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リンゴの品種で比べる産地や特徴 ~おいしいリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方~【果物ガイド】

連載企画:果物ガイド

リンゴの品種で比べる産地や特徴 ~おいしいリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方~【果物ガイド】

昔話や聖書にも登場し、古くから世界中で親しまれているフルーツがリンゴです。離乳食から老人食まで私達の人生で常にそばにあるフルーツの1つ。今回はこのリンゴにフォーカスを当て、鮮度のいいリンゴの見分け方や保存方法、リンゴの栄養などリンゴにまつわるエトセトラを紹介していきます。

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無袋栽培が普及し、進化するリンゴ

リンゴ

聖書ではアダムとイブが食べる禁断の果実として登場するリンゴ。リンゴの歴史は古く、世界中で愛されている果物です。味や見た目もよく、栄養にも優れたまさにスーパーフルーツ。食べやすく、栄養価も高いことから赤ちゃんの離乳食にする人や、病気になった時にすりおろして食べる人も多いのではないでしょうか。

以前は有袋栽培が常識でしたが、最近では生産省力化と食味向上のために無袋栽培も普及してきています。無袋栽培のリンゴは「葉とらずリンゴ」や「サン○○」というネーミングで商品化されています。「サンふじ」はJA全農長野が商標登録をしています。「葉とらずリンゴ」は、通常のリンゴが葉を取って満遍なく日が当たるように栽培されているのに対し、葉を取らずに栽培することで、葉が作る養分を果実に蓄えることができます。色むらはありますが味が良いとして好評を博しています。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方

おいしいリンゴの見分け方

鮮度の良いリンゴは、お尻(※)が開いています。全体に色が回っていて、花落ち部という花の名残部分の中心が空洞になっているものは新鮮なリンゴです。見た目よりもずっしり重みがあるものを選びましょう。ツルは太くてしっかりしているものが新鮮です。鼻を近づけてみて良い香りがするものは鮮度がいい証拠です。

※ 正しくはツルのある方を「尻」、ない方を「頭」と呼びますが、本記事ではツルを上にしてリンゴを置いたときに下になる部分を「お尻」と呼んでいます。

リンゴの蜜について読む!
蜜があるリンゴは甘い?蜜入りリンゴの選び方・代表品種など紹介
蜜があるリンゴは甘い?蜜入りリンゴの選び方・代表品種など紹介
「蜜入りリンゴ」と聞いただけで甘酸っぱいおいしいリンゴの味が思い浮かびます。「蜜」が入っている、と聞くと強い甘みを想像しますが、リンゴに入っている「蜜」の正体はもっと別の物です。リンゴの「蜜」の正体とは一体何でしょうか。

リンゴの保存方法

リンゴの保存方法

リンゴは乾燥に弱い果物です。暖房が効いた場所は乾燥しやすいので避けましょう。冷暗所で保存し、野菜室に入れる場合は、フルーツキャップ(網目状の緩衝材)をつけたまま紙袋に入れ、さらにビニール袋で包み、しっかりと閉じて空気が入らないようにします。また、リンゴは熟成を促進するエチレンを放出するため、他の野菜や果物に影響が出ないようにしっかりと包み、分けて保存しましょう。

リンゴの旬と時期

リンゴの旬は品種によりますが、8月から翌年の1月ごろで、主流品種の多くは9月から11月に市場に多く出回ります。青森産のものは季節に関わらず通年出回り、リンゴの生産シェアの6割は青森県産が占めています。

※ 収穫時期が地域によって違う為、同じ品種でも旬を表す時期に多少のずれがあります。

リンゴの豊富な栄養

リンゴの栄養

リンゴには水溶性の食物繊維のペクチンが多く含まれています。ペクチンには、血液中のコレステロールの上昇を抑える働きがあり、胃に負担をかけずに胃の調子を整えてくれる働きもあります。ペクチンは水溶性なのでジュースにしても損なわれない上、リンゴの味はアクや苦味を和らげる効果があるので、野菜ジュースやミックスジュースのベースに最適です。

そのほかにも、体内の塩分を調整して適度に排出するカリウムや、骨や歯を健康に保つカルシウムも多く含まれているので、健康な人をはじめ赤ちゃん、お年寄りや病中の人にもぜひ食べてもらいたいフルーツです。

リンゴをおいしく食べるワンポイント

リンゴをおいしく食べるワンポイント

リンゴは縦に切るのがおすすめ

一般的にリンゴは皮の周りとお尻の部分に甘さが詰まっています。そのため、縦に切ると甘い部分を均一に食べることができます。

リンゴの変色を防ぐには?

