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農業が多い都道府県はどこ?統計データから見る変化の実態(2017年版)

農業が多い都道府県はどこ?統計データから見る変化の実態(2017年版)

 日本の農業はどのくらいの規模?農業は国内総生産(GDP)約530.6兆円のうち約4.7兆円。林業の約0.2兆円を足すと、約4.9兆円です。では、どのくらいの人たちがこれを支えてくれているか、ご存じですか?年々、減ってきている農家、農業従事者について、農林水産省が行っている統計調査データから、わかりやすく見ていきましょう。

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詳しいデータがわかる農林水産省の農林業センサス

農業の統計調査は、農林水産省による「農林業センサス」「農業構造動態調査」がよく使われています。とは言っても、普通に生活をしていたら知らない方も多いかもしれません。

農林業センサスとは、農水省が5年ごとに行う、日本全国で農業や林業を営んでいる人や、会社などの組織を対象にした調査です。ちなみに、センサスという聞きなれない名前にはこんな由来が。

古代ローマにはセンソールという職の役人がいました。そのセンソールが行っていた調査のことをセンサスと呼んでいたと言われ、ここからセンサスとは個別調査票による全般的な調査を意味しています。

日本では昭和初期から、調査を行っています。農業構造動態調査は、農林業センサスの調査年と調査年のあいだに行われる調査です。

2017年現在、農林業センサスの最新は2015年のものですが、2017年2月に平成29年農業構造動態調査(第1報)が公表されているので、こちらも参考に見ていきます。

家族も会社も。農業に広く携わる農業経営体

農業経営体区分の簡略図

農業経営体と言われても「農家と農業経営体って違うの?」ですよね。

以前は、世帯ぐるみで農業や林業を営む農家や林家を単位として統計調査がされていました。しかし、近年は、会社や農地所有適格法人(2016年までの農業生産法人)などの組織が農業を行っていたり、農作業を受託している方がいたりするなど、農業経営のかたちは変わってきました。

そこで、農業経営に着目したのが、農業経営体です。農業経営体は、家族経営体と組織経営体とに分かれます。組織経営体は、会社などです。従来の農家は家族経営体に含められます。農業で生計を営んでいるような専業農家や、兼業をしている兼業農家、さらに、耕している土地も作物の販売金額も小さい自給的農家の一部が含まれます。

農業経営体がもっとも多いのは茨城県

農業経営体 全国ランキング

農業経営体がもっとも多い都道府県は茨城県です。農林業センサスでは、2015年は57,989経営体でナンバーワンです。以下、新潟県56,114、長野県53,808と続きます。農業経営体が少ないのは、東京都6,023、大阪府9,293で、1万を切るのはこの2都府のみです。ともに都市ですし、そもそも土地も広いとは言えません。

では、広大な土地を持つ北海道がトップ3に入ってこないのはと見ていくと、北海道は組織経営体の数がナンバーワン。2,516あり、2位の新潟県1,550と比べても大きな差があります。

農業経営体は減り、組織経営体は増えた

農業経営体数の推移は右肩下がり

農業を営む人は毎年減少しています。2010年に農業経営体数がもっとも多かった福島県が、71,654経営体から5年間で53,157まで減りました。東日本大震災の影響も考えられますが、農家のリタイアや後継者不足など、考えられる理由はさまざまです。茨城県も2010年には71,542、新潟県も68,245ありましたが、それぞれ減少していることは、前述のデータどおりです。

全国的には、2005年に約200万あった農業経営体が、2015年には約138万と、約2/3に減りました。平成29年農業構造動態調査(第1報)を見ると、約126万ですので、さらに減少していることになります。

一方で、組織経営体は増えています。2005年に28,097あったものが、2015年には32,979。割合では、1.4%から2.39%と増加しています。

働き方の変化

家族経営体が減っていくなかで、1経営体が耕していく土地は広がっています。農業経営体の1経営体当たり経営耕地面積(経営耕地総面積を経営耕地のある経営体数で割ったもの)は、2010年の2.19haから、2015年は2.54haへ増えました。

組織経営体の増加は、耕地面積が増えていくなかでビジネスモデルが変わって行っている一つのデータかもしれません。

農林業センサスには、他にも細かな統計データがあります。急速に変わり続ける農業の変化は、データにも表れています。

参考)

2015年農林業センサス

http://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/2015/top.html

平成29年農業構造動態調査(第1報)

http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukou/

 

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