大和ハウス工業株式会社
大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区 社長:奥村洋治)と日本コンクリート工業株式会社(本社:東京都港区 社長:塚本 博)は、既存杭の撤去孔を効率的に、均質な改良土で埋め戻す「FUNC-RES工法」を共同で開発しました。
本工法は既存杭の撤去孔に堆積した超軟弱土を適切な強さ、かつ均質な土質に改良し、その後の新設杭打設の施工効率を向上させるもので、施工期間や施工機械の稼働時間が短縮でき、CO2排出量削減だけでなく、周辺の生活環境の負荷低減も期待できます。昨年、千葉県柏市内のマンション建替え工事において本工法を採用し、その実効性を確認しました。
<開発の背景と導入の効果>
既存の建物を解体し、同じ敷地に新たに建物を建てる場合、新設建物の杭の打設予定位置に既存建物の杭が残っている場合は既存杭を引き抜く必要があります。従来工法では既存杭を引き抜いた後の孔にセメント系固化材などの改良材などを投入して埋め戻しますが、細長い孔内では十分な混合が難しいため不均一となり、このような位置へ新設杭を打設する場合は、既存杭の干渉のない位置に打設する場合と比べて施工能率が落ち、通常の新設杭打設より工期が長くなる場合があります。
本工法は図1に示すように、既存杭を引抜いた後に体積調整用の砂を投入し、新たに開発した撹拌装置で固化材を添加しながら孔内全体を改良します。撹拌装置は図2に示すようにケーシングと連動して回転する撹拌翼および掘削翼と、孔周囲の地盤に貫入させた回転防止板により静止する固定翼を交互に配置した構造からなり、塊状の粘性土も細断されるため、超軟弱土と砂と固化材が十分に混合され、孔内を均質に改良できます。また、この撹拌装置は既存杭を引き抜く際に使用するケーシングの先端にアダプターを介して接続できるため既存杭の引抜きから土質改良まで一連の工程で重機を入れ替える必要が無く、効率よく施工できます。
<本工法の特徴>
・既存杭撤去孔を適切な強さ、かつ均質な土質に改良し、新設杭の打設時の工期短縮が可能
・新たに開発した「撹拌措置」は汎用のケーシング先端に装着でき効率的な施工が実現
・全体工期を短縮する事で、施工機械の稼働時間が短縮でき、CO2排出量削減だけでなく、周辺の生活環境の負荷を低減
<今後の展開>
既存杭を撤去して新設杭を打設する場合で、特に既存杭が新設杭に干渉することが想定される案件について積極的に提案、適用していく予定です。
<取得認証>
本工法は「FUNC-RES工法―杭引抜き孔の再生改良工法―」として一般財団法人日本建築総合試験所において2020年4月に建築技術性能証明(GBRC 性能証明 第19-29号)を取得しています。また、工法および撹拌装置の特許を出願中です。
<会社概要>
会社名:株式会社フジタ
本社所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目25番2号
設立:2002年10月(創業:1910年10月)
資本金:140億円
代表者:代表取締役社長 奥村 洋治
URL:https://www.fujita.co.jp/
会社名:日本コンクリート工業株式会社
本社所在地:東京都港区芝浦4丁目6番14号 NC芝浦ビル
設立:1948年8月
資本金:51億円
代表者:代表取締役社長 塚本 博
URL:https://www.ncic.co.jp/
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