「未来の農業女子」を育てるチーム“はぐくみ” 大学生が農業の魅力を発信 – マイナビ農業

マイナビ農業TOP > ニュース > 「未来の農業女子」を育てるチーム“はぐくみ” 大学生が農業の魅力を発信

ニュース

「未来の農業女子」を育てるチーム“はぐくみ” 大学生が農業の魅力を発信

「未来の農業女子」を育てるチーム“はぐくみ” 大学生が農業の魅力を発信

2017年11月27日

産業能率大学(東京都世田谷区)は2017年から、農林水産省の「農業女子プロジェクト」に参画しました。600人を超える全国各地の女性農業者と、30以上の多様な企業・団体が連携し、新たな商品やサービス、情報を創造し、広く発信していく目的で、2013年からスタートした「農業女子プロジェクト」。その取り組みは、教育機関にも広がりを見せています。同大学・経営学部の学生は、彼らならではの行動力を発揮し、プロジェクトを盛り上げています。

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

将来の農業女子を育成する「チーム“はぐくみ”」

日本の農業従事者の年齢構成は、著しくアンバランスの状態です。農林水産省の2017年調査では、基幹的農業従事者151万人のうち、65歳以上が100万人で66%を占めています。持続可能な力強い農業を実現するためには、若年層の新規就農者の育成が課題となっています。一方で、農業に携わる女性は62万人で全体の約41%となっており、他の産業と比べても、その割合は高い傾向にあります。

「農業女子プロジェクト」は、「女性の力」に注目した農林水産省と企業・団体が企画した「新たな商品やサービス、情報を発信することで、農業で活躍する女性の姿を知ってもらう」取り組みです。

2013年の発足以来、農業に携わる女性の持つ3つの力「生産力」「知恵力」「市場力」を発揮し、直接農業に関わる機械や車、衣類、金融のほか、小売や、女性ならではのコスメなど、企業と一緒になって新たな商品やサービスを開発してきました。

今年度、産業能率大学が加わった「チーム“はぐくみ”」は、教育機関と「農業女子プロジェクト」が連携し、未来の農業女子を育成する活動です。農業分野ではない大学がなぜ、プロジェクトに加わるのか。そこには、経営学部の学生ならではのマネジメントの視点がありました。

 

実践に即した活動で企業論を学ぶ倉田ゼミ

 

産業能率大学から農業女子プロジェクトに参画したのは、経営学部・倉田洋(くらたひろし)教授のゼミメンバー。企業論を学ぶ倉田ゼミは、IRデータを用いた企業研究がテーマ。データから読み解く事実に加え、企業の沿革や特色、課題などを複合的な要素を用いて、企業の姿を捉える研究を行っています。その成果を試す場として、新聞社が主催する株式投資学習プログラムなどに参画し、より実践に近い形で、企業経営を学びます。

2017年度は、企業・業界研究を行う中で「農業・食糧ビジネス」分野を対象に決め、「農業・食糧ビジネス」をゼミの研究テーマに設定しました。農業について調査する中で、TASUKI事業組合が北海道帯広市で実施する農業インターンにゼミ生が参加することになりました。それを機に、北海道の農業に興味を持ったゼミメンバーは、組合を通じて、女性だけで農業ビジネスを事業展開する十勝ガールズ農場と出会います。彼女たちの活動に刺激を受けたゼミメンバーは、経営学部の学生として学んできた経営学の知識を実践に活かすことを企画。ゼミを企業に見立てた活動をスタートします。はじめに、「自分たちは農業に対して何ができるか」をベースに、3つの企業理念を構築しました。

  • 組織を取り巻くかすべての関係をWIN-WINに導き、社会の発展に貢献する
  • 自律して自立し、地方との架け橋として、産業の発展に貢献する
  • 無から有を生み、自学自修し、世の中に新しいものを提供する

この理念に基づいて、地方で活躍する女性農業家の支援や、地域農産物ブランドを確立することを目的に、大学キャンパスのある自由が丘商店街の協力を得て、自由が丘で毎年開催されている5月の「自由が丘スイーツフェスタ」、10月に女神まつりへのブース出店し、農産物の販売を行うことが決まりました。

5月に行われた「スイーツフェスタ」は、「じゃがいもマルシェ」を出店。十勝ガールズ農場の協力を得て、ジャガイモ110キロを仕入れ、袋詰めして販売したほか、シャドークイーンなど珍しい品種は、じゃがバターに調理して提供し、好評を博しました。

 

農業女子との出会い 「チーム“はぐくみ”」に参画

「スイーツフェスタ」でのジャガイモ販売の成功体験を引っ提げて、ゼミメンバーがインターンシップに訪れた「十勝ガールズ農場」は、3人の農業女子が運営する農場です。ジャガイモをはじめ、カボチャやスイートコーン、アスパラなどを生産しています。ガールズ農場の活動に触れたゼミのメンバーは、彼女たちが参加する農水省の「農業女子プロジェクト」の存在を知りました。多岐に渡るプロジェクトの中で、教育機関と連携した「チーム“はぐくみ”」に共感した彼らは、農水省を訪問し、自分たちができる協力方法を模索します。その学生の行動を大学もバックアップし、大学としては東京農業大学に続く2校目の「チーム“はぐくみ”」への参画が決定しました。

 

都心に暮らす自分たちらしい「農業」への関わり方

 

 

10月に行われた「女神まつり」のマルシェは「十勝ガールズ農場と帯広の農産物の認知度向上」を目標に掲げて参加し、自分たちの予想を上回る反響がありました。それは「農業を体験したからこそ」だと感じています。

帯広で就農体験をした学生は「人を支える究極の仕事だと思った」「野菜の見方が変わった」「人の作るものの温かさを実感した」とそれぞれの感想を語った後に「農業に対する考え方が変わった」と口をそろえます。農家の方々との交流の中で強く印象に残った「人が食べるものは責任を持って、人の手で作らなければならない」という覚悟の言葉を胸に刻み、来店者一人ひとりに、自慢の農産物を手渡しました。

ゼミ活動をきっかけに、農作物の生産現場から、消費者に手渡すまでを経験した学生たちの姿に、ゼミを指導する倉田教授は「成長を感じる」と話し、「彼らのこれからの役割は、東京という大消費地での農産物の販売やマーケティング、ブランディングに寄与すること」と期待を寄せます。

生産現場の思いを受け継いで、都心に住む自分たちができること。自分たちらしい農業との関わり方を確立するために。ゼミ企業は、今後、飲食店とコラボレーションした商品開発や、様々なビジネスコンテストに参加していく予定だと言います。

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

関連記事

カテゴリー一覧