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ブルーベリー栽培発祥の地から生まれた地産地消スイーツでまちおこし

ブルーベリー栽培発祥の地から生まれた地産地消スイーツでまちおこし

豊かな自然があり農業も盛んな小平市ですが、昔は水が乏しく人が生活するには適さない土地でした。1653年に玉川上水が開通し、そこから生活用水を引いたことで少しずつ農業が盛んになりました。日本で初めて農産物としてブルーベリーが栽培されたことで「ブルーベリー栽培発祥の地」として、小平産のブルーベリーが注目されています。

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玉川上水の開通と農村化のはじまり

小平市は、多摩地域の武蔵野台地上にあり、住宅地や緑が多くゆったりとした雰囲気の町です。小平全体を一周できる散歩道「小平グリーンロード」(21km)は、玉川上水と野火止用水、狭山・境緑道の3つを結ぶ緑道の総称で『新日本歩く道紀行100選』にも認定され、季節の花々や木漏れ日を感じられるリラックススポットとして親しまれています。また、昔ながらの「丸ポスト」が都内最多の37本もあり、なんと日本一の大きさ(2.8m)の丸ポストも設置され「丸いポストのまち こだいら」のシンボルとして大切にされています。このあたりは昔、水が乏しく、人が生活するには適さない土地でしたが、1653年に羽村から江戸まで多摩川の水を運んだ玉川上水の開通により開拓の条件が整い、玉川上水から用水を引き、生活用水とすることで、江戸の近郊「農村」として開発が進みました。

また小平市は、日本で初めて農産物としてブルーベリーが栽培された地でもあります。日本の「ブルーベリーの父」と呼ばれる東京農工大学の岩垣教授は、アメリカから日本の気候に適したブルーベリーを導入して研究を行いました。1968年に教え子の実家である小平市の農家に、ブルーベリーの木を植えたと言われています。

ブルーベリー栽培発祥の地、小平

ブルーベリー栽培の第一人者である島村速雄(しまむら はやお)さんが、小平市の自宅の畑に植えたブルーベリーが日本で初めての民間栽培だったことから「ブルーベリー栽培発祥の地」といわれている小平市。水はけがよく土が肥えているため、今では20ほどのブルーベリー農園があり、「小平ブルーベリーまつり」など、市として盛り上げる取り組みも行われています。青木園は、島村さんと同級生であるご主人・青木茂(あおきしげる)さんが、島村さんに誘われる形で栽培を始めたのがきっかけだそうです。大粒で甘みのあるブルーベリーは全て無農薬でつくられており、生のままではもちろん、ワインやケーキ、ビールにまで幅広く使用されています。「当たり前ですが」と前置きの後、「ブルーベリーを食べた人に喜びを感じてほしい」と語る青木さん。地域の子どもたちに摘み取り体験を行ったりするのも、ブルーベリーのおいしさをたくさんの人に知ってほしいという思いがあるから。そんな青木さんの思いが伝わったのか、7から9月の収穫期には多くのボランティアの方に、朝早くから摘み取り作業を手伝っていただいているそうです。地域を愛し、地域に愛される農園として、これからもおいしいブルーベリーを作りつづけてほしいです。

【名称】青木園

【住所】小平市小川町2-1308-4

【電話番号】 090-3130-5616

【営業時間】 7:00-18:00 ※お問い合わせください。

【定休日】※お問い合わせください。

「小平産のブルーベリー」にこだわったスイーツ

「素敵な田舎」がコンセプトの洋菓子屋さん。手みやげにも最適な、落ち着いたスイーツが並びます。

旬である6月下旬から9月下旬頃には、生のブルーベリーを使用した商品が期間限定で多数登場。ブルーベリーは、「島村ブルーベリー園」のものを多く使っています。こちらの農園は、日本で最初のブルーベリー園としてファンが多く、菓子屋イコナのご主人もその魅力に魅せられた一人です。酸っぱいイメージの強いブルーベリーですが、小平産のものは他にはない甘さが特長。ブルーベリースイーツが目当てのお客さんがたくさんやって来ます。

ブルーベリーは卵などと反応し、時間が経つと変色してしまうことがあります。「ハナコロール」などのブルーベリー商品は、鮮やかな色を損なわないようにと改良を重ねた至極の逸品です。

【飲食店名】菓子屋イコナ

【住所】小平市花小金井南町1-7-8

【電話番号】042-463-9997

【営業時間】10:00-20:00

【定休日】火曜

【メニュー】小平ブルーベリーチーズプリン、ブルーベリーマウンテン、ハナコロール

畑の中にひっそり佇むフランス菓子屋さん

カラフルなスイーツが並び、見ているだけでこころ躍る店内。ご主人はフランスで修行をしており、フランス菓子を日本の気候や食文化に合わせ、オリジナルにアレンジした商品が並びます。

「親しみやすく、どこに持っていっても喜ばれるものを」との思いで作られたスイーツは、地元の方から圧倒的に支持されています。わざわざ自動車で買いに来るお客さんもいるほどの人気ぶりです。

実がしっかりしている小平産ブルーベリーを使ったマカロンやアイスクリームは通年販売。ここ10年ほどの間に小平のブルーベリーが盛り上がり始め、流通量が増えたことで、生食用だけでなく冷凍してスイーツにも使えるようになりました。小平産ブルーベリーとフランスの絶妙な雰囲気が楽しめます。

【飲食店名】ル・セル

【住所】小平市小川町2-1189-19

【電話番号】042-347-4500

【営業時間】10:00-19:30

【定休日】水曜

【メニュー】マカロンブルーベリー、アイス(ブルーベリーチーズ)

地域密着昔ながらの洋菓子屋さん

学生時代にバームクーヘンを扱うバイトをしていた縁で洋菓子屋さんを始めたご主人。昭和レトロの可愛らしい雰囲気たっぷりの喫茶店には、長年の常連さんから地元の学生まで、世代を超えたファンが訪れます。

オリジナル商品としては、生地の中にブルーベリーを練り上げたバームクーヘンを展開。しっかりとした食感のバームクーヘンは、昔から変わらない不動の人気商品です。

20年ほど前からは小平市長に依頼されて、小平産ブルーベリーを使用した「小平の夢ちゃん」というブッセと「菓夢菓夢」というブルーベリーサブレの販売を開始。市内のいくつかの洋菓子店でレシピを共有しており、その店独自の違いを楽しめます。

さらに新名物として、小平に多い「丸ポスト」を模したポストサブレを販売。パッケージは地元・武蔵野美術大学の学生によるもので、その愛らしさが大好評です。今後はブルーベリーと丸ポストを絡めた小平ならではのお菓子を作れたら、と新商品の開発にも積極的です。

【飲食店名】ドリヤン洋菓子店

【住所】小平市たかの台46-8

【電話番号】042-343-0005

【営業時間】9:00-22:00

【定休日】無休

【メニュー】小平の夢ちゃん、菓夢菓夢、ブルーベリーバームクーヘン

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