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都会の直売所 生産者と消費者が喜ぶ「地産マルシェ」

都会の直売所 生産者と消費者が喜ぶ「地産マルシェ」

旅行先などで立ち寄る機会が多い道の駅。そこにある野菜の直売所は、作り手の顔を見ながら新鮮な野菜が選べます。きっとワクワクする方も多いのではないでしょうか。そんな野菜の直売所を都心でも楽しめるのが、2002年から始まったファームドゥ株式会社の「地産マルシェ」です。現在、群馬県と埼玉県を中心に、東京都内にある「地産マルシェ」の店舗で販売していて、農家も消費者も喜ぶビジネススタイルです。成り立ちや仕組みについてうかがいました。

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群馬の直売所から、東京での展開へ

おなかすいた

「地産マルシェ」は現在、都内を中心に18店舗(店内で飲食もできる店舗「食の駅」を含む)を展開しています。地産マルシェの始まりは、2002年に、前身となる「農家の野菜」という店を、東京に出店したことでした。

もともとは農業資材専門店から始まった同社でしたが、顧客である農家の依頼で直売事業を始めました。農業資材販売、農産物直売所、農業生産の3つの事業から農家を支援。多くの農家との信頼関係を築くことで、ネットワークを広げていった強みがあります。

群馬県内の農産物直売所の業績は好調。一方、東京の多くの地域は畑が少なく直売所の数も多くないことから、「人口が多い首都圏でビジネスが成り立つはず」と考えました。

直販システムを実現させる工夫

地産マルシェの理念は、農業を支援し農家の所得向上に貢献すること。直売所にこだわるのは、理由があります。

通常の流通経路だと、市場に農産物を出すことで一方的に値段が決められ、大量出荷となれば商品の単価は一気に下がってしまいます。さらに、販売するまでに多くの段階があり、野菜が消費者へ届くまでに時間がかかってしまいます。

そこで、自社の出荷場から首都圏近郊まで約1時間30分で配送できて、群馬の朝採りで新鮮な農産物を、首都圏で販売できるネットワークを構築。店舗の場所は、高速道路網を中心とした、配送ルートに組み込める人口の多い地域をターゲットにしました。

個性があるから面白い 農家と消費者からの反応

おなかすいた

「群馬の新鮮野菜を、直売スタイルで東京にお届けする」というコンセプトを実現した後、どのような反響があったのでしょうか。

生産者である農家からは、「自分で決めた販売価格で、個人では配送できない首都圏へ野菜が売れることにやりがいを感じる」「ハーブなど少し変わった野菜も、首都圏では反応が良く購入してもらえる」「店舗によって売れる野菜の傾向が変わって、毎日が勉強で面白い」といった意見が寄せられています。

ファームドゥ株式会社と契約している農家は、地産マルシェの18店舗の中で売りたい店舗を選ぶことができます。また、農作物の価格は、農家が自分で決定できます。設定相場にあわせて、値段を調整される方もいますが、自分の農作物に自信があって高い値段をつけてくる農家もいます。そして、実際に販売しているお店の様子を東京へ見に行く熱心な方もいます。

一方、消費者からは「朝採りレタスの鮮度が良くシャキシャキ感があっておいしい」「珍しい野菜や加工品が販売しているので楽しい」などの反響があります。

新鮮な農産物を買い求めると共に、直売所ならではの珍しい野菜や訳あり商品も楽しんで選べて喜びも感じられるようです。最近では、お客さんがお気に入りの生産者を指名して注文する「客注」も増加。おいしい野菜を作っている生産者は客注が多くなっていると、店舗では実感しています。

スーパーではなく「楽しい直売所」にこだわる

おなかすいた

ファームドゥ株式会社では、今後の展開として5年間で100店舗を目指しています。最近では、首都圏のショッピングモールにも出店しています。

農家選定については、ロット数や品目、規格等には厳密な基準はありません。最初の段階では、農家の方にサンプルや栽培記録を持参いただいて、担当者が出荷できると判断した後に契約を結んでいます。

「品目ごとに様々な生産者がいて、商品を選べることに直売所の楽しさがある」といった考え方が、生産者も消費者も双方が喜んでくれる楽しい店作りにつながっているのでしょう。

地産マルシェに入ると、生産者の名前が入った新鮮な野菜や加工品がずらりと並んでいます。それは野菜を介した、人と人とのふれあい。地産マルシェの今後の活動が、楽しみです。

ファームドゥ株式会社

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