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季節の暦 二十四節気「白露」〜残暑が落ち着く頃〜

季節の暦 二十四節気「白露」〜残暑が落ち着く頃〜

秋の節気は、いくつかありますが9月7日頃から9月22日頃までを「白露(はくろ)」といいます。
この言葉は草木に露が降り、その露が白く光って見えるようになるという意味をあらわしたものです。
太陽黄経が165度の時で、二十四節気の15番目にあたります。
白露は初候「草露白(くさのつゆしろし)」、次候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」、末候「玄鳥去(つばめさる)」からなっています。
この頃になると徐々に残暑が引いて、秋の訪れを感じることができます。

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白露の頃の節句

9月9日には「重陽の節句」というものがあります。

これは陰陽説からきており、奇数は「陽」の数字で最大の「九」が重なることを「重陽」として、9月9日は最も重要な節句であると祝われてきました。

元々は中国の節句で、平安時代に日本へ伝えられたといわれています。

旧暦では、ちょうど菊の花盛りだったため「菊の節句」とも呼ばれています。

そのため、この時期は菊にちなんだ和菓子が多く並びます。

平安時代には菊を題材にした「歌あわせ」や、品評会である「菊合わせ」などが行われていました。

当時は「菊の着綿(きせわた)」というものがありました。

重陽の日の前日に黄色い綿を菊の花に被せて、翌朝朝露を含んだ綿を菊から外し、それで体を拭うことで無病になるといわれていました。

また、この時期に欠かせないものが菊酒です。

食用の菊を日本酒に漬けたもので、長寿を願い昔から飲まれてきました。

重陽の節句は菊ではなく栗で祝っていたところもあり、別名で「栗の節句」といわれていることもあるようです。

白露の頃に旬を迎える野菜

この頃、旬を迎える野菜に「とんぶり」があります。

主な産地は秋田県で、アカザ科ホウキギ属の種実を加熱加工して作られます。

1粒の大きさは直径1mmから2mmほどで味にクセがなく、プチプチとした食感が楽しめます。

魚卵の「とびっこ」に近い食感だといわれています。

この食感と見た目から「畑のキャビア」とも呼ばれて親しまれています。

納豆や山芋など、ネバネバした食材とよく合います。

他にも東北では酢の物、サラダ、和え物、刺身の添え物などとして利用されているようです。

食感が変化するのを防ぐため、食べる前に味付けするとおいしくいただけます。

また、このとんぶりと相性のよい「自然薯」も旬を迎えます。

自然薯は日本が原産のヤマノイモ科の食べ物です。

貯蔵品により周年出回っていますが、新物はこの頃から10月にかけて出回ります。

細長くて粘り気があり、野生のものほど粘り気も風味も強いといわれています。

ひげ根の多いものほど粘り気も強いといわれ、そのまますりおろして食べたりスープに入れたりと利用の仕方も様々です。

切り口が空気に触れると変色するため、保存をするときは、切り口が空気に触れないようにラップなどでしっかり包んで冷蔵庫に保管します。

丸ごと保存する場合は、新聞紙に包んで冷暗所に保管するとよいでしょう。

でんぷん消化酵素のアミラーゼやジアスターゼを多く含み、胃もたれの解消に効果的といわれ、カリウムも多く含んでいます。

そのため、むくみの解消や血圧低下の効果も期待される野菜です。

白露の頃に旬を迎える果物

この頃になると、大粒のブドウが旬を迎えています。

ブドウは世界中で親しまれているほど有名な果物です。

生で食べる他、干しブドウやワインなど様々な用途で利用されています。

ワインに利用される品種はヨーロッパ系、アメリカ系などがあります。

生で食べるものにはこの両者の交雑種が多く、たくさんの品種があります。

最近は皮ごと食べられる品種に需要があり、顆粒が緑の品種が人気です。

親しまれてきた品種には巨峰があります。

果皮が紫黒色で糖度が高く、ジューシーな食味に優れた品種です。

皮には渋みがあるので、取り除いて食べるとおいしくいただけます。

まだまだ珍しいものとしては、長野県のオリジナル品種として「ナガノパープル」があります。

こちらは2005年に出回り始めた新しい品種で、皮ごと食べられます。

皮に多いポリフェノールも摂取できるとして、期待の高まっている品種です。

巨峰に比べてやや小さいものの、爽やかな甘みがあるとされ、9月上旬から下旬にかけて出回ります。

その他にも細長い形をしたものや輸入されたブドウなど、様々な品種がありますので、見つけたらぜひ食べてみて違いを感じてみてください。

ブドウの鮮度の見分け方として、果梗部や穂軸が緑色でしわがなく、全体的に色づいてブルームが出ているものがよいとされています。

ブルームとは果皮に付いている白い粉のようなもので、果実に含まれるソルビトールが白い粉となって表面に付着したものです。

ただ、石灰ボルドー液という農薬が残っている場合もありますので、食べるときによく洗うことが大切です。

家庭では、買ってきたフィルム包装のまま冷蔵庫で保存し、早めに食べきるようにしましょう。

こうすることで、粒が散らばることやカビの繁殖を抑えることができます。

食べきれない時は、洗ったあとに皮ごと冷凍してシャーベットのようにして食べることもできますので、冷凍手段も上手に利用しましょう。

白露の頃の旬の魚介

この頃になると、戻り鰹が旬を迎えます。

初鰹は黒潮にのってやってきた鰹で、脂肪が少なくさっぱりとした味わいです。

この初鰹が9月頃になると今度はUターンして南下を始めます。

南下して戻ってきた鰹を戻り鰹といい、たくさんの餌を食べて脂ののった鰹です。

9月頃から11月頃まで、南下に合わせて各地で旬を迎え、戻り鰹を味わうことができます。

また、一般的にはこの頃の鰯がおいしいとされています。

鰯にもマイワシやカタクチイワシなどの種類があり、この種類によっても若干旬のずれがあるようです。

この中でもマイワシはDHAやEPAという脂質を豊富に含み、脳の活性化や血液をサラサラにする効果が期待されています。

イワシはすぐに鮮度が落ちることで有名ですが、本当に新鮮なものが手に入ったときは刺身でもおいしい魚です。

刺身の他には、主に煮付けやフライにすると独特の魚臭さを抑えることができ、食べやすくなります。

圧力鍋で調理すれば小骨も柔らかくなって食べることができるので、カルシウムも手軽に摂取することのできる魚です。

身近なところでは缶詰にも加工され、生のイワシが手に入らない状態でも手に入りやすくなっています。

白露の時期には「実りの秋」として、様々な食べ物がおいしい季節になります。

これからの寒い季節に備えて、

朝晩の肌寒さを感じることも増えてきますので、体を温める食事に切り替えて体調を整えましょう。

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