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先輩就農者の声|JAふくおか八女

JAふくおか八女の研修制度を活用し、住みたかった九州でイチゴを作る 「農業」も就職先の選択肢 JAふくおか八女の研修制度を活用し、住みたかった九州でイチゴを作る 「農業」も就職先の選択肢

川田悠斗(かわたゆうと)さん
25歳 / 埼玉県出身 / JAふくおか八女 就農支援センターを2021年5月に卒業

JAふくおか八女(福岡八女農業協同組合)では「イチゴ」と「トマト」・「ナス」の担い手を育成する「JAふくおか八女 就農支援センター」を設け、管内で新規就農を目指す人材を受け入れています。2020年度の6期生はイチゴ農家を目指す5名。そのうちの1人、埼玉県から新卒で農業研修を受け、今年で就農3年目になる川田さんに研修時の様子や今後の目標を伺いました。

趣味の釣りが楽しめる九州に埼玉県からIターン 趣味の釣りが楽しめる九州に埼玉県からIターン

JAふくおか八女管内の筑後市でイチゴ『博多あまおう』を栽培する川田さん(作付面積11.9a)は埼玉県の出身です。学生時代は商学部で農業とは無縁でしたが、実家から東京・八王子の大学まで片道2時間かけて通学するうちに通勤ラッシュに巻き込まれない仕事に就きたいと考え、農業に関心を持ちました。地元から遠く離れた福岡県筑後市を就農地に選んだのは、学生時代に全国各地を旅行して、一番気に入ったのが九州で、趣味の釣りが楽しめることも大きなポイントだったといいます。就農フェアで筑後市の先輩就農者の話を聞き、JAふくおか八女の研修施設で技術習得や農地探しを支援してくれることを知り、「農業経験ゼロの自分が単身で飛び込んでも農業ができる」と思い、入所を決めました。

川田さんに聞く「研修」と「就農」のリアル 川田さんに聞く「研修」と「就農」のリアル

選んだ品目は高収益が期待できるイチゴです。研修期間は6月から翌年5月までの1年間で、指導員やセンター長に教わりながら研修生5名で就農支援センターのハウスでイチゴを管理し、年間を通したイチゴの栽培技術を学びました。「自己資金は潤沢にあったわけではありません。でも、空きハウスの活用や借入金で初期投資は何とかまかなえました」と話す川田さん。JAや市役所にハウス探しや資金調達のサポートを受け、研修卒業後の2021年6月に筑後市にハウスを借りて独立。就農2作目を終えたところで、ここまでの感想を伺いました。

Q. 就農という選択に不安はありませんでしたか?
A. 研修で初めてポットに入っているイチゴの苗を見て「これで本当にイチゴができるのか?」とか「自分にもできるのか?」といった不安はありましたが、同級生のように就職活動をして会社勤めを選んでも最初はそんな風に感じるのではないでしょうか。でも、就農して自分で植えたイチゴを初めて収穫した時は喜びよりも「これで生活ができる」と思いホッとしたのを覚えています。
Q. 想像していた農業とギャップはありましたか?
A. 大変な仕事ということは最初から承知していたので特にギャップは感じませんでした。農業は休みが無いなぁ…とは思いましたが、趣味の釣りには頑張れば行けるレベルです。特に就農してからは意識して半日でも休みを取って釣りに行けるよう、効率よく作業を進めて時間を作っています。大好きな釣りに行けることが農作業を頑張れるモチベーションにもなっています。
Q. 就農して大変だったこと、良かったことは?
A. 大変だと感じる点は天候への対応です。大雨、強風、寒波などの対策をして、それまでに作業をここまで終わらせるというイレギュラーへの対応はとても大変です。また、1人でやっていると重量物の運搬などで苦労したり、作業効率が思うように上がらない場面も少なくありません。周囲の方が見かねて助けてくれることもありますが、基本的には自分でなんとかしています。ビニール張や苗の定植など一部の作業は、近隣のイチゴ農家のグループに加えていただき一緒に作業を行っています。そのため、健康などの自己管理も大切にしています。良かった点は、まず九州に住めていることです。特に筑後市は九州のほぼ真ん中で他県へのアクセスがよく、2〜3時間あればたいていの釣り場に行くことができます。自分のペースで仕事ができることや通勤電車に乗らなくていいことも農業の良さですね。ちゃんとイチゴを取っていければ生活に困ることもなく、自分に合った良い仕事だと思っています。

初年度から目標を達成、一生の仕事としてイチゴに取り組みたい 初年度から目標を達成、一生の仕事としてイチゴに取り組みたい

新規就農者が作成する就農計画では1坪あたりの出荷額を2万円で試算していましたが、初年度から計画を上回る坪2.5万円を達成。販売目標額でもプラス100万円の実績が出たことで「農業で生計を立てていく自信になった」と話す川田さん。収量では2年目に坪67.4パック、3年目以降は70パックを超えることが目標ということで「そのために高い栽培技術を身につけたい」と抱負を語ります。農業経験ゼロの大学生が縁もゆかりもない地域で独立就農を果たすのは簡単なことではないと思いますが、「農業は特別なことではなく、あくまで仕事の選択肢のひとつです。できるだけ長くイチゴで生活していきたい」と飄々と語る川田さんに今後の更なる成長を期待せずにはいられません。

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