夏本番、海へ山へと楽しい季節。たまには畑に出向いて、取れたてのトウモロコシにかぶりついてみてはいかがでしょう。想像するだけで「おいしそう」じゃありませんか。でも実は収穫後、すぐに食べるトウモロコシは、「おいしそう」なのではなく、本当に「おいしい」ということをご存じですか?
旬の時期のトウモロコシをおいしく食べて、あますことなく栄養を摂る方法をお伝えいたします。
夏の風物詩、トウモロコシは海を渡ってやってきた
野菜だけど、穀物?!トウモロコシって一体何者?
トウモロコシは、米や小麦と並ぶ世界三大穀物の一つと言われています。
野菜なのに米や小麦と一緒? と思われるかもしれませんが、地域によっては主食としている地域もあります。
トウモロコシは野菜の中では高カロリーで、炭水化物が主成分となっています。
トウモロコシ1本で茶碗に軽めによそったご飯と同じカロリーになります。
一番栄養が詰まっているのは粒の根本に芯に密着している部分の胚芽です。ここには、炭水化物のほかにもリノール酸やビタミンE、B1、B2、鉄、亜鉛といった栄養が含まれています。また、セルロースが多く、食物繊維が豊富なので、腸をきれいにしてくれます。
このように、炭水化物が主成分であっても、バランスよく他の栄養素も含まれています。
缶詰のトウモロコシは栄養面では生と変わりありません。胚芽の部分もしっかりついているのでしっかり吸収できます。しかし、缶詰の場合、塩分が多めなのでお気をつけください。
おいしさと鮮度は比例します!収穫後はお早めに
日本で食べられているものの主流はスイートコーンという甘みの強い品種です。
スイートコーンは気温の変化に敏感です。高温になると糖分がでんぷん質に変化し、甘みが落ちてしまいます。そのため収穫後、24時間経つと栄養が半減し、味も落ちます。収穫後すぐに食べるトウモロコシが一番おいしいのです。収穫が早朝に行われ、即日出荷されています。
良いトウモロコシは「ひげ」に注目!!
6から9月と収穫の時期が比較的長めなトウモロコシですが、とりわけおいしさのピークは7から8月です。
次のポイントを意識して買うことで、よりおいしいトウモロコシを楽しむことができるので、参考にしてみてください。
・実が先まで詰まっていて、ふっくらつやつやしているもの。
・皮が濃い緑色のもの。
・ひげが褐色であればよく熟している。
こうやって美味しく食べるトウモロコシ
現在は品種改良が進み、生でも食べられるものも増えてきています。
粒にシワができるのが嫌な方、ぜひお試しください。茹でたての熱いうちにラップで包むと、粒にシワが寄らずきれいに保存できます。
食べるだけじゃない。トウモロコシが食卓以外で活躍する場所とは
トウモロコシはそのまま食べる以外にも、様々な用途があります。
さらに、デンプンを発酵させて作られるエタノールはバイオ燃料に使われていたり、同じくデンプンから作られるポリ乳酸は分解できる植物性プラスチックの原料として注目されています。
それだけではありません、家畜の飼料にしたり、収穫後の葉や茎は堆肥に、実を外した軸は建材やきのこ栽培の用土にもなります。
このように、私たちが食べる以外にも、いろんな面で大活躍のトウモロコシ。活躍の場が広いだけに一定の生産量を確保しなければなりません。そのため、病害虫に強くなるよう遺伝子を組み替えた品種が大規模に作られています。
今まで購入して時間をおいてから調理したり、実を包丁でそぎ落としていた方はこれを機に購入したらすぐに調理し、胚芽部分までしっかり味わってみてください。きっと今まで食べたトウモロコシよりもちょっぴりおいしくなっているはずです。
8月の今が一番食べごろなトウモロコシ、おいしいからたくさん食べたい気持ちはわかりますが、実は1本で茶碗に軽めによそったご飯と同じくらいカロリーがあります。食べ過ぎにはご注意を。