮。粉質で甘い。休眠が極めて短い | 春・秋両用 | 蒸しイモ、ポテトサラダ |
春植えと秋植えで品種が違う理由
秋植えでは種イモを夏の暑い時期に植えるため、発芽が遅くなると気温が低い時期と重なり十分に育ちません。そのため休眠期間が短く、早く発芽する品種を用いる必要があります。
男爵薯やメークインは休眠が3〜4カ月と長いため秋植えには不向きです。デジマ、ニシユタカ、アンデスレッドなど休眠が短い品種を選びましょう。また、秋植えでは種イモを切ると高温で腐りやすいため、Sサイズの丸ごと植えが基本です。
栽培場所の選び方
ジャガイモは日当たりと水はけの良さが最も重要です。以下の条件を満たす場所を選びましょう。
- 日当たり:直射日光が当たる、日当たりの良い場所
- 水はけ:雨の翌日に水たまりが残らない場所。粘土質なら高畝にする
- 前作:ナス科(トマト、ナス、ピーマンなど)を2年以内に栽培していない場所。5年空けることが理想と言われることが多いですが、そこまでの必要性はないでしょう。
- 風通し:乾きやすい開けた場所が理想
プランター栽培の場合
深さ30センチ以上、容量20リットル以上のプランターでの栽培、または培養土の袋をそのまま使う「袋栽培」が手軽です。底に鉢底石を3センチ敷き、排水穴が塞がらないよう注意。ベランダの場合は日照時間を最優先で確認してください。早生(わせ)品種(男爵薯やキタアカリなど)が管理しやすくおすすめです。
種イモの準備
基本的にはホームセンターや園芸店で販売している「検定済み(農林水産省の検査合格済み)種イモ」を購入してください。スーパーで売っている食用ジャガイモでも栽培できるのですが、ウイルスや菌に感染している可能性があり、実際に国家的危機を招いた事例があります(歴史的な国家存亡の危機に陥ったアイルランドのジャガイモ飢饉<ききん>など)。

浴光催芽(よくこうさいが)のすすめ
浴光催芽とは種イモに日光を当てて芽を出させることです。
具体的な手順として、まずは植え付けの2〜4週間前から、種イモを芽が多い側(頂端部)を上にして卵パックなどに並べ、明るい室内に置きます。6〜20℃で20〜30日を目安にしましょう。途中2〜3回イモの位置を入れ替え、均一に光が当たるようにするとよいです。暗所で伸びたモヤシのような白い芽は折れやすく、出芽が遅れるので注意。浴光催芽を行うと出芽がそろい、初期生育が安定します。
種イモの切り方
種イモの大きさは30~60グラム程度が理想で、60グラム以上のイモは切って使います。各片にイモの頂端部の優良な芽を含むように縦に切りましょう。Sサイズ(40〜60グラム)はそのまま丸ごと使用します。
切り口は2〜3日間、風通しの良い日陰で乾かしてから植え付けます。切断面に草木灰をまぶす方法もよく紹介されますが、アルカリ性の灰がそうか病を助長する可能性があるので、乾燥させるだけでも十分です。
なお、秋植えは高温期の植え付けのため、切り口が腐りやすくなります。切らずにSサイズの種イモを丸ごと植えるのが一般的です。
土づくり・準備
理想の土壌とpH管理
ジャガイモの理想的な土壌は、深くてふかふかな砂質壌土という砂に粘土が混ざった土ですが、それほど土を選ぶ植物ではありません。根が30〜60センチと浅く、地下で塊茎(イモとなる地下茎の一部)が膨らむ必要があるため、硬く締まった土だと奇形イモの原因になります。深さ25〜30センチまでしっかり耕しておきましょう。
そして最も重要なのがpH管理で、ジャガイモの適正土壌pHは5.0〜6.0とされています。「そうか病」(イモの表面にガサガサのかさぶたができる病気)を防ぎたい場合はpH5.0〜5.5に抑えるのが理想。そのため、石灰のやりすぎは厳禁。多くの野菜は石灰を入れて酸度矯正しますが、ジャガイモの場合はこれがそうか病を誘発します。前作で十分に石灰を施用していれば追加は不要。不安な場合はホームセンターの簡易pH測定キットで確認しましょう。pH6.0以上なら石灰は不要です。
総施肥量の目安は10アールあたりN:8.5キロ、P:11キロ、K:10.5キロです。家庭菜園では化成肥料8-8-8を1平方メートルあたり100グラム程度となります。
