農地の上に太陽光パネルを設置、農作物と一緒に電気を作る仕組み
ソーラーシェアリングとは、農地の上に太陽光パネルを設置して、1つの土地で農業と発電事業を同時に行おうという取り組みで、別名「営農型太陽光発電」と呼ばれています。農家の経営安定と自然エネルギーの普及を両立させる一石二鳥のシステムとして、近年注目を集めています。
フランスやドイツ、イタリアでも、各農家が発電した電力を売却して得た収入を農業生産に投資するなど、欧州を中心に世界で既に導入、活用されているシステムなのです。
2013年3月、日本でも農林水産省によりソーラーシェアリングが認められ、今では全国約1,000箇所で導入されています。
ソーラーシェアリングを導入するメリットとは
ソーラーシェアリングの最大の特徴は、太陽光を農業と発電に最大限活用できるところ。農地に支柱を立ててその上に太陽パネルを設置し、農業と太陽光発電を同時に行うことを実現しています。
ソーラーシェアリングを導入すれば、農地で今まで通り作物を作りながら、発電事業で安定した収入を得ることができるのです。
「作物の上に太陽光パネルを設置したら、作物の成長に影響があるのでは…?」と心配される方もいると思います。しかし、ソーラーシェアリングでは、一定の間隔をあけて太陽光パネルを設置するので、作物が育つのに必要な光はしっかり畑に降り注ぎます。どの程度の間隔で太陽光パネルを設置すればいいか、どの作物にどの程度の光が必要かも実証されています。
ソーラーシェアリングの嬉しいポイントは、国が定めた「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」によって、20年間、国が決まった単価で電気を買い取ってくれるところ。それによってソーラーシェアリングの導入にかかる費用も、現状では約8~10年で元が取れるケースがほとんどです。
例えば、1,200平方メートルの農地がある場合。約50kWのソーラーシェアリングを導入すれば、年間発電量は約80,000kWh、年間約170万円の売電収益を見込むことができます。
ソーラーシェアリングの導入費用に1,400万円がかかるとしても、約9年間で導入費用分を回収でき、20年間の売電収益は約3,400万円に。今までの農業収益にプラスして売電収益が見込めるので、今まで以上に安定した経営が目指せます。
雑誌『EARTH JOURNAL』 多くのソーラーシェアリング導入実例を紹介
2017年9月に発売された『EARTH JOURNAL』vol.05では、まるごと1冊「ソーラーシェアリング」を特集しています。ソーラーシェアリングを丸々1冊特集している雑誌は、業界初。
ソーラーシェアリングに関する基本的な知識から、設置手順、ソーラーシェアリングに関するQ&Aや、日本全国のソーラーシェアリングを実際に取り入れている農家の声を多く掲載しています。
なぜソーラーシェアリングを導入したのか、どんな作物を育てているのか、土地面積、導入費用、1年間の売電収入、設備についてなど多くの事例を掲載。元首相の小泉純一郎さんとジャーナリスト津田大介さんの対談企画なども組まれています。
『EARTH JOURNAL』vol.05は、ソーラーシェアリングの基礎知識をギュッと凝縮した1冊になっているので、興味のある方はぜひ手に取ってみてくださいね!
▶「ソーラーシェアリング雑誌」をチェックする!
▶『AGRI JOURNAL』vol.5をチェックする!