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自己資金は平均569万円!就農の初期費用は?狙い目の作目は?

自己資金は平均569万円!就農の初期費用は?狙い目の作目は?

2017年08月01日

農業を始めるために必要なお金はいったいどのくらい必要なのでしょうか。気になる農地の取得費や初期投資費用、少ない資金で始められる作目、自己資金が少ない人の農業資金調達法、毎年かかる経費の違いや補助金などの制度についてご紹介します。

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農業を始めようと決意を固めたら、気になるのはお金のこと。農地だけでなく、トラクターや軽トラなどの機械、種苗、肥料に水道・燃料費。一体いくらあれば、農業が始められるのか、見当もつかない方も多いのではないでしょうか。先立つものはまずお金です。
そこで、農業を始めるために必要なお金や、安く抑える方法、補助金などの制度についてご紹介します。

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農業を始めよう!資金はいくらかかる?

平均自己資金は569万円

全国新規就農相談センターが、全国の新規就農者を対象に行った「2016年度新規就農者の就農実態調査」によると、新規就農者が用意した自己資金は、土地取得代を除いて平均569万円(*1 )。2013年の同調査よりも89万円も少ない結果となりました。内訳は、就農1年目の生活費に159万円、設備投資や経営に費やした金額が411万円でした。

生活費は1年から2年程度を見込む

就農初年度は収穫までの間、無収入であることはもちろんのこと、収穫にこぎつけても売り物にならなかったり、現金化までに時間がかかることもあります。就農の先輩たちが、初年度に生活費として用意した金額の平均は159万円。新規就農者のうち「おおむね農業所得で生計が成り立っている」と答えた人は24.5%。今後の生計の目処については、「就農1、2年目で目処が立ちそう」と答えた人は76.4%でした。新規就農のための資金は、家族の有無や育てる作目などによって異なりますが、就農してから1年から2年は無収入でも乗り切れるだけの蓄えは必要です。

営農資金は、毎年必要となる金額

肥料や種苗、肥料や燃料、出荷費用など農業を営むのに必要な「営農資金」は、1年目の平均で158万円。この費用は、農業を続ける限り毎年かかってくる経費です。どういった費用がかかるのかは、各都道府県が公開している「農業経営指標」が参考になります。作目別に、詳しく公表されているので、希望する作目の指標をチェックしてみましょう。

気になる農地の取得費や初期投資費用

農地は借りる方が得策

農業を始めるに当たって絶対に必要な農地ですが、新規就農の場合は、購入するよりも借りる方が得策です。農地の貸借料は2013年の全国平均で10アールあたり田んぼ10,778円、畑5,562円(*2)程度。思っていたよりも、安いと感じるのではないでしょうか。

また、農地を借りるには、農地の利用調整を行う各市町村の農業委員会に相談するとよいでしょう。各都道府県の農地中間管理機構(*3) では、農地借受公募の公募状況を公開しています。また、全国農地ナビでは、貸出希望地として登録されている土地の情報をインターネットで閲覧できます(*4)。

約6割を占める設備投資をいかに抑えるか

新規就農に関わる資金の中で、圧倒的に大きいのは、トラックや草刈り機などの機械や施設の取得費用です。平均額は411万円。投資額は、作目によって大きく異なりますが、多くの就農者が最初に購入するトラクターは、新品なら180万から高いもので1,000万円以上になります(*5)。そのほかにも、田植え機やコンバイン、ビニールハウス、運搬用の軽トラックなど、作目に応じて必要な機械や施設を揃える必要があり、その取得費用は、就農希望者が最初に頭を悩ませるところです。

この設備費をいかに抑えるかで、初期投資の額が変わってくるともいえるでしょう。自治体の助成制度を活用するのもひとつの手段です。例えば千葉県佐倉市では、新規就農者を対象に、農業機械や資材の購入を補助する制度を整えています(*6)。就農予定地の自治体窓口で相談してみるとよいでしょう。

