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教授は全国の農家 オンライン農学校「The CAMPus」が開校

教授は全国の農家 オンライン農学校「The CAMPus」が開校

最終更新日:2018年10月09日

インターネット上のバーチャル農学校「The CAMPus」が11月30日、オープンした。新規就農希望者や農業に関心がある人へ、全国の農家を取材したウェブマガジン配信を通して農の知識や哲学を届ける。入会金、月会費は各500円。「校長」を務める、一般社団法人 The CAMPus代表の井本喜久(いもと・よしひさ)さんに思いを伺った。

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ワンコインで学べる、農の知識と哲学

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11月30日にオープンした「The CAMPus」のトップページ

30~40代を中心とする全国の農家を、サイト内で「ナビゲーター」と呼ばれるライターが取材し、オリジナル記事を配信することで会員に学びを与える。

年商数億円の農家や、6次産業化認定農家となった自然栽培ワインの醸造家など、経営面や社会的に成功した「稼げる農家」「かっこいい農家」を厳選して「教授」として集め、その姿勢や取り組みを、記事を通して発信する。

記事の内容は、5つの「学科」に属する21の「学類」に関連する。例えば、「はじめる学科」には農のある生き方などが学べる「農心理学類」などがあり、「そだててつくる学科」には日本酒やワインなどの知識が得られる「醸造学類」など、「のばす学科」には営業活動・ブランドづくりが学べる「農販促学類」などがある。興味・関心に合わせた多彩なジャンルを、テキストとなる記事を通して学ぶことができる。

ナビゲーターは、旅をしながら全国の農家に取材し、ライターや編集者、カメラマン役をこなす。将来的には、土地に深く入り込み魅力を伝えることで地域と外部を繋ぎ、地域活性の旗を振るリーダーとしての役割も期待する。

 

「実地研修」の一例

目玉は、地域に精通したナビゲーターがアテンドする「実地研修」。例えば、教授である農家を訪れ、午前中に草刈りなどの手伝いをし、農の現場の話を直接聞く。午後は、近くの神社にお参りへ行き、神主から土地の歴史を学ぶ。夕方には近くの山に登り夕日を見たあと、農家の夕飯の支度を手伝い食卓を囲む-。というような、農業と地域の魅力を学ぶ一日を過ごせる。発信側との距離が遠いというオンラインスクールのデメリットをカバーする、リアルなコミュニケーションを生む場を創出する。

また、生徒同士はもちろん、ナビゲーターや教授と直接会って交流するための「部活動」が用意されている。サーフィンやピラティス、料理サークルから、畑からそのまま街へ出られるファッションを模索するという「アグリファッション部」といったユニークなものがある。

「70歳が若手?」で抱いた使命感

TheCAMPus代表の井本さん(右)と、広報担当のヤマグチヒロさん(左)

The CAMPusの「校長」を務めるのは、一般社団法人 The CAMPus代表の井本喜久さん。広島県竹原市の米農家に生まれ、東京農業大学に入学。農業を身近に感じながらも、卒業後は広告業界へ。昨年父親が他界し、実家の田畑を託そうと、地元の農業事組合法人を訪問。その際、「70歳の人が”若手”と呼ばれている」という現実に言葉を失った。農家の高齢化と、耕作放棄地増加を目の当たりにした。

一方で、やり方次第で日本の農業に追い風が吹くと思った。国に守られていた兼業農家ではなく、本当にやる気がある人が耕作放棄地を活かして農業に参入すれば、面白いビジネスモデルの“新型農業”が生まれるかもしれない。元々、社会人向けにビジネスやライフスタイルに関する講座を運営する「自由大学」で、飲食店開業希望者や新規就農希望者を対象にブランディングの授業を行っていた井本さん。

そこで感じたのは、知識やノウハウを「詰め込み型」で教えるよりも、成功者の背中を見て自ら考えさせることの重要性だった。「稼げる」「かっこいい」成功者としての農家の生き様を、伝播力に優れているインターネット上で発信する、バーチャル農学校の構想を思いついた。

海外展開、次世代の農を想う

海外にもファンを獲得する、ハイブランド米をつくった黒澤信彦さんも「教授」の一人

「教授」陣とは、知人農家のネットワークを通じての紹介や、面白いと感じた農業本の著者にアタックして関係性をつくっていった。現在16都道府県に住む28人の教授を、3年で全国250人に増やす構想だ。

12月は、40本程度の記事が閲覧できる予定。一部、無料公開も行っている。16歳以上の健康な男女なら誰でも入会可能。3年で10万人の登録者を目指す。地域の魅力まで発信する記事を掲載する以上、就農希望者はもちろん、都市部で生活する田舎暮らしに関心のある、20~30代の若者にも読んでもらいたいという。

今後は英語やタイ、ベトナム語など10か国語に対応し、日本の農技術を海外へ伝達するつもりだ。将来的には、次世代の農事業を育てるため、農分野に特化した投資ファンドを展開したいという。井本さんは「情熱的な農家を社会に送り込むことで、日本の農業界をアシストしたい」と語る。農業をビジネスとして取り組みたい意欲的な若手や、農をキーワードに地域活性を行いたい自治体を、その使命感で導くことを期待したい。

The CAMPus

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