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出荷量前年比160%!レシピ動画で豆苗が大ブレイクした理由

出荷量前年比160%!レシピ動画で豆苗が大ブレイクした理由

2017年07月29日

少し前まではマイナーな食材だった豆苗ですが、2017年5月の出荷量は前年比160%を記録しました。そんな豆苗のブレイクの影にあるのが、豆苗レシピの動画配信といいます。レシピ動画と豆苗の出荷量増加にはどのような関係があったのでしょうか?

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出荷量前年比160%!レシピ動画で豆苗が大ブレイクした理由

スーパーに並ぶ生産物や商品は、季節にあわせて、旬のものなどに変わっていきます。しかし季節が変わっても、陳列棚の限られたスペースの中で、定位置を確保している食材があります。それが、豆苗です。

2017年5月の豆苗の出荷量は前年比160%と、驚異的な売上を記録しています。豆苗の急成長の立役者となったのが、レシピ動画サービス「Kurashiru(クラシル)」の動画配信です。少し前まではマイナーな存在だった豆苗を、メジャーな野菜に押し上げた動画の効果とは、一体どのようなものなのでしょうか。

豆苗の出荷量と野菜価格の推移

豆苗のシェアで第1位の株式会社村上農園では、気温や光などが自動で制御された植物工場で生産されています。そのため豆苗は季節に関わらず、安定的に手に入る食材なのです。

豆苗の出荷量と野菜価格の推移

2016年の豆苗の出荷量と野菜価格の推移を見てみると、野菜の価格が上がり始めると、それに伴って豆苗の出荷量も増えていくことがわかります。他の野菜の値段が高くなったら「いつも安価な豆苗を買おう」と思うのは、消費者の心理として不思議なことではありません。

レシピ動画のヒットとあわせて豆苗の出荷量も急増

従来の豆苗の売れ行きに大きな変化をもたらしたのが、動画配信です。野菜の中でも優れた栄養バランスを持っていて、一定の出荷量があるにも関わらず、豆苗がメジャーな存在になりきれなかったのは「豆苗をどう料理に使ったらいいかわからない」という利用者の実態が一因でしょう。料理法がわからないのであれば、いくら豆苗が安価で手に入りやすくても、購入には至りません。

そんな中2016年秋から、レシピ動画サービス「Kurashiru(クラシル)」で豆苗のレシピを紹介する動画の配信が始まりました。季節を問わず安く購入でき、しかも一度食べた後でも根を水に浸しておくと新しい芽が出て再収穫できるという特長が、毎日の献立に取り入れやすいと注目されました。

今では豆苗レシピの動画は50本以上公開され、一番人気の「もやしと豆苗の豚肉レンジ蒸し」は、再生回数が1,700万回(2017年7月現在)を超えています。

レシピ動画のヒットとあわせて豆苗の出荷量も急増

そして、この動画の再生回数が増えていくと共に変化していったのが、豆苗の出荷量です。「もやしと豆苗の豚肉レンジ蒸し」の再生回数が2017年2月頃から右肩上がりに伸びていくと、それを追うようにして豆苗の出荷量も急増。5月の出荷量は約1,140トンと前年比160%の記録を作ったのです。

同時期の野菜価格は平年並みで横ばい推移していたことから、“他の野菜の代用品として”豆苗を購入した人が増えたのではなく、“豆苗を買いたい”と目的を持って購入した人が増えた結果と考えられます。

「もやしと豆苗の豚肉レンジ蒸し」

「低価格×栄養価×汎用性」が消費者定着のカギ!?

豆苗は安価で大抵のスーパーマーケットで販売されており、入手しやすく、野菜の中でも群を抜く栄養素を持っていることが特長です。豆苗のβカロテンやビタミンCは小松菜とほぼ同じで、ビタミンKやビタミンB群、ビタミンE、葉酸などが含まれます。

しかし、“安くて栄養価が高い”というだけでは、生産量を伸ばすことは難しいということが、今回の豆苗の例でわかります。購入したい意欲を消費者が持っていても「食べ方がわからない」、「ワンパターンの食べ方しか知らない」のであれば、食卓に登場する回数は限られてしまいます。

そこに「調理のアイデア」がプラスされたことが、豆苗の売上躍進につながったのでしょう。

「低価格×栄養価×汎用性」が消費者定着のカギ!?

生産者・食品メーカーにとって動画は新しいマーケティング手法

豆苗の売上が伸びたのは、ただのレシピ提案ではなく、動画という手段だったこともひとつの特長です。レシピ本でもウェブの記事でもなく、わずか1分の動画に作り方が集約されていて、消費者は気軽に短時間で豆苗の魅力を発見することができます。

生産者・食品メーカーにとって動画は新しいマーケティング手法

さまざまな分野でコンテンツの動画化が進む今、中でも「料理という分野は動画との親和性が高い」と、クラシル広報の田中さんは言います。「料理の手順は、文字ベースのレシピを書籍やブラウザで見るより、動画で解説したほうがわかりやすいですよね。最近は小学校の調理実習でクラシルが使われているという声もユーザーから届いており、レシピを動画で見るという習慣が、年齢を問わず多くの方の間で根付きつつあることを実感しています」と田中さん。

クラシルでは、お菓子から飲み物、即席麺などさまざまな食品メーカーのタイアップ動画を、これまでに100本以上制作しているそうです。「動画が多く見られるほど、レシピで使われた食材を『買ってみたい』『実際に買ってみた』というユーザーの声も多くなります。またホームページなどメーカーが持つ従来のプラットフォームではなく、元々ターゲットが多く訪れているクラシルのプラットフォームを活用することで、自社ではリーチできなかったターゲットにも情報を届けることができます」クラシルの強みを田中さんからうかがいました。

料理を作るときは動画を見る、というのが当たり前になる日はそう遠くないはず。それに伴って動画コンテンツが、食の分野で新しいマーケティング方法として定着していくことでしょう。「いい野菜だからもっと食べてほしい!」、「うちの果物の魅力を伝えたい!」と考えている農業従事者の方は、このような成功例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

レシピ動画メディアkurashiru
https://food.kurashiru.com/
※写真提供:dely株式会社

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