ふるさと納税とはどんな制度?
全国の市区町村へ寄附をする制度です。私たちは医療や教育など、様々な住民サービスを自治体から受けていますが、進学や就職などで生まれ育った地を離れ、都会などに移住してしまうと税金は移住先の自治体に収めることとなり、故郷の自治体には税収が入りません。そのため、自分が育ったふるさとに自分の意思で納税できる制度として始まったのが、ふるさと納税です。
ふるさと納税をする自治体の選び方
「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」として始まったふるさと納税ですが、寄附する自治体は生まれ故郷に限らず自由に選ぶことができます。多くの自治体が、ふるさと納税に対する考え方や、寄附金の使い道をホームページなどで公開しているので、それらを参考にして「この自治体を応援したい!」と選んでも良いでしょう。また、ふるさと納税を行った本人が寄附金の使い道を選択できる自治体もあります。さらに、ふるさと納税を行う自治体の数に制限はありませんので、複数の自治体にふるさと納税を行うことが可能です。
ふるさと納税の手続き方法
ふるさと納税を行いたい自治体や返礼品が決まったら、その自治体に手続きを行います。手続き方法については自治体ごとに異なるため、各自治体のホームページ等で確認しましょう。
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ふるさと納税は注目度急上昇
ふるさと納税の制度が開始されたのは、平成20年度のことです。しかし、ふるさと納税が広く認知されるようになったのは、最近のことです。
「ふるさと納税に関する現況調査結果(※1)」によると、制度が始まった平成20年度のふるさと納税受入件額は81億円で、平成26年度頃までほぼ横ばいでした。しかし、平成27年度には1,652億円、平成28年度には2,884億円と、平成20年度に比べて30倍以上の大きな伸びを見せているのです。
ふるさと納税の制度が注目を集めるようになった一つのきっかけが、平成23年に起きた東日本大震災です。震災復興基金が立ち上げられるなど、甚大な被害を受けた自治体が復興するために様々な寄附などが行われましたが、その中の一つとして「被災地の自治体を応援できる」と、ふるさと納税を多くの人が活用するようになったのです。
また、地方で農産物などを作る生産者が新しい販路としてふるさと納税を利用して出品することも増えており、ふるさと納税の返礼品が充実してきたことも、ふるさと納税の魅力が増してきた一因と言えます。
自己負担額は原則2,000円 ふるさと納税の控除の仕組み
ふるさと納税は、一定の上限はありますが、寄附金額のうち2,000円を超える部分については全額が控除されるため、とてもお得な制度です。そのため、実質自己負担となるのは2,000円で済むことになります。たとえば、年収700万円の給与所得者の方(扶養家族が配偶者のみの場合)が3万円のふるさと納税を行った場合、2万8,000円(3万円-2,000円)が所得税と住民税から控除(還付)されます。
全額控除される寄附金額については、収入や家族構成によって異なります。共働きの夫婦と子ども1人(未成年)の家庭で、ふるさと納税を行う本人の収入が600万円の場合は、6万6,000円が年間の上限額の目安となります。住宅ローン控除や、医療費控除などによって詳細は異なりますので、具体的な計算については、居住地の自治体にお問い合わせください。
ふるさと納税を行っても5団体以内なら確定申告は不要
ふるさと納税で控除を受けるためには、ふるさと納税を行った翌年に確定申告を行わなければいけません。ただし、寄附を行った自治体が5団体以内であれば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用して、確定申告する必要がありません。ふるさと納税を行う際、「ふるさと納税ワンストップ特例」の申請書をふるさと納税先の自治体へ提出します。すると、翌年度の住民税から控除額の全額が引かれることになります。
年々魅力がアップしているふるさと納税。まだ、ふるさと納税を行ったことがない方も、ぜひ全国各地の特産品を見つけてみませんか。
※1 ふるさと納税に関する現況調査結果(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/report20170704.pdf