リンゴの果肉は酸素に当たると変色してしまいますが、切った後レモン汁や塩水につけておくと防ぐことができます。レモンの酸味や適度な塩気もリンゴの味にアクセントを加えてくれるので洗わずに食べても大丈夫です。

すでに変色してしまったリンゴを元に戻すには?

切ったあとに変色してしまったリンゴを元の色に戻すには、100%のオレンジジュースが効果的です。リンゴは、ポリフェノールと酸素が結びつくことで茶色く変色します。オレンジジュースのビタミンCには、ポリフェノールと酸素の結びつきを解く効果があるため、オレンジジュースに漬けることで変色したリンゴを切りたての状態の色に戻すことができます。

果肉が薄い赤色やピンク色をしているリンゴは食べられる?

赤い果肉を食べても問題はありません。この現象は果皮の赤色色素であるアントシアニンによって引き起こされます。果皮が赤く、酸味の強い紅玉などに起こりやすい現象です。

人気の蜜入りリンゴの食べ方

蜜入りリンゴは熟している状態のため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。生食で楽しむのがおすすめですがジュースにしても良いでしょう。ジャムにしたり料理にも幅広く使えます。

リンゴは冷やすとおいしい

果糖は、温度が下がると甘みを強く感じやすくなる性質があります。冷やしすぎは逆効果ですが、10度前後が一番おいしく感じられます。

リンゴの品種

リンゴの品種

リンゴの品種は世界に約15000種、日本には約2000種あるといわれています。
収穫時期が8月下旬~11月中旬くらいまでと長く、極早生種・早生種・中生種・晩生種に分かれます。甘いものや酸っぱいものなど、おいしさもそれぞれ違っていて個性的です。
蜜は晩生種で熟しているものに入っていることが多く、リンゴの甘さは甘みと酸味のバランスで感じ方が変わってきます。下記の表見ながら好みのリンゴを選んでみてはいかがでしょうか。

甘いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方

リンゴの品種

葉とらずサンふじ

葉とらずサンふじ

旬の時期
葉とらずサンふじは11月中旬~翌年3月頃が旬の晩生種で、「ふじ」を葉を取らずに栽培したものです。リンゴの糖分は、葉で光合成を行い二酸化炭素と水からつくられます。葉の影で色付きにむらができますが、太陽をたっぷりと浴びた証です。糖度は14度と高く、蜜が入りやすくて味のバランスが良いリンゴです。

鮮度の良いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方
全体が赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。お尻の部分がオレンジ色や赤色に色付いているものは蜜入りの可能性が高いです。

はるか

はるか

旬の時期
はるかは11月中旬~12月頃が旬の晩生種で「ゴールデンデリシャス」と「スターキング」を交配した品種です。リンゴの平均的な糖度が13度のところ、はるかは平均で15度を超え、中には16度を超えるものもあります。蜜入りが良く酸味が少ないリンゴで、糖度が15度以上で蜜入り指数が2.5以上のものは「冬恋」というブランドで流通しています。

鮮度の良いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。

サン金星(きんせい)

サン金星サン金星

旬の時期
サン金星は11月下旬~翌年3月頃が旬の晩生種で、糖度が約16度と非常に高く、主に青森県で栽培されています。「金星」を無袋で栽培したもので、太陽をたっぷり浴びたサン金星は味が濃く甘みと酸味のバランスが良いリンゴです。有袋よりもジューシーですが、日持ちがしないためあまり市場に出回りません。貯蔵管理されたものは、翌年3月頃まで流通します。桃やバナナのような芳醇(ほうじゅん)な香りと和梨のような上品な甘さと食感が特徴です。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
サン金星は無袋栽培のため、表面に少々ざらつきがあるものもありますが味に問題はありません。皮にハリがあり、ずっしりしたものを選びましょう。

