山梨県都留市に拠点を置くC-table株式会社。
2017年8月に創業した、デジタルを活用した新しい事業づくりを行うIT企業です。
創業以来、自治体や民間企業のニーズに合わせた、DX(デジタル・トランスフォーメーション)支援を行ってきました。
そんな私たちは「都留の炭ナッツ」という、真っ黒な外見を持つユニークなナッツを生み出しました。
地方に存在するノウハウの限られたIT企業が、なぜ食品の開発に着手したのか、その背後には深い思いがあります。
私たちの想いは、単なる事業提供者に留まらず、地域と共に成長し、地域の魅力を引き出すこと。「都留の炭ナッツ」はその一環として、地元の資源を活かし、地域に新たな魅力をもたらす試みをご紹介します。
間伐材の利用率はたったの9%!間伐の怠りが招く未来の脅威
私たちの商品開発の始まりは、「食べられる炭」である「キコリの炭」のブランディングに取り組んだことでした。このブランディングのプロセスで、山々が抱える問題、特に「間伐材」の課題について私たちは知るようになったのです。
高度経済成長期には、建築や製紙などの分野が急速に発展し、木材の需要が膨れ上がりました。この結果、人工林の植林も増えましたが、木材の成長には時間がかかるため、代替材料の使用も増えました。こうした変化が、森林利用に関わる問題を引き起こしました。
森林を健全に保つためには、「間伐」という手入れが必要です。しかしながら、需要の減少によって間伐が怠られ、森林の調和のとれた生態系が崩れていきました。
「間伐」が進まない一因は、間伐の際に発生する「間伐材」の処理コストです。
現在の間伐材の利用率は約9%程度であり、その処理が進まない原因の一つとされています。
間伐が怠られることにより、日光が届かず下草が育たず、土壌が損なわれ土砂崩れのリスクが高まります。同時に、森林の機能が低下し、老木が増加して二酸化炭素の吸収量が減少する課題も浮かび上がっています。
地方のIT企業が紡ぐ『都留の炭ナッツ』の物語
「キコリの炭」のブランディングを通じて、私たちC-tableもこうした課題があることを知りました。
そこで、「間伐材の新たな需要を産むことができれば、積極的な間伐を促すことができるのではないか」と考えるようになったのです。
間伐材は、地域の人々や消費者のイメージが限定的であり、広く受け入れられるためには、間伐材を利用した製品を多様な形で提供する必要があります。
そこで、もっと私たち消費者たちのとって身近な製品として届けることができないか、と考えるようになりました。
「炭ナッツ」に使用してる、キコリの炭は、山梨県都留市の工場にある最新テクノロジーで管理された特殊炭化炉で炭化し、竹や木材に含まれる微量な重金属を96%除去。炭が本来持つ特徴を活かした上で安全性を高めた食べられる炭です。
この食べられる炭を、ふるさと納税の返礼品として人気を集めているナッツと混ぜたら面白いかもしれない!というジャストアイディアが元になって開発を進めることになりました。
食べられる炭×ナッツ?!驚きのコラボレーション
ところが私たちC-tableにとって、食品開発は初めての試み。最初はどのようなアプローチをとれば良いか悩みました。
ひとまず、地元のスーパーマーケットで手に入れた美味しいナッツの裏面に記された住所に問い合わせることからスタート。
私たちは食品開発に関しては素人でしたが、私たちの「食べられる炭」を活用した商品開発への情熱に共感していただき、試作品の制作に快く応じてくださいました。
「キコリの炭」は、特殊な製法で作られ、安心・安全な食べられる炭。
見た目が黒いので「苦いのかな?濃い味なのかな?」と思われます。
しかし、手前味噌ですが、食べるとメープルシロップの自然な甘さと塩味が効いていて美味しい!見た目とのギャップでさらに美味しく感じる商品です。
実は、この試作品の段階からほとんど味も変わっていません。完成度の高い商品に、私たちは歓喜しました。
『美味いが汚れる』のジレンマ:商品進化の舞台裏
しかし試作段階で、問題が起こりました。
味はすこぶる美味しい。しかし、 食べると舌や指が黒く汚れてしまうのです。
手に取っていただくお客さんのことを考えると、毎回手を拭く必要がある商品ってどうなんだろう?自分がお客さんだったら手に取りたくない。
そんな気持ちから更に改良を重ねていきました。
おいしさはそのままに、舌や指が汚れないギリギリまで、炭の量と色を調整し現在の商品へと完成させました。
こうして生まれた食べられる炭のナッツ。
山梨県都留市という小さな街の存在を知らない人々にとって、その場所がどこかを知る手がかりとなるような商品になるように、また都留市にゆかりのある人々が誇りを持って「これが我が街の名物だよ」と紹介できる商品にもなってほしいという願いも込めて、「都留の炭ナッツ」という名付けました。
これからも続く私たちの挑戦
山梨県都留市という、わずか3万人の小さな街から始まった大きな挑戦。
SNSや実店舗を通じて、少しずつ反響が広がっています。
SNSを通じて繫がった縁から、山梨県富士河口湖町の複合商業施設「旅の駅 kawaguchiko base」内にある「PLANET&ME」というお店でも販売されています。
「PLANET&ME」は、Made in 山梨のものをはじめ、国内外各地からサスティナブルアイテムを厳選したセレクトショップです。ここでは、「都留の炭ナッツ」のおいしさはもちろんのこと、SDGsへの思いに共感し、取り扱っていただけることとなりました。
この黒い見た目に興味を持ってくださるお客様に試食していただくと、「自然な甘さで、とても美味しい!」と評判となり、今では「PLANET&ME」の品揃えの中でも人気商品としてご好評をいただくようになりました。
PLANET&MEホームページ : https://planet-and-me.com/
人口減少、環境問題—私たちがこれから直面する未来は決して明るいものばかりではないかもしれません。しかし、そんななかでも、半径10メートルの範囲でも、自分たちの手で困難を解決したい。その些細な努力こそが、大きなイノベーションへと繋がると信じています。
これからも地方における活力の喚起と、新しい価値の創造を目指して、私たちは挑戦を続けてまいります。
詳細な商品内容はこちらからご確認ください。
都留の炭ナッツ公式サイト : https://tsuru-suminuts.com/
最新の情報はInstagramからご確認ください。
都留の炭ナッツ公式インスタグラム : https://www.instagram.com/tsuru_suminuts/
<炭ナッツの取材お問い合わせ先はこちら>
会社名:C-table株式会社
住所:〒402-0053 山梨県 都留市上谷3-1-21
問い合わせ:広報 前野
電話番号:050-5892-8786
メールアドレス:suminuts@c-table.co.jp