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「マイナビ農業」編集部が初挑戦! オリジナルビール「マイナビール」づくりリポート【後編】

「マイナビ農業」編集部が初挑戦! オリジナルビール「マイナビール」づくりリポート【後編】

2017年8月1日のサイトオープンを記念して、オリジナルビール「マイナビール」をつくることになりました。ビールに関しては素人の「マイナビ農業」編集部が、実際に醸造所に足を運び、オリジナルビールをつくったその様子を前編・後編でお届けします。
後編では、いよいよビールが完成するまでをお送りします。

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世界には「農作業をしながら飲むためにつくられたビール」があることをご存知でしょうか。ベルギーでは昔から、農家が夏の農作業中に喉を潤せるよう、冬から春先にかけてつくっていた「セゾン・ビール」が存在します。

2017年8月1日にオープンした「マイナビ農業」では、そんなセゾン・ビールのように、気軽に飲んでもらえるビールをつくりたいと考えました。そこで、サイトオープンの記念として今回、編集部の手によってオリジナルビール「マイナビール」をつくることにしました。

今回は編集部によって「マイナビール」をつくっている様子をリポートします。

後編では、いよいよビールが完成するまでをお送りします。

前半はこちら

アルコールをつくるための「糖化」作業へ

次に、先程破砕した麦芽をそれぞれお湯の入った4つの釜の中に投入し、加熱しながらかき混ぜていきます。ここで再びアクシデントが発生。なんと手を滑らせてしまい、麦芽を盛大にまき散らしてしまったのです。1つの釜の分を、急いで再び計り直し、その間にも他の釜は、温度計で温度を計りながら大きな木のヘラでかき混ぜていきました。見事なチームプレーでなんとか遅れずに、作業を進めることができました。一見簡単そうに見える作業ですが、それだけでも十分に重い大量の麦芽がさらに水分を含んでずっしりと重くなっています。そして釜内部の温度を一定にしなければならないため、周りからしっかりと全体を混ぜなければいけないので腕の筋肉をしっかりと使わなければいけない肉体労働です。「普段使っていない筋肉が動いている!」と悲鳴をあげつつも、見ている方が思わずやってみたくなるぐらいに楽しそうな様子の編集部でした。さらに麦汁を循環させて、釜の内部を均一な温度にしていきます。全員で力を合わせながら作業を進めていくと、だんだんと工房全体に麦の甘い香りが広がり始めました。

一定の温度に変化したところで、温度を保ったまま40分間寝かせます。この「糖化」と呼ばれる工程を行うことで、麦芽内のでんぷんが醗酵時にアルコールに変わっていく糖へと変化します。

麦芽を寝かせている間に、選んだホップの種類を指定された重さに計量します。編集部が選んだ3種類に、レモンやシトラスといった柑橘系の香りのするホップ「コロンバス」を苦味付けとして加え、合計4種類のホップを計っていきます。先程の麦芽の計り忘れを経験に、しっかりみんなで声を掛け合いながら計っていきました。

40分経過したところで、再度釜の中を循環させる作業へ。糖化させる前よりも色が濃くなっていると、一同その変化に驚きを見せていました。最後は本当に糖にしっかりと変化しているかどうか、ヨウ素液を使って糖化終了テストを行います。理科の授業などで聞き覚えのあるヨウ素液は、でんぷんに対して青紫色に変化するため、色が変わった場合はまだ、麦汁の中にでんぷんが残っている証拠となります。その場合はもう少し時間をかけて、完全に糖化するまで待ちます。今回はヨウ素液に反応せず透明のままだったため、無事に糖化が完了していることがわかりました。糖化が完了したばかりの麦汁、「1番麦汁」をみんなで試飲。口にした麦汁はまだ出来たてで熱々の状態でしたが、なかなか飲む機会のない麦汁は甘酒のような甘みを感じました。打ち合わせの際に試飲したアンバーエールよりも、甘みが少なく飲みやすい印象です。

糖化が完了した後はさらに釜の内部の温度を上げて混ぜていき、温度が一定になったところで、麦汁を濾過する作業へと移ります。作業手順は循環とほぼ同じですが、麦芽を釜の下部に、麦汁を釜の上部へと分けて層にしていくため、作業を静かに行うのがとても重要となります。作業は10分間手を止めずに続けていくため、体力と持久力が必要になってきます。

作業を進めていくにつれてそれまで麦芽が混じっていた水面も、だんだんと澄んできました。

体力勝負の手作りビールづくり

濾過作業が終了したところで、移動とスパージングを同時に行います。1番麦汁だけでは量が少ないため、さらに2番麦汁を抽出する必要があります。そのため麦汁が減り始めた段階でお湯を少しずつかけ、糖分を抽出して2番麦汁をつくっていく作業が必要となります。この作業のことをスパージングといいます。濾過作業によって麦芽と麦汁がそれぞれ分かれて層になったところから麦汁だけを取り出していきます。麦汁の移動をしつつ、水量が減ってきたらお湯を足すという一見すると単純な作業に見えますが、麦芽が空気に触れてしまうと酸化して味が落ちてしまうため、麦芽を常にお湯に覆われている状態でキープしなければなりません。

最初は余裕の表情だった編集部でしたが、徐々に「干上がってきた!」、「こっちもお湯ください!」とそれぞれの釜からヘルプの声が飛び交い始めました。もうもうと湯気が立ち上る釜の前に立ち、熱いお湯を釜に入れていく作業は想像以上に大変だったようで、終わった頃には、みんな疲れ切った表情でした。しかし、まだ力仕事は終わりではありません。次に麦汁を絞り出した麦芽のカスを、釜から取り出していきます。大量に出た麦芽のカスはビールづくりではもう使えませんが、近所の農業高校で牛や豚などの飼料として利用されているそうです。

いよいよビールづくりも終盤へ

先程移動させた麦汁を沸騰させ、ホップをそれぞれ1回目は苦み付けとして、2回目と3回目は香り付けとして、3回に分けて投入します。「1・2・3、GO!」の掛け声で4つの釜同時に投入。

ホップを投入し、さらに寝かせればビールとなる麦汁の完成です。最後に釜の麦汁を冷却して、全ての工程が終了です。この先ビールが完成するまでの、醗酵、熟成という工程は木内酒造の方におまかせします。

最後に出来上がった麦汁を試飲。

まだアルコールや炭酸は入っていないですが、麦の甘みとホップの苦味が加わった麦汁の味わいはビールそのもの。苦労しながら自分たちでつくり上げたとあって、その美味しさもひとしおです。

マイナビ農業オリジナルビール「マイナビール」。完成品がどのようになっているか編集部もドキドキしながら楽しみにしています。

取材協力:木内酒造 手作りビール工房(http://hitachino.cc/visit/tezukuri.html)

編集:ビール女子編集部

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