保存方法
サン金星は日持ちしないため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
金星の甘みと香りを楽しむなら生食がおすすめです。ジャムにしたり料理にも幅広く使えます。

こうこう

こうこう

旬の時期
こうこうは11月中旬~翌年3月初旬が旬の中生種で「弘大1号」と「ふじ」を交配した品種です。果皮は黄色で、赤みがかった深紫のような色が少し入ることもあります。両親が赤いリンゴなのに成熟すると黄色になります。蜜がたっぷりで中には半分以上が蜜というものも。糖度は14度ですが、酸味が弱いのでとても甘く感じるリンゴです。

鮮度の良いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。

保存方法
こうこうは日持ちが良く、長期保存してもパリパリとした食感が良い品種ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

シナノゴールド

シナノゴールドシナノゴールド

旬の時期
シナノゴールドは、11月上旬~12月頃が旬の晩生種で「ゴールデンデリシャス」と「千秋(せんしゅう)」を掛け合わせた品種です。果汁が多く、糖度は14度と高めですが酸味がしっかりしていて味のバランスが良いです。香りがあってとってもジューシーなリンゴです。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。また、シナノゴールドはお尻が開いている方がおいしいとされています。

保存方法
シナノゴールドは日持ちが良い方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント

シナノゴールドの甘みと香りを楽しむなら生食がおすすめです。果肉は硬めで煮崩れしにくいため、コンポートにしても良いでしょう。

王林

王林王林

旬の時期
王林は11月中旬~翌年2月頃が旬の晩生種で「ゴールデンデリシャス」と「印度」を掛け合わせた青リンゴの代表品種です。主に青森県で栽培されています。糖度は14度と高く、甘みが強くて酸味は少なめです。香りが芳醇で果汁が多いジューシーなリンゴです。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
王林は皮の表面に付いている小さな点(果点)が目立つのが特徴です。ザラザラしているものは甘くておいしいとされています。甘さを重視するなら全体の色が黄色いものを、食感や酸味を楽しむなら黄緑色のものを選ぶと良いでしょう。

保存方法
王林は日持ちが良い方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

こうとく

こうとくこうとく

旬の時期
こうとくは11月中旬~12月下旬が旬の中生種で、「東光」という品種の自然交雑から青森県で生まれたリンゴです。蜜がたっぷり入るためパイナップルリンゴともいわれ、多いものだと蜜の割合が8割にもなります! 小玉で果肉はやや硬めです。果汁が極めて多く糖度が16度と非常に高いのが特徴です。

鮮度の良いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方
全体的に赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。
お尻の部分は黄緑より黄色やオレンジ色の方が熟していて甘みがあります。

美丘(みおか)

みおかみおか

旬の時期
美丘は11月中旬~翌年3月頃が旬の晩生種で「ふじ」と「王林」と「世界一」の混合花粉を交配してできた実生(みしょう:種から発芽させた株)から選抜育成された品種です。500~600グラムの大型で、果肉はやや粗く感じますがとってもジューシーなリンゴです。甘みが強くて酸味が少なく、かすかに渋みが感じられるのも特徴の一つです。糖度は14度と高いですが、未熟果は薄味で追熟することで味が出てきます。

鮮度の良いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方
全体的に赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。
お尻の部分は黄緑より黄色やオレンジ色の方が熟していて甘みがあります。

保存方法
美丘は日持ちが良い方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

春明(しゅんめい)21

しゅんめい21しゅんめい21

旬の時期
春明21は11月下旬から収穫が始まる晩生種で「ふじ」と「レイ8」を掛け合わせて生まれました。リンゴの中でもバツグンの貯蔵性があります。糖度は13度ありますが、収穫直後は果実が硬く酸味も強く、冷蔵貯蔵された翌年5~8月頃になってようやく酸味などの食味がちょうど良いリンゴになります。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体的に赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。

保存方法
春明21は日持ちが良い方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
そのまま食べたりジュースにしても良いでしょう。酸味が強いものは砂糖を加えてジャムやコンポートにするのがおすすめです。

