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スチューベンはどんなブドウ? 「ぶどうマニア」が旬の時期や選び方を解説

スチューベンはどんなブドウ? 「ぶどうマニア」が旬の時期や選び方を解説

スチューベンは、秋から冬の寒い時期にかけて出回る昔ながらの小粒な黒ブドウです。種があり、皮は食べられませんが、「冬ぶどう」の異名を持ち、甘味が強いのが特徴です。この記事では、年間100房以上のブドウを食べるブドウマニアである少年Bが、スチューベンの特徴や旬の時期、選び方をわかりやすくご紹介します。

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スチューベンってどんなブドウ?

スチューベンはアメリカ・ニューヨーク州のニューヨーク農業試験場で1947年に育成されたブドウです。日本に導入された経緯は諸説ありますが、1952年、または1954年に農水省、または山梨県の上原氏が導入したと言われています。

皮の色は黒色で、甘味が強く酸味はありません。皮は厚いですが、するっと剥けるスリップスキンと呼ばれるタイプ。種があり、くにゅっとした食感のブドウです。甘味が強く、酸味はまったくと言っていいほどありません。

最大の特徴は何といっても日持ちのよさ。収穫後、数ヶ月日持ちするという特性があります。9月の中旬ごろから山梨県では収穫が始まりますが、青森県では10月上~中旬に収穫後、冷温貯蔵したものが2月ごろまで出回ります。

日本で栽培されているブドウは大きく3つに分類することができます。栽培は難しいけれど味がいい欧州種(ヨーロッパ系)ブドウと、栽培はしやすいけれど味や食感が劣る米国系(アメリカ系)雑種(※)、そしてその2つを交配した欧米雑種です。スチューベンは米国系雑種に分類されます。

※ 米国種(アメリカ系)と書いているケースも多いですが、日本では純粋な米国種は栽培されておらず、正確には米国種の血が極めて濃い欧米雑種です。

交配親はウェイン×シェリダンで、どちらも米国種の血を濃く引く品種です。皮が厚くて食べられなかったり、果肉がくにゅっとした食感なのは、米国系雑種の特徴です。スチューベンは米国系雑種の中では、特においしい品種と言われており、なんとあのシャインマスカットの祖父にあたるブドウでもあります。

主な産地は青森県の鶴田町。スチューベンが生まれたニューヨークと緯度が同じで、気候や風土が似ているため、栽培に適しているそうです。スチューベンの全国生産量のおよそ8割はこの鶴田町で作られていると言われています。

鶴田町では、垣根仕立てに枝を1メートル以上残す超長梢剪定(せんてい)、さらには開花前の葉数を通常の5枚ではなく3~4枚とする強摘心を組み合わせた「津軽式改良仕立法」という独自の仕立て方でスチューベンを栽培しています。

この栽培法によって着果数を増やし、密度を上げて空気に触れる部分を少なくすることで、より長期の保存を可能にしているのです。

また、観光ブドウ園や直売所には「アーリースチューベン」と呼ばれるブドウが並んでいることがありますが、こちらは正式には「バッファロー」という品種。アメリカから日本にスチューベンの苗木が導入された際に混ざっていたため、「スチューベンの中に早生のものがある」ということでこの仮称がつけられました。

バッファローはスチューベンの兄弟品種というわけではありませんが、親を辿っていくと「いとこ」にあたるぐらいの関係性。味や食感なども比較的似ているため、正体が判明した現在でも「アーリースチューベン」の名前が使われているケースがあります。

スチューベンの特徴

驚異的な日持ち

スチューベンは非常に日持ちのするブドウです。山梨県では9月中旬ごろ、青森県では10月になってから収穫されますが、青森県産の冷温貯蔵のものが2月ごろまで出回ります。

貯蔵して冬季に販売される、青森県産のスチューベン

青森県産のスチューベンは専用の施設で貯蔵されますが、これはリンゴで使われる低温貯蔵やCA貯蔵という技術を応用したもの。その縁からか、市場ではリンゴの担当者がスチューベンについても担当するそうです。

「冬ぶどう」の異名を持ち、主に10月~2月といった寒い時期に手軽な値段で買える国産ブドウとして、独自の立ち位置を築き上げています。

甘味が強い

スチューベンは非常に甘いブドウです。糖度は18度から20度程度。時には25度を超えることもあるほどです。

その強い甘さの秘密は、ショ糖です。ショ糖は砂糖の主成分。スチューベンはブドウの中では珍しく、ショ糖を含む品種なんです。

多くのブドウに含まれる糖は果糖とブドウ糖ですが、ブドウ糖はショ糖の6~7割程度の甘さしかありません。そのため、たとえ糖度が同じでも、ショ糖を含んでいるスチューベンはより甘味を感じやすい傾向にあります。