元肥の施し方
植え付けの2週間前に土づくりを済ませます。以下は1平方メートルあたりの目安です。
| 資材 | 量(1平方メートルあたり) | 目的・注意点 |
|---|---|---|
| 完熟堆肥(たいひ) | 2〜3キロ | 土壌改良。未熟堆肥は病気の温床になるので必ず「完熟」を使用。堆肥を十分入れれば化学肥料を約20%削減可 |
| 化成肥料(8-8-8等) | 50グラム程度 | N-P-K(窒素-リン酸-カリウム)をバランス良く |
| リン酸肥料(ようりんなど) | 30〜50グラム | 根の発達とイモの形成に重要。畝内施肥が効果的 |
| 苦土石灰 | 0〜50グラム | pH5.5未満の酸性が強い場合のみ。そうか病リスクがあるので必要最小限に |
家庭菜園では化成肥料の代わりに「ジャガイモ専用肥料」を使うのが最も手軽です。各メーカーからN-P-Kバランスを最適化(窒素が少なく、リン酸が多いはずです)した製品が出ており、元肥と追肥の配分を考える手間が省けます。
プランター栽培の場合
市販の「野菜用培養土」をそのまま使えばOKです。pHが6.0前後に調整済みで、元肥も配合されている製品が多いため、追加の土づくりは基本的に不要。ジャガイモ専用肥料を少量混ぜておくとさらに安心です。
植え付け
植え付け適期と条件
地温7℃以上が植え付けの最低条件です。理想は10℃以上。冷たくて湿った土に植えると、出芽が大幅に遅れ、種イモが腐るリスクが高まります。地域の梅の開花時期がおおよその目安になります。
| 地域 | 春植え適期 | 秋植え適期 |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 4月下旬〜5月上旬 | (秋植え不可) |
| 関東・中部 | 2月下旬〜3月中旬 | 8月下旬〜9月上旬 |
| 関西・中国・四国 | 2月中旬〜3月上旬 | 9月上旬〜中旬 |
| 九州 | 2月上旬〜3月上旬 | 9月上旬〜中旬 |
畑への植え付け手順

- 畝幅60〜70センチ、深さ10〜15センチの溝を掘る。マルチ栽培では土寄せができないため、深めに植える。
- 溝の底にリン酸肥料を帯状にまく。ジャガイモの根は浅いため、根の近くにリン酸を置くことで効率良く吸収できる。
- 種イモを切り口を下にして、株間30センチで並べる。種イモと種イモの間に化成肥料をひと握りずつ置く。
- 土を5〜7センチ被せる(深植えは出芽が遅れ、浅植えは緑化の原因に)。
- 遅霜が心配な場合は、不織布のべた掛けやマルチを設置する。
プランター栽培での植え付け手順
- 鉢底石を敷いた深さ30センチ以上のプランターに、底から15センチ程度まで培養土を入れる。
- 種イモの芽を上にして並べる(プランターの横幅が30センチなら1個、60センチなら2〜3個が目安)。
- 土を5〜7センチ被せる。後から土寄せ分の土を足すため、この段階ではプランターの上端から10センチほどの余白を残しておくのがコツ。
なお、冷蔵保存していた種イモをそのまま植えるのはNGです。急激な温度差でイモの表面に結露が生じ、腐敗の原因に。必ず2〜3日かけて外気温に慣らしてから植え付けてください。
芽かき
出芽後、草丈が10センチほどになったら「芽かき」を行います。芽かきとは、ジャガイモから出る芽を途中で刈り取ること。これはジャガイモ栽培で最も収量に影響する作業のひとつです。
なぜ芽かきが必要なのか
1つの種イモからは通常4〜6本の芽が出ます。芽の数=茎の数であり、茎の数が多いほどイモの数は増えますが、1個あたりのサイズは小さくなります。家庭菜園で食べ応えのあるサイズのイモを収穫したいなら、茎を2〜3本に絞るのが最適です。
これは「頂芽優勢」という植物のしくみに関係しています。本来は先端の頂芽がオーキシンというホルモンを出して他の芽を抑えていますが、種イモを切ったり複数の芽が同時に育ったりすると、この制御が弱まります。そのため芽かきで人為的に茎数をコントロールするわけです。
芽かきの手順

- 最も太くて元気な芽を2〜3本選び、残す芽を決める。
