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高校生が作る農産物の祭典「全国農業高校収穫祭」

高校生が作る農産物の祭典「全国農業高校収穫祭」

北海道から九州まで、全国22都道府県にある農業高校の生徒たちが育てた農産物や加工品を、自分たちの手で販売するイベント「2017年全国農業高校収穫祭」が、11月11、12の両日、東京駅に隣接する大丸東京店12階レストラン街と、八重洲地下街メイン・アベニューで開催されました。若い農業者の卵たちの熱意に押され、訪れた買い物客の財布の紐が緩むといった光景が会場のあちこちで見られました。

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食と農林水産業の未来を拓く農業高校のイベント

「2017年全国農業高校収穫祭」は、全国から46校が参加する農業高校の祭典です。近年、農業高校は農産物の生産方法を習得するだけではなく、地元の企業と連携して、その加工方法を学ぶなど、より実践的な学習プログラムを展開しています。学園祭や地域の祭りで、自分たちの作った農作物や、ジャムやソーセージなどの加工品を自らの手で販売するなど、生産・加工・流通まで経験してきた彼らが、都心で自分たちの商品を販売する本イベントは、2017年で9回目を迎えました。

販売方法に高校生ならではの工夫 地元のPRが相乗効果を生む

群馬県立利根実業高校の小林美槻さん、戸丸めいさん

自分たちが販売する商品が目立つように、割り振られたブースを装飾し、ディスプレイを工夫するのも彼らの役割。地域のPRや商品開発のいきさつなどを展示することで、来場者の足を止める効果を狙う高校もあります。

群馬県立利根実業高校は、昨年の大河ドラマ「真田丸」に連付けた6品種の米が楽しめる「白米セット」を販売するにあたって、真田氏の甲冑を製作しました。女子高校生が甲冑を着てブースに立つ姿は来場者の目を引き、集客効果は抜群でした。

地元の味 素材の良さを理解して伝える

新潟県立新発田農業高校の前田力さん、本間ひまわりさん

素材の良さをアピールする高校は、商品を説明する言葉に力強さが感じられました。

新潟県立新発田農業高校は鶏卵、いちごジャム、イチジクジャム、タケノコの水煮缶、米を販売。2年生の本間ひまわりさんと前田力さんは鶏卵を猛プッシュ。米どころ新潟の米と、カキ殻を混ぜた飼料で育てたニワトリが生む卵は、卵黄の味が濃く、卵かけごはんに最適だそう。「卵かけごはんの印象が変わります」と本間さん。

ここでしか味わえないオリジナル商品も

岩手県立盛岡農業高校の中里友香さん(右)

岩手県立盛岡農業高校食品科学科の中里友香さんが、来場者に伝えたい味は、同校で開発した飲料「ラッキス」。脱脂粉乳を主原料に、良質な水とこだわりの砂糖を用いて作る清涼飲料は、先輩たちから引き継いできた伝統の味。「文化祭ではあという間に売り切れます」という地域の人気商品。大量生産できない「ラッキス」は、まさに幻のジュースだそう。

農業高校生が思い描く自分の将来

青森県立名久井農業高校の大平竜福さん(左)

青森県立名久井農業高校のブースで、元気な声を張り上げていた大平竜福さんは、母親の母校という理由で農業高校に進学しました。高校で学ぶ中で、農業経営に関心を持った大平さんは、大学に進学し、いずれは自身で経営者になることを決意したと言います。

農業の担い手不足という課題が深刻化する一方で、農業高校の学習課程を経て、大平さんのようなたのもしい若者が生まれることに希望が感じられた収穫祭。全国から集まった農業高校生が、農業の未来の明るい光を見せてくれた2日間でした。

「全国農業高校収穫祭」は、学習や将来の就農に対する生徒の意欲を高めると同時に、農業高校の活動を広報することを目的に行っています。「自分たちで作った野菜を自分たちで売るという機会を与えたい」という農業高校の校長の発案に毎日新聞社が応え、同社が進める「農と食プロジェクト」の一環でスタートしたイベントです。

これまでは東京のみで実施してきましたが、本年(2017年)から同協会の九州支部と協力した「九州農業・水産高校収穫祭2017」を開催(11月19日・大丸福岡天神店)するなど、広がりを見せています。

「2017年全国農業高校収穫祭」

主催:毎日新聞社、全国農業高等学校長協会

共催:株式会社大丸松坂屋百貨店、八重洲地下街株式会社

協賛:株式会社マイナビ

後援:農林水産省

協力:株式会社ICI石井スポーツ

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