あいかの香り

あいかの香り

旬の時期
あいかの香りは11月中旬~翌年3月頃が旬の晩生種で、長野県を中心に栽培されています。
「ふじ」の自然交配種子の実生の中から選抜育成された品種で、蜜は全体に細かくたくさん入ります。糖度は14度前後と高く、酸味が少なくて果汁が多いジューシーなリンゴです。

鮮度の良いリンゴ、蜜入りリンゴの見分け方
全体的に赤く色付いていて、果皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。
お尻の部分は、黄緑より黄色やオレンジ色の方が熟していて甘みがあります。

保存方法
あいかの香りは日持ちが良いですが、なるべく鮮度の良いうちに食べましょう。

きおう

きおう

旬の時期
きおうは9月中旬〜10月頃が旬の早生種で、「王林」と「千秋」を交配させ岩手県で生まれました。酸味がほとんどないので酸味が苦手な人でも食べやすく、歯ざわりが良いリンゴです。糖度は13度程度で爽やかな甘さです。

保存方法
きおうはあまり日持ちしないため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
そのまま食べたりジュースにしても良いでしょう。ジャムにしたり料理にも幅広く使えます。

サンつがる

サンつがる

旬の時期
サンつがるは9月中旬~10月頃が旬の早生種で「つがる」を袋をかけずに栽培したものです。「ゴールデンデリシャス」と「紅玉」の掛け合わせで青森県で生まれました。無袋栽培のため太陽をたっぷり浴びることで甘みが強くなります。酸味が強い紅玉の子供なのに優しい酸味で、糖度は約12度と低めですが、弱い酸味が甘みを引き立てています。

保存方法
サンつがるはあまり日持ちしないため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

レッドゴールド

レッドゴールドレッドゴールド

旬の時期
レッドゴールドは10月中旬~11月頃が旬の早生種で「ゴールデンデリシャス」と「リチャードデリシャス」を交配して生まれたアメリカ産のリンゴ品種です。蜜が入りやすく甘みが強く、糖度が高いのが特徴で15度以上になるものもあります。バランスのとれた酸味で、程よく完熟した食べ頃のものは食感が良いのも特徴です。

鮮度の良い蜜入りリンゴの見分け方
全体が赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。果皮は赤色のものよりも黒っぽい方が、蜜が多く入っていると言われています。

おいらせ

おいらせ

旬の時期
おいらせは10月下旬~11月上旬が旬の中生種で「スターキングデリシャス」と「つがる」を交配させた品種です。果実の大きさは350~400グラムと大玉になる傾向にあります。糖度は16度ととても高く蜜が霜降り状に入ります。果汁もたっぷりでジューシーなリンゴです。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体が真っ赤に色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。

紅玉

紅玉紅玉

旬の時期
紅玉は10月上旬~11月頃が旬の中生種で、明治時代にアメリカから入ってきた「ジョナサン」という品種のリンゴを日本独自にアレンジして生み出されました。糖度は13度ありますが、酸味が強いので酸っぱく、リンゴ本来の強い香りと真っ赤な色が特徴です。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体が真っ赤に色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。

保存方法
紅玉はあまり日持ちしないため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
お菓子作りに最適でアップルパイなどによく使われます。皮ごとコンポートやジャムにすると可愛らしいピンク色になります。

早生ふじ

早生ふじ

旬の時期
早生ふじは10月上旬~11月頃が旬の中生種で、青森県弘前市で発見された早熟系ふじです。一般的な「ふじ」よりも1カ月ほど早く収穫時期を迎えることから「早生ふじ」と言われています。別名「弘前ふじ」ともいい、全国生産量の80%を青森県が占めています。果実は大きめで甘みが強く果汁もたっぷり含んでいます。糖度は13度で、甘みと酸味のバランスが良く完熟すると蜜が入ります。 

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体が赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。お尻の部分がオレンジ色や黄色に色付いているものは熟しています。

