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【切り花管理のコツ】空間に緑のインテリア 枝ものを綺麗に長持ちさせる方法

【切り花管理のコツ】空間に緑のインテリア 枝ものを綺麗に長持ちさせる方法

花を生ける時、華やかな切り花がメインになりがちですが、枝ものを上手く使うとシックでナチュラルなイメージが出ます。水揚げなどの下処理の方法を知っていると庭木を取り入れて飾る場合などに役に立ちます。枝ものを気軽に取り入れて、インテリアに「季節」を飾ってみましょう。

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枝ものに限らない、花を長持ちさせるコツ

切れ味の良いハサミを使う

切り口がつぶれると水を吸い込みにくくなり、持ちが悪くなります。特に枝ものの場合は良く切れるハサミを使って下さい。

花器をあらかじめ洗っておく

特に大きいものや水盤など水替えしにくいものは、花器を綺麗にしておくかどうかで生けてからの水質を保てる期間が変わってきます。

こまめに水を替える

切り花延命剤を入れたら一切水替えをしないケースも多いのですが、夏場などは生けっぱなしにするとバクテリアが繁殖して、生けた植物が長持ちしにくくなります。小枝を小さめの花瓶に生ける場合はそれほど難しくはないのですが、大きい枝物を重い花瓶に挿した場合や水盤に剣山を使って盛り花を生けた場合、水替えは容易ではありません。その場合は水替え用のポンプを使うと簡単に水を替える事ができます。

生けたまま水替えを行う場合はこのような道具を使い、花器の水を吸い上げてバケツなどに移し、新しい水を花器に注ぎます。枝もので盛り花をする機会が多い方や、普段使いの花器が大きい花瓶の方は一つ持っておくと便利です。

水に浸かる部分の葉を取り除く

葉を水に浸けるとそれが腐敗して水が汚れやすくなります。また、葉が多く残っている状態だとその部分を持たせるために植物が疲れてしまうので、掃除をしておきます。

深水をしすぎない

葉と同様、水生の植物でない限り、水中の環境に適応できるようになっていません。樹皮などにバクテリアが付着して水の汚れが出やすいので、深い花瓶に入れる場合、水に浸かっている部分が多すぎない方が長持ちします。

弱ったら水揚げをしてみる

一度生けてみて萎れ始めたらそれで終わり、ではなく水揚げをやり直しましょう。基本の水切りをするだけで生き返って長持ちする場合も少なくありません。目安は一週間毎に水切りし直します。

枝ものを生ける時の下準備

生花店から購入した場合は水上げ処理が終わっているので、切り口を乾かさないよう早く水に生けるだけで大丈夫な事も多いのですが、生けるために必要な下処理全てが終わっているわけではないので、生ける前に掃除や下準備をします。

重なった枝や葉を取り除く

葉が多すぎると生けた後も吸い上げた水を呼吸で蒸散させてしまい、水が下がってしまう原因になります。枝の状態では、根が枝の数ほど水を吸い上げられない事も多いので、負担を減らす意味で混み合った枝をカットし、葉が多すぎる時は減らしておきます。特に花がついてる枝ものは種類にもよりますが基本は葉を全て取るようにします。

葉の裏に水をかける

枝物は水が揚がるまでに時間がかかる事も多いので、生ける前に葉に水をかけておくと枝ものが弱る事が防げます。葉だけの物であれば、切り口を上にしてざっと水をかけておくのが一番簡単です。濡れた枝から水が下がると困る場合や、花や実が付いている物の場合、逆さにして葉の裏全体に霧吹きをして葉裏を湿らせます。

水を切ってすぐに生ける事もありますが、霧吹きや逆さ水の後は新聞紙などに包んで深水に数時間浸けてから生けた方が長持ちします。

注意点として、葉裏に水をかける方法は水揚げを助けるのですが、桜などのつぼみがついている物の場合、霧吹きで水をやって暖かい場所に置くと開花が早まりますので、なるべくつぼみのまま持たせたい時は避けた方が無難です。

枝ものの水揚げ

全て水切りしておく

他の処理の前に水に浸け、水に浸かっている部分で切っておきます。これは切り口の乾燥を防ぐための処置です。切り口が乾く、またはバクテリアの付着などで覆われると切り口がコートされて詰まってしまい、水を吸う事ができません。