- 残す芽の根元の土を片手でしっかり押さえ、抜きたい芽の根元をもう片方の手でつかんで地際からゆっくり引き抜く。
- 無理に引っ張ると種イモごと抜けてしまうので、必ず土を押さえながら行う。ハサミで地際を切ってもOK。
ちなみに抜いた芽は捨てずに、湿った土にそのまま挿すと発根して新しい株になります(挿し芽栽培)。プランターや空きスペースに挿しておけば、種イモ代のかからないお得な増殖法となります。
追肥と土寄せ
追肥と土寄せはセットで行うのが基本です。ジャガイモ栽培において土寄せは「やらなくてもいい作業」ではなく、品質を左右する最重要ルーティンです。
土寄せが必要な4つの理由
- 緑化防止(最重要):光に当たったイモは緑色になり、有毒なソラニンやチャコニンが蓄積します。食べると嘔吐(おうと)や下痢を起こすため、光を遮断する土寄せは食の安全に直結します。
- イモの形成スペース確保:土を寄せることで地下の茎が長くなり、ストロン(地下を横に走る茎)とイモが形成される空間が増えます。
- 排水・通気の改善:畝を高くすることで水はけと通気が良くなり、塊茎の腐敗リスクが減ります。
- 除草:畝間の雑草を一緒に埋めてしまえる一石二鳥の作業です。
追肥・土寄せのタイミングと方法

| 回 | タイミング | 追肥量(1平方メートルあたり) | 土寄せ量 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 芽かき後の草丈が15センチになった頃 | 化成肥料30〜50グラム | 株元に5〜7センチの土を寄せる |
| 2回目 | つぼみがつき始めた頃 | 化成肥料30〜50グラム | さらに5〜7センチの土を寄せる |
追肥は株元ではなく、畝の肩(株から10〜15センチ離れた位置)にばらまき、そこから土を株元に寄せます。肥料が直接イモや根に触れないようにするのがポイントです。
窒素過多に注意
追肥のやりすぎ、特に窒素肥料の過多は「ツルボケ」の原因になります。葉や茎ばかりがモサモサ茂り、肝心のイモが大きくならない状態です。追肥は上記の2回を目安にし、葉色が濃すぎる場合は2回目を減量または省略しましょう。
カリウムの重要性
カリウムは「品質の守護神」です。細胞壁を丈夫にして病気への抵抗力を高め、中心空洞(イモの内部にスカスカの空洞ができる障害)を防ぎます。
プランター栽培の場合
プランターでは新たに土を足す「増し土」で土寄せの代用とします。タイミングは地植えと同じで、プランターの上端から2〜5センチまで土を入れます。追肥は液体肥料(1000倍希釈)を週1回、底から流れ出る程度に与えるか、または固形肥料をひとつまみ増し土に混ぜるのが手軽です。
収穫と貯蔵
収穫適期の見極め
収穫タイミングの判断ポイントは2つあります。
- 地上部の茎葉が黄変して枯れ始めていること
- 試し掘りしたイモの表皮を親指で軽くこすり、皮がむけないこと
品種にもよりますが、植え付けから90〜120日が目安。
新ジャガとして早掘りするなら植え付け後7〜8週間で収穫できます。ただし、新ジャガは皮が薄く緑化しやすいことや、未熟なイモには前述の有毒な成分が多く含まれる場合もあることから、食中毒に注意が必要です。子供は大人よりも少量で症状が出ることがあるので、少しでも不安を感じるようであれば食べないようにしましょう。
収穫の手順とコツ
- 晴れが2〜3日続いた後の、土が乾いた日に収穫する(湿った土だとイモに土が付きやすく、貯蔵中に腐りやすい)
- 株元から20センチ以上離れた場所に収穫用のフォークを差し込み、株全体を持ち上げる。イモに直接刃物が当たらないよう注意
- イモの落下高は10〜15センチ以下に。打撲傷は外見ではわからず、切ると内部が灰〜黒色に変色している
- 掘り上げたイモは直射日光に長時間さらさない。長時間の日光暴露で緑化が始まる
収穫日の天候に注意
雨の日や雨の翌日の収穫は避けてください。湿った状態のイモは皮目(イモの呼吸穴)から軟腐病の病原菌が侵入しやすく、貯蔵中に腐敗が広がる原因になります。
プランター栽培の場合
