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JA三浦×サイボウズがIT化を連携 市況を瞬時に農家へ伝える「アグリコネクト三浦」運用開始

JA三浦×サイボウズがIT化を連携 市況を瞬時に農家へ伝える「アグリコネクト三浦」運用開始

有線放送を利用して、野菜の単価などの市況を各農家へ報告していたJA三浦で、新しいクラウドサービスを導入。市内の農家の8割近くが、すぐに申込みをしたという、画期的なシステムについてご紹介します。

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JA三浦×サイボウズがIT化を連携 市況を瞬時に農家へ伝える「アグリコネクト」運用開始

神奈川県三浦市農協は、これまで有線放送システムで野菜の単価などを各農家へ報告していましたが、設備の老朽化が進み、維持費も高くなったため、代替システムを検討しました。そこで、企業の情報共有・社内コミュニケーションなどに使われる「サイボウズ」のクラウドサービス「kintone(キントーン)」を導入していくことが発表されました。

「サイボウズ」といえば、グループウェアサービス「サイボウズOffice」で知られるソフトウェア開発会社です。農協とIT業界がタッグを組んだ新システムとは、どのようなものなのでしょうか。

サイボウズの有線放送代替システム「アグリコネクト三浦」

三浦市農業共同組合(神奈川県三浦市)は、2017年5月1日から、サイボウズの有線放送代替システム「アグリコネクト三浦」の運用を開始しました。これはサイボウズのクラウドサービスkintoneを活用した情報共有プラットフォームです。

それまで三浦市農協では1957年に運用を開始した有線放送を使い、野菜の概況や市況(単価)などを各農家に伝えていました。しかし、設備の老朽化が進み、維持費も高くなり運営困難な状況になっていたため、新しいシステムの導入を検討しました。運用コストや使い勝手の観点から選ばれたのが、サイボウズのkintoneを基盤にしたシステム「アグリコネクト三浦」です。

概況や市況を瞬時に共有

概況や市況を瞬時に共有

「アグリコネクト三浦」は、専用端末を使って野菜の概況や市況などの情報を各農家に素早く共有します。導入説明会の開催後1週間で、市内の農家の約77%にあたる633件から申し込みがありました。
サイボウズのkintoneは、企業の情報共有や社内コミュニケーション、さらには営業の進捗管理やお客様からの問い合わせ対応の管理などが可能なクラウドサービスです。必要な機能を、難しいプログラミングを行わずに開発することができます。「アグリコネクト三浦」は情報共有をスムーズに行うことで、市況に基づいた出荷計画を立てやすくなり、それにより収入の安定化が図れると期待されています。
システム利用に必要な端末は三浦市農協が農家へ無料配布し、kintoneの月額利用料については各農家が負担します。

出荷物の自動振り分けシステム実証実験開始

出荷物の自動振り分けシステム実証実験開始

三浦市農協とサイボウズは、「有線放送代替システム」に続く、農業IT化推進の第二弾として、「出荷物の自動振り分けシステム」を構築する予定です。現在、出荷物の振り分けは、各農家からの出荷情報を出荷所が取りまとめ、それをFAXで農協に連絡、農協ではFAXの数値を手作業で集計して、約50の市場への振り分けプランを作成していました。

「有線放送代替システム」に続く、農業IT化推進の第二弾として、「出荷物の自動振り分けシステム」を構築する予定です

「出荷物の自動振り分けシステム」は、こうした作業を自動化します。出荷所で出荷情報を入力すると、瞬時に振り分けプランが自動生成・出力されます。今までプランの作成に1日約5から6時間かかっていましたが、その労力が大幅に削減できます。「出荷物の自動振り分けシステム」は2017年7月より実証実験が開始され、本格的な運用は12月頃を予定しています。

アグリコネクト三浦

サイボウズは、青野慶久(あおのよしひさ)代表取締役自らが育児休暇を取得するなど、ユニークな取り組みで知られるIT企業です。IT業界の中で注目度が高い企業が、農業のIT化推進に取り組むことは、農業界において新たな風を吹き込むきっかけになるかもしれません。

参考
https://topics.cybozu.co.jp/news/img/170619.pdf

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