 切り方の基本は十文字

枝ものは基本的に切り口を十文字にします。切れ込みを入れる事で、水に触れる面を増やして吸い上げする面積を増やします。

写真はハナミズキの物で、細い枝なので若干わかりにくいですが、斜めに切ってから十文字に切り込みを入れています。実際に生けられる場合、この程度の細さであれば一文字に割りを入れるだけでも十分です。

ワタがある物はワタを抜く

枝の中にワタがある枝ものの代表は紫陽花です。この場合は、斜めに広く切り上げてからワタを掻きだしてから生けます。皮もむくと完璧です。ライラックにもワタがあります。

枝が細い・柔らかい物はつぶす

コデマリなど細い枝の水揚げをよくしたい場合は、切り口を金づちなどでつぶして繊維をほぐします。この方法は紫陽花にも使えます。

湯揚げ

お湯を使う方法です。

1.あらかじめ水切りしておく。

2.生けたい物の根元以外を紙でくるんで湯気から保護する。

3.沸騰した湯に茎を3から5cm浸ける。

4.20から30秒程度で引き上げ、冷たい水にしっかりと浸ける。

この方法は導管の中にある水分が過熱で膨らむ事で、水の通り道を広げた所で冷たい水に浸し、一気に水を吸い上げさせる効果を狙った方法です。また、樹液が出るタイプの枝ものの切り口を綺麗にする効果もあります。

ミョウバンを使う

ミョウバンを使うと殺菌効果や導管を柔らかくするとして水揚げが良くない枝ものに使われる事がよくあります。方法は何パターンかありますので、やりやすい方法を試して下さい。ミョウバンはナスの漬け物の色出しに使われるので、スーパーの漬け物コーナーで売られています。

ミョウバン水に浸ける方法

濃度10%以上の水溶液(水200ccに対しミョウバン大さじ山盛り1)を作る。

水切りした植物を3から5分ほどミョウバン水に浸ける。

ミョウバン水から上げ、新聞紙を巻いて深水に数時間浸ける。

直接すり込む

切り口に直接すり込むか、切り口を叩いてつぶして繊維に揉み込むようにしてから深水に浸けます。

置き場所

直射日光やエアコンの風が当たる所ではすぐに痛んで来ます。特に枝もの葉は乾燥で縮れてしまう事も多いので、置き場所にも注意が必要です。

庭木を取って来て使う時の注意

枝ものは買うばかりではなく、庭や鉢植えから切り取ってきて使う事も少なくありません。庭木の定番や人気の枝ものを使う時に気を付けたいポイントをまとめました。

紫陽花

渋い色の物などが増え、庭木や鉢植えでの栽培が人気ですが、水揚げが難しい花木です。水切りをしっかりした上でワタを取るか切り口をつぶす他、湯揚げも有効です。やりやすい方法を試してみて下さい。紫陽花にはミョウバンの水揚げも有効です。

和風の庭によくあるので秋には手軽に使える素材ですが、こちらも水揚げが悪い枝ものです。楓の水揚げはミョウバンをすり込んだ後、湯揚げを行います。

ブルーベリー

鉢植えなどでも人気で、実を食べるだけでなく鑑賞用に使う方も多い枝ものです。生ける場合は果実が熟れてからではなく、未熟なうちに生ける事をおすすめします。水揚げはそれほど悪くありませんが、長く楽しみたい時はこまめに水切りして下さい。上手に持たせる事ができれば果実の色の変化も楽しめます。

ハナミズキ

庭木によく植えられる枝もので、グリーンを足したい時に便利です。水揚げは良い方ですが切り口は必ず割って下さい。

ラベンダー

花に近い扱いですが、木としての性質も持っています。水揚げが悪いので葉は必ず取っておきます。持ちが悪いようなら割り切って弱る度に新しい枝に替え、花瓶から取ったものをドライにするのが現実的な使い方かもしれません。

切り口を割って生け、低めの室温であれば意外と長持ちしますが、枝を切るとそこから雑菌が入って木が弱りやすいので、できれば庭木などの桜は切らずに、生産者が適切に管理して伐採している物を生花店から購入する事をおすすめします。

ミモザ

基本の十文字割り、葉を全て取り除くようにします。花を観賞する枝ものという事もありますが、葉があると早く枝が弱ってしまいます。

ユーカリ

切り口をつぶしてから湯揚げします。地植えにすると大型化する強い木ですので、鉢植えにして枝を整える時にカットした枝を生けるなどの利用法がおすすめです。

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