野菜として栽培しているのは日本だけ?
みょうがを英語で書くと「Japanese ginger」
名前の通り、しょうがに似た香味野菜の一つです。それだけでなく、わざわざ栽培しなくても、日本各地に自生しているみょうがを野菜として栽培しているのは日本だけなのです。
このことから「Japanese ginger」という名が付けられたのでしょう。
高知県のハウス栽培では通年出荷されていますが、秋田県や奈良県、群馬県などでは主に露地栽培されています。
みょうがの旬は夏と秋です。6月から8月の夏に旬を迎えるのが「夏みょうが」で、8月から10月の秋に旬を迎えるのが「秋みょうが」です。
みょうがは主に薬味として料理に使われるイメージが強いですが、秋まで旬が続いているのはあまり知られていません。
夏みょうがは少し小ぶりで、秋みょうがは大きく、そして色も鮮やかなのが特徴です。
普段食べているのはどの部位?食品として使用する部位
野菜は食品として主に使用する部位により、葉茎菜類(キャベツやタマネギ、アスパラガスなど)、根菜類(ゴボウやニンジンなど)、果菜類(カボチャやキュウリなど)、花蕾類(ブロッコリーやカリフラワーなど)、その他の野菜に分類されます。
さて、みょうがはどの部位分類の仲間でしょうか。
みょうがの断面を見てみると、キャベツのように何層にも重なっているので葉茎菜類に分類されるかと思われるかもしれませんが、みょうがは「花蕾類」に分類されます。
花蕾類というのは「からい」と読み、花とつぼみを指します。
みょうがは地下に地下茎を伸ばして広がります。地表に伸びている葉が付いた茎の様なものは、茎ではなく偽茎と言われるものです。そして赤い芽の様なもの、つまりみょうがが土から顔を出すのですが、これは花のつぼみのようなものなのです。なので、みょうがのことを「花みょうが」と呼ぶこともあります。
土を盛るなどして偽茎と呼ばれる葉の部分を軟化栽培した竹の子のようなものを「みょうがたけ」と呼びます。
みょうがは身体のスペシャルサポーター
みょうがの持つ香気成分。
この独特の香りは、薬味として使うと食欲を駆り立ててくれます。
この香りは「アルファピネン」、「カンフェン」という精油成分によるものです。
アルファピネンは食欲増進だけでなく脳を刺激するので、眠気覚まし、発汗作用、解毒作用も期待できます。
また、ホルモンバランスを整える効果も期待できるそうです。
カンフェンは抗炎症作用や抗菌作用を含んでいるため、口内炎予防やのどの痛み、解毒作用、熱による身体の不調を整える、風邪予防に役立つなどの効能を持ちます。
さらに、シャキシャキと歯ざわりの良いみょうがは90%が水分です。
タマネギと同じように血液をサラサラにしてくれる効果もあることから、夏場は身体の水分が不足して血液がドロドロになりがちですが、みょうがを摂取することで、サラサラな血液を保つ事ができるのです。
疲れた身体をサポートする栄養成分が豊富に含まれていますが、みょうがは刺激の強い野菜でもあります。あまり食べ過ぎるとお腹を壊してしまう事もあるので、食べる量には十分ご注意ください。
みょうがに含まれる五大栄養素とは
みょうがはミネラルの一つ、カリウムを多く含みます。カリウムには体内の余分な塩分を排出し、血圧を下げる効果があるので高血圧予防の効果が期待できます。
また、カリウムは足のむくみにも効果的です。
みょうがの香りを生かした調理法と選ぶときのポイント
みょうがの香りは繊細で揮発性が高いので、使う直前に刻むようにしましょう。刻み置きして時間が経つと独特の清々しい風味はかなり弱ってしまいます。
また、みょうがには、アクがあります。アクを抜くため刻んだ後にさっと水にさらします。長時間さらしてしまうと香りが無くなってしまうのでお気をつけください。
みょうがを店頭で選ぶときのポイントは次の3つ。
・傷がなく、締まっているもの
・つぼみが見えていないもの
・中身がよくつまっているもの
3つ目は縦に切ってみないとわからないことですが、ふっくらとしていればつまっている証拠。スカスカしてそうなものは避けるようにしましょう。
薬味だけに使うのはもったいない!みょうがを120%楽しむ調理法
みょうがは香味野菜なので、そうめんや冷ややっこ、和え物、酢の物などの薬味やアクセントとしてだけに使っていませんか。
味噌汁に入れたり、天ぷらや素揚げにしてもおいしいです。ただし、みょうがの香気成分は揮発性が高く、加熱すると香りが薄れてしまいます。そのため味噌汁に入れたて、揚げたてでないと香りは楽しめません。しかし、どちらもとってもおいしい食べ方なので、ぜひ試してみてください。
『みょうがを食べると忘れっぽくなる』という噂は本当?
なぜそのような話があるかというと、こんな逸話が残っています。
「釈迦の弟子の一人は物忘れがひどく、自分の名前さえ忘れてしまいます。そのため、首から名札を下げていましたが、それすらも忘れてしまうほどでした。彼の死後、お墓に行ってみると、みょうががたくさん生えていました」。
このことから『みょうがを食べると忘れっぽくなる』という話があるそうですが、
みょうががたくさん生えていたというあくまでも逸話であって、みょうがを食べると忘れっぽくなる、というわけではありませんのでご安心ください。
みょうがの独特の香りは食欲増進だけでなく、発汗作用や解毒作用、熱による身体の不調を整えるなどの効果が期待できる食べ物です。
新たなみょうがの効能や食べ方など、ぜひおためしください。