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MSCジャパン

MSCの海洋管理基金が持続可能な漁業の推進および海洋生物保護の研究支援のため200万ドル超の助成金を授与

公開日:2025年05月14日

MSCジャパン
持続可能な漁業の拡大に向け、世界の85件のプロジェクトに助成金が授与されました。助成の対象となるプロジェクトは、神経科学者による海洋哺乳類の混獲を防ぐ方法の開発や、回遊性の高い魚種の保護を目的とした国際的な協働など多岐にわたります。

これらのプロジェクトにはMSCの海洋管理基金から助成が出されており、持続可能な漁業や海洋生物の保護を世界各国で推進するために活動する漁業、NGO、研究者、科学者に220万ドルが授与されました。

ヘイクを漁獲するナミビアのトロール漁業とはえ縄漁業は、ミナミアフリカオットセイが漁具と接触する可能性を最小限に抑える目的で、科学者や技術者らが協力して標的型音響驚愕技術を導入するために助成を受けています。

神経科学を活用するこの技術は、オットセイが漁具に近づかないようにするために低周波を発するものですが、オットセイや周辺に生息するほかの種の聴覚を傷つけることはありません。この研究は、ナミビアの漁業が操業中にミナミアフリカオットセイとの接触を緩和するだけでなく、オットセイとの接触について同様の問題を抱えているほかの漁業にとっても貴重な知見を得られることが期待されています。

また、複数のステークホルダーによるユニークな政府間協力も、今年度の海洋管理基金の助成を受けることになりました。MSC漁業認証を取得している5つのビンナガマグロ漁業は、NGOや大陸をまたぐ機関と協力し、高度回遊性魚類であるビンナガマグロについて、科学的根拠に基づく資源全体の漁獲戦略を策定し、実施する予定です。長期的な持続可能性と回復力を目標とすることで、ビンナガマグロ資源の管理において反復可能なモデルとなることが期待されています。

海洋管理基金が今年度に助成するプロジェクトはほかにも、ヨーロッパマイワシの生態系管理方法の開発に関する研究、カリフォルニアヤリイカの個体群動態に関する長期的研究、インド洋におけるサメの偶発的採捕の詳細把握に向けた改善などがあります。

MSCの海洋管理基金は、2019年の設立以来、世界の200件以上の漁業とプロジェクトを支援するために、880万ドルを超える助成金を授与してきました。そのうち90件近くが開発途上国で実施されています。

MSCはこの6年間、MSCラベル付き製品の販売からいただいているラベル使用料の5%を毎年、海洋管理基金に充てています。MSCラベルを付けて販売できるのは、MSCの厳格な漁業認証規格を満たし持続可能であるとして認証された漁業で獲られた水産物だけです。

慈善団体およびMSCのミッションに賛同してくださる企業による貢献もまた、持続可能な漁業の世界的な広がりを加速させるための重要な役割を果たしています。今年度は、メキシコ、ペルー、チリ、中国、インドネシア、南アフリカ、インド、南ヨーロッパの30以上の漁業が持続可能な管理へ移行するために、海洋管理基金を通じてこうしたパートナーからの支援を受けています。

MSCの最高責任者ルパート・ハウズは、次のように述べています。
「2025年度の海洋管理基金を受賞された皆さまにお祝い申し上げます。MSCのビジョンである生命にあふれた海を実現するためには、イノベーションを推進し、大規模な改善をもたらす強力なパートナーシップが必要です。これらの賞は、協働による力を示すものです。その協働には、科学者と漁業者による独創的な解決策の試みや、環境保護団体や政府間組織が漁業者とともに行う大規模な漁業管理方法の変更などがあります。海洋管理基金がこのような変革をもたらすパートナーシップを支援できることを誇りに思います」

海洋管理基金について
2018年以降、MSCはMSCラベル付き製品の販売からいただいている年間使用料の5%を海洋管理基金に充てています。
海洋管理基金は、世界での持続可能な漁業の広がりを加速させることを目的としています。漁業が海洋を保護し、海洋環境への影響を最小限に抑えるための取り組みを実施することを幅広く支援するような研究とイノベーションに向けた助成金を毎年授与しています。こうしたプロジェクトの多くは、漁業、科学者、環境NGOによるユニークな協力体制を支援しています。

MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は25カ国に事務所を置き世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた製品は、2023年度には世界約70カ国で20,000品目以上、日本では約700品目が販売されました。国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、マクドナルドなどで購入できます。

持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は世界で広く認知されており、最新の科学的根拠に基づき策定されたものです。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもあります。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が最小限に抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められます。

詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp

MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」です。

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