近年ではショ糖を多く含む甘いブドウといえばシャインマスカットがその代表格ですが、その特性は、じつは祖父であるスチューベンから受け継いだものなのです。

価格が安い

グラム単価で販売されているスチューベン。価格はシャインマスカットの半値以下

スチューベンの特徴は価格が安いこと。2025年現在だと、だいたい1房400円程度で買えることが多いです。小粒で種ありのブドウであることから、シャインマスカットと比較すると半額~1/5ぐらいの価格で買うことができます。

これはシャインマスカットの旬の時期の価格と比較しているので、国産ブドウの取り扱い時期が減る冬場では、さらに価格差が大きくなります。手軽に国産のブドウを食べたいという場合、スチューベンは非常におすすめです。

種ありで皮は食べられない

一般に流通するブドウのほとんどは、ジベレリンという植物ホルモンで処理することによって種なしにしています。しかし、スチューベンはこのホルモン処理を行いません。そのため、今となっては数少ない種のあるブドウなのです。

また、皮は厚く食べることができません。しかし皮は非常に剝きやすく、するっと剥けていきます。これはスリップスキンと呼ばれる米国系雑種の特徴で、デラウェアやナイアガラなどの品種にも見られます。

粒が小さい

スチューベンの果粒は3~5グラム程度で、デラウェアよりはひと回りぐらい大きいものの、巨峰の半分から1/3ぐらいのサイズです。

粒が小さいため、子どもが食べやすいという特徴があります。ただし、種には気を付けて。大人であれば、4、5粒一気にほおばって食べることで、小粒でも満足感を得ることができます。

スチューベンの旬の時期

12月にスーパーで販売されている、青森県産のスチューベン

スーパーや八百屋などでは、主に10月ごろから出回り始め、2月ごろまでが主なシーズンです。冬の間を通して少しずつ出荷されるため、出回る時期は本来の旬から少し遅れることが多いですが、貴重な冬の時期に食べられる国産ブドウとして、長く愛されている品種です。

スチューベンは非常に日持ちがいいため、収穫直後とさして変わらない味わいのものを冬に食べることができます。

山梨県の観光ブドウ園や、産地の直売所に行くと、収穫したての9月ごろから食べることができるので、「どうしても旬のスチューベンを食べてみたい!」という方は、スチューベンを作っている観光ブドウ園や産地の直売所に行ってみるといいでしょう。

青森県産のものを10月の出回り始めの時期に食べてみるのもおすすめですが、個人的には「やっぱりスチューベンは寒い時期にこそ食べたいなぁ……」という気持ちもあります。

おいしいスチューベンの選び方

青森県産のスチューベンは貯蔵されたものなので、軸の色では判別ができません。それ以外の部分でおいしいスチューベンを見分ける方法をお伝えします。

粒の張り・つや

スチューベンは適切な管理をしておけば非常に日持ちのする品種です。しかし、貯蔵庫から出して店頭に長いこと置いておくと、品質の劣化が進んでしまいます。

果粒に張りとつやがあり、指で軽く触れて弾力があるものを選びましょう。逆にシワが寄っていたり、押して柔らかすぎたりするものは避けましょう。

果粒にブルーム(白い粉)がついているか

粒の表面に白っぽい粉がついていることがありますが、これはブルームと呼ばれるロウ状の天然成分。果実の水分蒸発を防ぐ役割があります。

このブルームは時間が経つと失われるほか、ぶつけたりこすったりすると簡単に取れてしまいます。ブルームがない=新鮮ではないというわけではありませんが、ブルームがしっかり乗っているスチューベンは、それだけ畑や店頭で丁寧に扱われている証拠になります。

軸がみずみずしいか

新鮮なブドウは、軸がみずみずしい緑色をしています。乾燥して茶色くなっている場合、収穫から時間が経っている可能性があります。

スーパーなどで見かけるスチューベンの多くは青森県産の貯蔵品です。スチューベンは貯蔵に向く品種のため、あまり重要視はしなくてもいいですが、観光ブドウ園や直売所で新鮮なスチューベンを見分けたい場合は、注意して見ておくといいでしょう。

まとめ

スチューベンは非常に日持ちのする品種で、冬の寒い時期に出回る貴重な国産ブドウです。種ありで皮も食べることはできませんが、甘味もとても強いため、さっぱりした味わいの輸入ブドウに飽きてきたという方はぜひ食べてみてください。

もし店頭で見かけたら、この記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひおいしいスチューベンを選んでもらえたら嬉しいです。

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