ハエが世界を救う?「イエバエ高速培養技術」が今年度実用化へ

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ハエが世界を救う?「イエバエ高速培養技術」が今年度実用化へ

ハエが世界を救う?「イエバエ高速培養技術」が今年度実用化へ

最終更新日:2018年09月11日

自然界の摂理を利用し、わずか1週間で畜産糞尿を有機肥料と飼料の2種類の生産物に変身させる―。そんな画期的な技術が今年度実用化し、一般向けに商品化されることが決まりました。45年間品種改良を重ねたイエバエの生態と畜産糞尿を活用し、農作物の収量アップが期待できる画期的な技術だといいます。

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畜産糞尿から、肥料と飼料を生み出す

株式会社ムスカ(福岡県福岡市)は、45年間1,100世代の品種改良を重ねた独自のイエバエによる『畜産糞尿を肥料や飼料に100%リサイクルする循環システム』の実用を今年度内に開始します。この技術で生み出された肥料と飼料は、成長促進効果や病気耐性付与効果を持つことを、宮崎大学や愛媛大学で実証されています。この技術を用いて、現在約8億1500万人が飢餓状態にあるといわれる、今後深刻化する世界の食糧危機の解消を目指すといいます。

従来、家畜糞を堆肥化するのには数カ月を要していましたが、わずか1週間で肥料と飼料の2種類を生み出せるという点が、この技術の革新的なところです。専門工場で、家畜糞イエバエの卵を植え付け、ふ化した幼虫が酵素分解をすることで、重量比30~35%の肥料と、10%の飼料を生産できる仕組みです。

高機能の肥料と飼料を同時生産

肥料は、生産物の糖度の上昇、収穫量の増加、成長促進、抗菌作用、根張りが良くなるなどの効果が実証されています。また 土壌はフカフカになり、微生物のバランスも最適に保たれます。さらに抗菌性も持ち合わせており、土壌の病原菌を抑制する可能性も期待されています。(※宮崎大学との共同研究より)

飼料はハエの幼虫自体を乾燥させたもので、養殖用の魚粉代替物としての活用が期待されます。魚の餌となる魚粉に混ぜて使用することで、魚粉の使用量を減量することができます。飼料をマダイに与えた実験では、通常の餌を与えた場合に比べて、マダイの体色やサイズに大きな違いが見られました。さらに、免疫性の向上や食いつきの向上、ストレス低下も確認されたといいます。(※愛媛大学との共同研究結果より)

同社のイエバエは、旧ソビエト連邦で研究が始まってから45年間、1,100世代に渡って品種改良され続けてきたものです。普通のイエバエよりも成長速度が速く、高密度で飼っても死ににくく、一度に大量の卵を産卵するという特徴を持ちます。

同社は、今年度、肥料・飼料の一般向け販売、および業務用サンプルの出荷を予定。同社は今後、大規模プラントの建設やさらなる技術革新によって、肥料と飼料の製造コストを一般市販品以下に引き下げ、世界の食糧危機の解消に貢献したいと意気込みます。

株式会社ムスカ 
http://musca.info/

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