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季節の暦二十四節気「小雪」〜そろそろ初雪が見える頃〜

連載企画:季節の暦

季節の暦二十四節気「小雪」〜そろそろ初雪が見える頃〜

二十四節気のひとつ、小雪(しょうせつ)は11月22日から12月6日頃を指し、北日本の方ではそろそろ初雪が降る頃です。初候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」、次候「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」、末候「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」で構成されています。この節気の頃は「お歳暮」の準備を始める時期としても知られます。

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二十四節気のひとつ、小雪(しょうせつ)は11月22日から12月6日頃を指し、北日本の方ではそろそろ初雪が降る頃です。初候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」、次候「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」、末候「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」で構成されています。この節気の頃は「お歳暮」の準備を始める時期としても知られます。お歳暮はもともと正月の準備を始める12月13日から20日までに贈るものとされていました。年内に間に合わない場合は1月7日までに「お年賀」として贈ってもよいので、せめてこのときには間に合うようにしましょう。

新嘗祭(にいなめさい)

稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願して行われ、その年に収穫された五穀や新酒を天皇陛下が神々にお供えし、陛下も召し上がるという宮中行事です。宮中恒例祭典の中でも最も重要なものに位置づけられています。この祭典は、伊勢神宮や出雲大社など各地の神社でも行われます。以前は11月の2番目の卯の日に新嘗祭を行うことになっていましたが、明治以降、毎年11月23日に新嘗祭が行われることになりました。

現在は勤労感謝の日として国民の祝日となっています。これとは別に神嘗祭(かんなめさい)という祭典が、10月17日に伊勢神宮で行われましたが、これは天照大御神にその年に収穫された新穀を捧げるという祭典です。

小雪の頃の旬の野菜

この頃になると、ホウレンソウが旬を迎えます。ホウレンソウは、西アジアが原産の野菜ですが、栄養価の高い緑黄色野菜として知られています。品種は大きく2つあり、西洋種と東洋種に分かれます。

東洋種は葉が薄く切れ込みがあり、西洋種は葉が厚く丸い葉を持ちます。主流なのはこの2種の交配種で、生食ができる品種もあり、人気です。日本には16世紀頃に東洋種が伝来し、19世紀の江戸時代末期頃に西洋種が伝わってきたといわれています。一般的にはアクが強いので、調理前に下茹ですると食べやすくなります。サラダ向きのものはアクが少なく生食できるため、特に下茹では必要ありません。

ホウレンソウは、葉の色が鮮やかでツヤがあるもの、葉先までハリがあるもの、根の切り口が太くて乾いていないものがよいとされています。保存するときは濡らした新聞紙に包んでポリ袋に入れ、根を下にして野菜室に入れるとよい、といわれています。ホウレンソウは、鉄分とカロテンを他の野菜よりも豊富に含んでおり、冬に収穫されるものはビタミンCも多く含まれています。

「くわい」もこの時期の食材です。とがった芽が「よい芽が出る」「子孫が繁栄する」という理由から、縁起物としておせち料理に使われるくわいは、奈良時代に日本へ伝わったといわれています。

日本産のものは表皮の藍色がきれいな青くわいで、肉質は柔らかく、煮るとホクホクとした食感になります。くわいは揚げてもおいしいので、チップスにしておやつに利用してもよいでしょう。くわいの収穫や出荷は全て手作業で行われ、収穫後は泥を洗い流して薄皮をはぎ、選別してからやっと出荷に至ります。購入するときは、芽が傷ついていたり欠けたりしていないもの、褐変が少なく皮にハリがあるものを選びましょう。あく抜きは皮を六面にむき、1時間ほど水につけておくと抜けやすくなります。

小雪の頃に旬を迎える果物

この時期に旬を迎えるレモン。インドあたりが原産といわれており、流通の大半は輸入されている果物です。地中海では名産になっています。その爽やかな香りと酸味から、料理やお菓子などに利用され、1年中需要があるため、各国から輸入されます。国産のレモンは広島県や愛媛県で栽培が盛んで、10月頃から翌年1月頃までは出回っています。豊富に含まれるビタミンCやクエン酸は、疲労回復の働きをもつとされます。

購入するときは、ヘタが枯れていないもの、皮にツヤとハリがあるもの、みずみずしいものを選びましょう。すぐに使わない場合、香りの成分は皮に多いことから、香りが飛ばないようにラップに包み野菜室で保存します。輪切りにして冷凍するのもよい保存方法のひとつです。

他にも、日本の代表的な果物ともいえる温州ミカンも出荷が始まります。ジューシーで甘く、そのまま食べてもとてもおいしいのですが、皮ごと冷凍して半解凍のものをシャーベットのように食してもおいしくいただけます。カロテンを豊富に含み、冬場の貴重なビタミン源にもなる果物です。外皮を向いた後、果肉を包んでいる薄皮や白いすじの部分にはペクチンが多く含まれています。

血糖値の上昇を抑える働きをもつといわれているので、そのまま食べるとよいでしょう。ヘタが青くて小さいもの、表面にツヤがあり色の濃いもの、触れたときに皮が浮いておらず果肉がみっちりと詰まっているのが感じられるものが鮮度がよいとされます。保管するときにはできるだけ重ねすぎないよう風通しをよくし、冷暗所に保存します。

保管の際、箱などにまとめて入れると傷んだミカンの汁が他のミカンに付いてしまうことがあります。この汁には腐敗菌が含まれていますので、拭き取っただけでは取り除くことができません。できるだけ傷んだミカンの汁がついたものは洗ってから保管しなおすと、拭き取っただけのものよりも日持ちがよくなります。

小雪の頃の旬の魚介

冬の味覚として有名なズワイガニ。資源保護のために漁期が定められており、この頃になると漁獲が解禁されます。ズワイガニは身の甘味と食感が絶品で、生食のほか鍋物の具材としても人気です。日本各地で様々な呼び名をもつカニで、越前ガニやマツバガニなどと呼ばれています。また、雌と雄とで呼び名が違うこともあり少々複雑ですが、それだけ各地で親しまれてきた魚介といえるでしょう。国産のもの以外では、ロシア産のものが多く流通しています。

キチジという魚も旬を迎え、脂がのった白身が絶品です。キチジは関東ではキンキとも呼ばれ、北海道や三陸地方に多く棲息しています。刺身や煮付けとして食べられることが多く、以前は安価な魚でしたが、近頃は高級魚として扱われるようになりました。鮮度がよいほど体色の赤色が鮮やかです。

小雪の頃になると、いよいよ本格的に寒くなり空気の乾燥が強くなってきます。

空気が乾燥すると風邪などの病気にかかりやすくなるだけでなく、肌が荒れたりかゆみの原因になってしまうことも。

部屋を加湿したりするなど、健康ための対策をとって健康的に過ごしたいですね。

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