プランターは容器を倒して一気にイモを取り出せるので収穫が簡単です。培養土はふるいにかけて根やイモの残りを除去すれば、堆肥や腐葉土を追加して翌シーズンに再利用できます(ただしナス科の連作は避け、葉物野菜などに使いましょう)。
家庭での貯蔵方法
プロの貯蔵施設のような温湿度管理は家庭では難しいですが、以下の基本を守れば数カ月間の保存が可能です。
- 乾燥:収穫後、風通しのよい日陰に1〜2日ほど置き、乾燥させる
- キュアリング(傷の治療):10~15℃、湿度85~95%の暗所に1~2週間ほど置き、キュアリングを行う。これにより収穫時の小さな傷にスベリン層(かさぶた)を形成させ、腐敗と水分蒸散のリスクを減らす。
- 選別:傷・変色・緑化のあるイモを除く。緑色のイモはソラニンが蓄積しているため、厚く皮をむいても食べないほうが安全
- 保存場所:新聞紙に包むか紙袋に入れ、冷暗所に置く。段ボール箱にまとめて入れ、新聞紙を上に被せるとよい
- 萌芽(芽出し)防止:リンゴを1〜2個一緒に入れると、リンゴが出すエチレンガスが萌芽を抑制する効果がある(ただし効果は限定的)。暗所保管が基本
病害虫対策
ジャガイモ栽培で最も神経を使うのが病害虫対策です。虫は家庭菜園なら無視できる程度の発生しかないですが、やはりそうか病が気になる人が多いのではないかと思います。
そうか病──イモの見た目を損なう厄介者
原因:放線菌(ストレプトマイセス属)。土壌中に常在し、条件次第で発症する。
症状:イモの表面にコルク状のガサガサした斑点や隆起ができる。食味への影響は少ないが、皮を厚くむく必要があり、見た目が大幅に悪くなる。
発生条件:pH5.5以上の乾燥した土壌。石灰過多、乾燥ストレスが主因。
家庭菜園での予防策
- 石灰を入れすぎない。pH5.0〜5.5を目標に管理
- 花が咲く前後(塊茎形成期)の水やりを切らさない。この時期の乾燥が最大の誘因
- 完熟堆肥を施用し、土壌微生物の多様性を高める
- 耐性品種を選ぶ
- 前作の残渣(ざんさ)を丁寧に除去する
その他の注意すべき病気
| 病名 | 主な症状 | 予防のポイント |
|---|---|---|
| 疫病 | 葉に同心円状の斑点(ターゲットスポット)。温暖多湿で発生 | カリウム不足を避ける。下葉から発症するため早期発見・除去 |
| 軟腐病 | イモが水浸状(水がしみ込んだような褐色)に腐り、軟化して強い悪臭を放つ。収穫時の傷から感染 | 傷つけない収穫。湿った日の収穫を避ける |
| モザイク病(ウイルス病) | 葉にモザイク状のまだら模様。株の萎縮・小型化。アブラムシが媒介 | 検査合格済み種イモ使用。アブラムシ防除 |
主な害虫と対策
| 害虫 | 被害 | 対策 |
|---|---|---|
| アブラムシ類 | 直接被害は軽微だが、ウイルス病を媒介するのが最大のリスク | 銀色マルチで忌避。見つけ次第テープで捕殺。ひどい場合は薬剤散布 |
| テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ) | 葉を網目状に食害し、光合成能力を激減させる。収穫直前に大量発生しやすい。イモの肥大には影響ないが、ジャガイモの収穫後、近くにナスやピーマンが植えてあればそちらに一斉に移動して大被害をもたらす | 成虫を見つけ次第捕殺。卵(葉裏の黄色い塊)を見つけたら潰す |
| ヨトウムシ | 夜間に葉を食い荒らす。昼間は土中に潜む | 夕方に株元を探して捕殺。被害が大きい場合はBT剤を散布 |
| センチュウ類 | 根やイモにこぶやいぼを作り、葉が黄化する。目に見えにくい | 輪作が最も効果的(最低3年)。マリーゴールドの間作も有効 |
まとめ
ジャガイモ栽培の成功は、ひとつひとつの作業の「なぜ」を理解することから始まります。植えてから約3カ月、土の中でイモが育つのを待つ時間も家庭菜園の醍醐味(だいごみ)です。掘り上げた瞬間の「こんなにできてる!」という感動は、何度経験しても色あせません。この記事が、あなたのジャガイモ栽培をより確かな成功へと導く一助になれば幸いです。


















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