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生産者の顔が見える野菜を作る ローソンファームの取り組み

生産者の顔が見える野菜を作る ローソンファームの取り組み

最終更新日:2018年09月20日

コンビニエンスストアをチェーン展開する株式会社ローソンは、2010年から農業生産者と一緒になって、「ローソンファーム」の運営に取り組んでいます。その土地ならではの野菜や米を生産する農場を2017年現在、全国23ヶ所で展開しています。「ローソンがなぜ農場の運営を?」という疑問に答えてくださったのは、商品本部農業推進部部長の下澤洋(しもざわひろし)さん。そこには同社が描く、商品開発の新しい姿と流通改革へのビジョンがありました。

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消費者の生活スタイルの変化が「コンビニ」を変える

私たちの生活に欠かせない存在のコンビニエンスストアは、常に消費者のニーズや、ライフスタイルの変化に合わせた商品を提供しています。ローソンは2005年から、グループ店舗での生鮮野菜の販売をスタートさせました。

それまで、男性や若者の利用者が多かった中で、女性や高齢者に支持される「安心・安全で新鮮な野菜」を届けること。それを実現するためには「野菜の生産現場を知る必要がある」という考えの下、農家・農業法人と連携する「ローソンファーム」の構想が生まれ、2010年に千葉県香取市に第一号の「ローソンファーム千葉」が誕生しました。

ローソンが〝ファーム″で目指すのは、同社の商品開発、マーケティングのノウハウを用いて「生産者の顔が見える野菜の供給」を実現すること。

生鮮野菜の販売は、当時のコンビニ業界では画期的な取り組みでしたが、それまでコンビニを使わなかった人が近くにある店舗を利用するきっかけとなりました。

志ある農家と連携するローソンファーム

ローソンファームは、ローソンと同社が推奨する生産方法・生産管理に賛同した農家・農業法人が共同出資した会社です。その第一号は、千葉県香取市の芝山農園と設立した「株式会社ローソンファーム千葉」でした。代々続く家業をけん引する父と三人の息子さんが中心になって運営する農園は、ダイコン、サツマイモ、ニンジンなどの根菜類と、コマツナ、ホウレンソウといった葉物野菜を中心に生産しています。芝山農園がローソンファームの第一号に選ばれた理由は、期待する品質と収量の確保できることと、安定的に、長く続けていくためにも、生産技術を高める活動に取り組む若手スタッフの体制があることなどが挙げられます。実際に、社長に就いた四男の篠塚利彦(しのづかとしひこ)さんは当時26歳でした。

農園は、ローソンと協業することで、出荷先の安定、過剰生産リスクの分散、規格外生産物のロスを軽減。一方のローソンは、品質の高い野菜の仕入れ数量の安定化を見込めます。
ローソン農業推進部の下澤洋さんは、「よく誤解されるのですが、ローソンが栽培に携わるわけではありません。生産技術を研鑽する農業のプロである農家・農業法人のみなさんと、流通と販売が得意なローソンが、それぞれの長所を活かした姿を実現するのがローソンファームです」と両者のシナジー効果を解説。「確かな生産技術でできた野菜を、しっかり売るのがローソンの役割」だと言います。

良い野菜を無駄にしない すべては持続可能な農産物生産のために

同社が生鮮野菜の取り扱いをスタートさせたのは「ローソンストア100」での販売から。生鮮食品から日用品までの幅広いアイテムを100円均一で販売する業態の店舗で、野菜は消費者のニーズを獲得していきます。「コンビニエンスストアで生鮮野菜を売る」。それまで他社も積極的にはチャレンジしてこなかった方法で、ローソンは新たな特徴を作り出しました。

「生鮮野菜はスーパーだけが扱う商品ではない」。ローソンには野菜もあるという認識が、広く消費者の間に浸透するのに時間はかかりませんでした。
規格外の大きさや、野菜端の部分など、品質は良いのに通常は廃棄されてしまうものを活用することが、ローソンの真骨頂です。それは、弁当などの総菜を提供するコンビニエンスストアならでは。
同社は、ローソンファームで作られた〝良い野菜″をとことん有効活用し、ロスを徹底的に排除しています。近年は、各地のファームに野菜加工場を併設する動きも加速しています。「ローソンファーム千葉」でも2014年に加工場を新設。ダイコンを始め、キャベツ、ニンジンなどを、漬物用商材、サラダ商材など、用途に応じてカットし出荷しています。

これによって、生産者にとっては配送コストの低減と畑の歩留まり向上、加工者は鮮度が良い状態で加工することで歩留まりを改善、販売者は流通時間の短縮による鮮度の良い商品を販売、消費者は、フードマイレージの少ない新鮮な商品を購入できるというメリットが生まれています。
「ローソンファームが行うのは、良いものを作って、消費者に届ける。それを続けること」。持続可能な農産物生産のために、下澤さんは「これからも、無理や無駄、リスクと不安を取り除いていく」と話します。

地域に目を向けた生産活動で好循環をつくっていく

ローソンファームの活動は、「持続可能な農産物生産」と「流通改革」が評価され、2017年度の「グリーン市場拡大のためのグリーン購入大賞」の大賞・農林水産大臣賞を受賞しました。環境への負荷の削減に向けた生産・加工・販売の一体的な取り組みと、それを支える仕組みが、グリーン市場の拡大に貢献したと評価されました。

〝ファーム″の活動は広がり続けます。新しいファームの設立はもちろん、今ある23ヶ所で、地域を巻き込んだ展開に力を注いでいくと言います。地域経済の活性化は、全都道府県に店舗のあるローソンにとって、重点を置くテーマの一つです。その土地ならではの農産物を使った商品の開発、それによって生まれる需要を満たすための農家同士の連携。アイテムを増やすこと、仲間を増やすことで地域を盛り立てる好循環を作る。
それは、他のコンビニチェーンとの差別化はもちろん〝ファーム″を持つローソンだからこそできること。ローソンファームの〝生産者の顔が見える″野菜を供給する活動はスタートしたばかりです。

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