他にも、機械を地域で共用したり、農地の規模が小さければ機械を使わず手作業でできることもあるでしょう。

少ない資金で始められる作目は

初期費用は作目によって大きく異なる

設備投資を抑えるもう1つの方法としては、営農形態、すなわち「何を作るのか」を最初によく検討しておくことです。土地や作目にこだわりがなく、資金を抑えて就農したいのなら、初期投資が少なく済む作目を選ぶのもひとつの手です。ここでは、代表的な作目別に必要な設備とその取得費用を見てみましょう。なお、以下の取得費用はいずれも、全国新規就農相談センターの「2016年度新規就農者の就農実態調査」をもとにしています。

露地野菜と施設野菜では、初期投資額が2倍以上違う

露地野菜…平均319万円

キュウリ、ナス、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、レタス、エダマメ、ブロッコリーなど、初期投資が抑えられる露地野菜は、新規就農希望者にも人気があります。収穫量が天候に左右されるので、複数の作目を時期をずらしながら栽培することで、リスクを避けます。まずは露地野菜から始め、軌道に乗ったところでビニールハウスなど設備投資を行うと、天候の影響を受けづらく冬季の栽培も可能となるため、収益が安定していきます。

施設野菜…平均826万円

トマトやネギ、ピーマン、シシトウなどのほか、メロンやイチゴも分類としては「施設野菜」です。天候に左右されづらく、年間を通して栽培ができるため、安定した収益を得られます。しかし、ビニールハウスの設営や温室の維持が必要となり、初期投資額も必然的に高くなります。ビニールなどの材料費や動力光熱費など、露地野菜ではかからなかった費用も毎年見込んでおく必要があります。

米…平均556万円

トラクターのほかに田植え機やコンバイン、乾燥機など必要な機材が多く、一式そろえると大変高額になります。その一方、米は収穫が1年に1度で、気象変化によるダメージが大きいため、専業農家は年々減少しているのが実態です。個人が専業米農家として就農するのは、設備面から考えてもハードルが高く、事業継承や相続などでの就農が現実的です。

初期投資だけでなく、毎年かかる経費の違いにも注意を

果樹…平均360万円

ブドウやモモ、サクランボ、ウメなどの果実は、初期投資額はそれほど大きくありませんが、問題は収穫までの期間です。苗木を植えてから果実を収穫できるようになるまで、3年から8年を必要とします。新規就農希望者がイチから果樹栽培に挑戦するケースは少なく、親から引き継いだり事業継承によって就農したりするのが一般的です。あるいは、果樹ごと借りることができる農地を探すのも一つの手です。

花卉…平均763万円

バラやキク、カーネーションなど花の栽培は、施設の初期投資費用が必要となります。また、動力光熱費、荷運手数料も高くなる傾向があります。露地野菜の平均と比べると毎年2倍以上の費用がかかります。その分、収益性は高い傾向にあります。

自己資金が少ない人の農業資金調達法は

補助制度や給付金を上手に利用しよう

就農の先輩たちの多くは、自己資金だけでなく、自治体の補助制度や給付金を利用して、資金面の壁を乗り越えています。無利子で資金を借りられる「就農支援基金」や、一定の条件を満たせば、最大5年間、毎年150万円(*7)の給付金が受け取れる「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」などを活用してみましょう。

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(*1)全国就農相談センター 平成28年度新規就農者の就農実態調査」
https://www.nca.or.jp/Be-farmer/statistics/pdf/OChagC5X8b3V3NsIcbsm201704071333.pdf

(*2)農林水産省「農地の価格と賃借料」
http://www.maff.go.jp/kyusyu/toukei/database/pdf/2-8-1_nouti_kenri_tika25.pdf

(*3) 農地中間管理機構
http://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/kikou/kikou_ichran.html

(*4)全国農地ナビ
https://www.alis-ac.jp/SelectPrefecture

(*5)トラクタ価格参考
https://www.jnouki.kubota.co.jp/product/tractor/

(*6)千葉県佐倉市 新規就農者支援事業
http://www.city.sakura.lg.jp/0000013749.html

(*7) 農林水産省 業次世代人材投資資金
http://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/roudou.html

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