米をあまり口にしない人に食べてほしい
テレビCMで「10分ごはん」として注目されている「poddi(ポッディー)」は、カラフルで可愛らしい小型炊飯器。
この商品を開発したのは、株式会社神明きっちんです。日本人の米離れが加速しているなか、少しでも米の消費量を増やすには、ふだん米を食べていない人に食べてもらう必要があります。そのためには、どうしたらよいかを考えたことが商品化につながりました。
「時間がない人、忙しい人など、お米を食べたいけれど食事をする時間がなかなか取れない方たちに米を食べてもらうには、少量の米を短時間で炊けることが必要だと判断。そのための方法を模索し始めました。2014年頃のことです」と甘佐さん。
一般的な炊飯器の炊飯時間は40分前後です。浸漬の時間や、蒸らす時間を合わせると、1時間ほどかかります。これを10分程度にするために、超音波を利用したり、圧力をかけたり、いろいろな方法を試しました。しかし、それらの方法だと短時間での炊飯は可能ですが、味が今ひとつでした。
そんなとき、早稲田大学と株式会社T.M.Lが開発した「ソフトスチーム®米」の技術に出会ったのです。
専用の炊飯器と「ソフトスチーム®米」で短時間の炊飯を実現
「ソフトスチーム®米」とは、温度の低い蒸気で米の細胞は壊さずに加工したもの。「簡単に言えば、米にスチームをあて、半分炊飯したような状態にまでします。その『ソフトスチーム®米』と専用炊飯器を使うと、洗米や浸漬をする必要がなく、短時間でおいしいごはんが炊き上がります」。
炊飯時間は、0.5合ならわずか10分(※)。これなら、夜遅く帰宅してからでも、慌ただしい朝でも、気軽に炊きたてごはんが食べられます。
味も十分に満足いくものだそうです。スチーム加工することで米粒内に含まれる酵素を働かせ、もともと存在するデンプンやタンパク質が分解され、ブドウ糖やアミノ酸を生成してくれます。
商品として完成した「ソフトスチーム®米」専用の炊飯器poddi(ポッディー)は、最大で1.5合のごはんが炊けて、販売価格は4,980円(税込)とお手頃です。
「食事を作ることを楽しんでいただきたい、誰でも気軽にごはんを炊いていただきたいので、カラフルな色合いにして、お部屋の中に置いてもインテリアとして違和感のないすっきりとしたデザインを意識しました」。重さ約1.35キロと、女性でも片手でラクラク持ち運べるのもポイントです。キッチンやお部屋の中ではもちろん、オフィスや、アウトドアで楽しむこともでき、ごはんを楽しめる場がより広がるでしょう。
「ソフトスチーム®米は、白米のほか、玄米やもち玄米も用意されています。『あかふじソフトスチーム米(国産うるち米)』の2,250g(75g×30)が2,680円(税込)。0.5合ずつの小分けパックで、カップで量る手間がかからないように工夫されています。もち玄米なら約20分、玄米なら約40分で炊飯できます」。
(※)ソフトスチーム®米の白米、約0.5合を「高速コース」で炊飯した場合(蒸らし時間は含みません)
幅広い世代に好評!
「poddi」が発売されたのは、2016年2月です。主に自社のショッピングサイトで販売し、2016年は約5,000台、2017年は、前半期ですでに5,000台が売れています。2017年は年内に1万台突破を目指しているそうです。主な購買層は、もともとターゲットにしていた30代から40代の働く女性のほか、意外にも高齢者層が多かったそうです。
「『一人暮らしでわざわざごはんを炊くのも億劫なので、パックごはんを利用していた』『夫婦二人暮らしで、3合ほどのごはんを炊いて冷凍し、解凍して食べていた』という方々が多いようです。そんな高齢の方が『10分ごはん』のおかげで、簡単に炊きたてのごはんが食べられるようになったと喜んでくださっているんです。若者だけでなく、高齢者の方にも需要がありました」。
今後も宣伝に力を入れ、売り上げ台数を増やしていきたい、と甘佐さん。
その展開次第で、意外なところに購買者層が広がっていく可能性を秘めています。炊飯の時間がかかるからと、お米を敬遠していた方は、10分ごはんを試してみてはいかがでしょうか。
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https://www.akafuji.co.jp/product/10min/