シナノスイート

シナノスイートシナノスイート

旬の時期
シナノスイートは10月中旬~12月頃が旬の中生種で「ふじ」と「つがる」の掛け合わせで生まれた長野県を代表するリンゴです。果肉は柔らかめで多汁。糖度は約13度とやや低めですが、酸味が穏やかなので柔らかい甘みが感じられます。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体が赤く色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。果皮の表面のベタベタとした“ろう物質”が出ているものは熟した目安で甘みがあります。

保存方法
シナノスイートは日持ちする方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
シナノスイートの優しい甘さを楽しむなら、そのまま生食やサラダにするのが向いています。ジャムやコンポートなどデザートや料理にも使えます。

星の金貨

星の金貨星の金貨

旬の時期
星の金貨は、10月中旬〜翌年3月頃が旬の晩生種です。「ふじ」に「青り3号(国光×リチャードデリシャス)」を交配して実生を選抜育成したもので、正式名称は「あおり15」といいます。糖度は14度と高く、甘みが強くて多汁です。果皮は金貨のような黄色い色をしていて皮がとても薄いため、皮ごと丸かじりするには最適。産地以外ではほとんど市場に出回らない希少なリンゴです。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。

保存方法
冷蔵保存では日持ちがする品種ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

ぐんま名月

ぐんま名月ぐんま名月

旬の時期
ぐんま名月は10月下旬~翌年1月頃が旬の晩生種で「あかぎ」と「ふじ」を掛け合わせた群馬生まれの品種です。青森県で多く栽培されています。果皮は黄緑から黄色でほんのり赤く染まっているものもあり、糖度は14度で甘みが強く酸味は少なめです。蜜が入りやすく甘くてジューシーなリンゴです。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。甘さを重視するなら黄色いものを、食感や酸味を楽しむなら黄緑色のものを選ぶと良いでしょう。

保存方法
ぐんま名月は日持ちが良い方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

トキ

トキトキ

旬の時期
トキは10月上旬~11月頃が旬の中生種で、主に青森県で栽培されています。爽やかな芳香があり糖度は14~15度と高く、ジューシーで甘みを楽しめるリンゴです。皮は黄色でより完熟状態になるとうっすら赤く染まることもあります。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。

保存方法
トキは日持ちが良い方ですが、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
トキの爽やかな香りを楽しむなら、そのまま食べたりジュースにしても良いでしょう。ジャムにしたり料理にも幅広く使えます。

もりのかがやき

もりのかがやきもりのかがやき

旬の時期
もりのかがやきは10月中旬〜下旬が旬の中生種です。国の研究機構「農研機構 果樹研究所」(現・農研機構 果樹茶業研究部門)で育成された甘くて黄色いリンゴで、「つがる」に「ガラ」を交配し選抜育成されて生まれました。糖度は15度と高く、酸味は少なくて芳香があり歯ざわりが良くてジューシーなリンゴです。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。黄緑がかっているものよりも黄色い方が熟していて甘みがあります。皮の一部がざらついているものがありますが、成長過程でできるサビと呼ばれるもので味に問題はありません。

おいしく食べるワンポイント
もりのかがやきの甘さや香りを楽しむならそのまま生食がおすすめです。

スターキング

スターキングスターキング

旬の時期
スターキングは10月中旬〜11月上旬が旬の中生種で、アメリカで「デリシャス」の枝変わりとして発見されました。糖度13度で香りが良く、香料としても使われています。サクサクと柔らかいリンゴで味も良く、酸味もあって蜜が入ります。やや尻すぼみの縦長で、上の写真のようにお尻にコブがあるのが特徴です。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体が真っ赤に色付いていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。

保存方法
スターキングはあまり日持ちしないため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
スターキングは加熱すると煮崩れしやすいので、そのまま食べたりジュースやジャムなどにしたりすると良いでしょう。

千雪(ちゆき)

ちゆきちゆき

旬の時期
千雪は10月下旬〜11月下旬が旬の中生種で「金星」と「マヘ7」を交配し、その実生の中から選抜し育成された、果皮が濃い赤色のリンゴです。リンゴは皮をむいたりすると茶色くなってしまいますが、千雪は変色しづらいリンゴの品種改良で誕生したため、一日経ってもほとんど色が変わりません。糖度は15度と高く、甘みが強くて酸味は少なめです。正式名は「あおり27」ですが、果点がたくさんあり雪が降っているように見えることから「千雪」と名付けられました。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
全体的に赤く色付いていて、果皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。

おいしく食べるワンポイント
そのまま食べたりサラダやデザートにしたりすると良いでしょう。変色しにくいのでサラダやすりおろしにおすすめのリンゴです。

アルプス乙女

アルプス乙女アルプス乙女

旬の時期
アルプス乙女は11月が旬の中生種で、長野県松本市で生まれました。20~50グラムのとっても可愛い小さなリンゴで、リンゴあめなどに使われます。糖度は14度あり、甘みと酸味が非常に強く甘酸っぱさが凝縮されています。

鮮度の良いおいしいリンゴの見分け方
鮮度が良いものは皮にツヤとハリがあり、ツルがピンとしています。

保存方法
ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室か冷暗所で保存しましょう。アルプス乙女はあまり日持ちしないため、できるだけ鮮度が良いうちに食べましょう。

おいしく食べるワンポイント
アルプス乙女は小さいので、そのままかじって食べても良いでしょう。リンゴを丸ごと使った焼きリンゴやコンポートなどにしても可愛らしさを楽しめます。

未希(みき)ライフ

未希ライフ

旬の時期
未希ライフは8月下旬~9月中旬頃が旬の早生種で、「千秋」と「つがる」を掛け合わせてできた品種。青森県弘前市で生まれ、全国生産量の約98%を青森県が占めています。糖度は約13度でやや小ぶりですが、みずみずしくて甘く、しっかりとした歯ごたえが特徴です。品種名は、テレビドラマのタイトルと主役の名前に由来しています。

鮮度が良いおいしいリンゴの見分け方
果皮が濃い赤色に色付いていて重みがあるものを選びましょう。お尻の部分が黄色くなっているのは熟しているサインです。

保存方法
未希ライフが出回るのはまだ暑い季節なので、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

おいしく食べるワンポイント
そのまま食べるほか、ジャムにしても良いでしょう。未希ライフは変色しやすいので、切ったら塩水につけて変色を防ぐか、すぐに食べましょう。

さんさ

さんさ

旬の時期
さんさは9月が旬の早生種で、ニュージーランドで盛岡から送られた「あかね」の花粉と「ガラ」を交配させて生まれた交雑実生です。歯ざわりが良く、糖度は13度前後で酸味も甘みも程よくあります。
岩手の有名な夏祭り「盛岡さんさ踊り」に由来して命名されました。

鮮度が良いおいしいリンゴの見分け方
全体的に赤く色付いていて、果皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。お尻の部分が黄色くなっているのは熟しているサインです。

保存方法
さんさが出回るのはまだ暑い季節なので、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

おいしく食べるワンポイント
そのまま生食するほか、ヨーグルトに入れたりジャムにしたりしても良いでしょう。小玉なので丸かじりもおすすめです。

御所河原(ごしょがわら)

旬の時期
御所川原は9月中旬が旬の早生種で、青森県五所川原市特産のリンゴです。150グラムと小ぶりで、果皮は淡紅色でろう細工のような光沢を持っています。最大の特徴は熟してきた時に果皮に近い部分と種の周りの果肉がきれいな赤色になること。酸味が強く、加工品向きです。

鮮度が良いおいしいリンゴの見分け方
皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。

おいしく食べるワンポイント
酸味がとても強いので、甘く煮てジャムやコンポートなどにすると良いでしょう。赤い果肉なので、鮮やかな色のジャムになります。

リンゴ

朝食と一緒に、また体調が悪い時に、何気なく口にしていたリンゴ。胃に負担をかけず、整腸作用やコレステロールの上昇を抑える働きを持つなど、私達の健康を支えてくれるフルーツです。定番の品種から少し変わり種の品種まで、いろいろなリンゴを食べ比べてみるのも楽しいですね。

参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)

協力&画像提供:まさひろ林檎園

監修:野菜ソムリエ 桜井さちえ

【果物ガイド】シリーズはコチラ!

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