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食用は日本だけ!? ゴボウの正しい保存法と栄養【野菜ガイド】

食用は日本だけ!? ゴボウの正しい保存法と栄養【野菜ガイド】

食物繊維を多く含む野菜ゴボウ。実はゴボウを食用としているのは最近までは、日本だけだったことをご存知ですか。最近は健康効果が注目されて、中国や台湾でも食べられるようになりましたが、ゴボウは日本食だけに活用されてきた野菜なのです。今回は、ゴボウの下ごしらえの方法やおいしく食べるワンポイントをはじめ、鮮度を保つ保存法、ゴボウの品種なども紹介していきます。

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ゴボウの歴史

ゴボウ

ゴボウは日本食には欠かせない野菜です。しかし他国ではゴボウは薬用に使われていましたが、食用として栽培してきたのは長い間日本だけでした。最近は健康志向への関心から、アジア各国で食べられるようになったほか、欧米でも新しい野菜「gobo」として流通し、注目を集めています。

ゴボウは細い長根と、短くて太い短根に分けられます。日本の家庭で食べられる主流は長根の滝野川ゴボウ系。直径が10センチ以上もある極太の大浦ゴボウや、葉も食べられる葉ゴボウなどもあります。

鮮度の良いおいしいゴボウの見分け方

鮮度のいいゴボウは、ヒビやシワがなく、すらりとしていて長さが均一です。新ゴボウは葉柄が綺麗に出ているものを選びましょう。泥つきは洗う手間がかかるので敬遠する方もいるかもしれません。ゴボウは泥付きの方が風味も鮮度も長持ちしやすいので、すぐに使わない場合は泥付きを購入する方が良いでしょう。

ゴボウの栄養

ゴボウ

ゴボウに含まれる食物繊維は、100グラム中5.7グラムと非常に多く主力野菜の中で最も食物繊維を多く含みます。食物繊維の中でも、リグニンなどの不溶性食物繊維は消化されずに水分を取り込み、腸内まで届きます。腸内で乳酸菌の活動を促進するため整腸作用が期待でき、コレステロールの調整にもとても役立っていると言われています。

ゴボウ独特のシャキシャキとした歯ごたえは、イヌリンという食物繊維に由来するもので、腎臓機能を高める効果があるとされています。さらにカリウムも豊富に含むため、高血圧の予防効果まで期待できます。

新ゴボウには、強壮効果があるアルギニンを多く含むので、江戸時代からドジョウの柳川鍋などに使用してきました。夏を乗り切る食べ物として重宝されてきました。

ゴボウの保存方法

ゴボウ

ゴボウを家庭で保存する際、泥付きのゴボウは泥を洗わずにそのまま新聞紙で包んで冷暗所で保管します。新しいゴボウや新ゴボウは空気に触れないようにラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保管するようにしましょう。ゴボウの劣化は見た目にはわかりにくいですが、新しいものほど柔らかく、時間がたつと風味も落ちてしまうので、早めに使い切るようにしましょう。

ゴボウの旬と時期

ゴボウの生産量シェアは、青森県、茨城県、北海道の3つで半分以上を占めています。青森県産はほぼ1年中市場に出回り、10~12月にかけてピークを迎えます。夏の時期は群馬県産のゴボウなどがあります。

ゴボウの下ごしらえのポイント

ゴボウ

皮は洗いすぎない

香りと旨味の多くは、皮の付近に多く含まれています。そのため、皮を洗いすぎないようにしましょう。

ゴボウは水にさらす?

ゴボウはアクが強い野菜なので、切ったあとに水にさらすようにしましょう。水にさらすことで、お肉などと一緒に煮たときの色移りを防ぐことができます。

ゴボウを白く仕上げたい

きれいな白色に仕上げたい時には、酢水につけておきます。ただし長くさらしすぎるとうまみ成分などが損なわれるため、注意しましょう。

ゴボウ独特の香りが苦手な方は

ゴボウは香りが芳醇なので、好き嫌いが別れます。もしゴボウの香りが得意でない場合は、味付けに牛乳を使うことで、まろやかになり食べやすくなります。ゴボウと牛乳の相性は非常によく、最近では和食以外にも洋食でも牛乳とゴボウのポタージュなどとして活用されています。

ゴボウの賢い使い分け

茎の付け根は香りが強く歯ごたえがあり、先の方はやわらかく甘みがあります。そのため、茎の方はきんぴらや煮物に、先の方はピクルスや和え物にと使い分けるといいでしょう。

ゴボウの種類

ゴボウ

滝野川ゴボウ

日本の家庭で消費される主流品種で、江戸東京野菜の一つです。

大浦ゴボウ

日本最大級の大きさを誇るゴボウで直径は10センチ以上。長さは60センチから1メートルもあり、中は空洞です。

ごぼ丹

短い方が持ち帰りやすいという市場の声を反映して作られた長さ30センチほどの短形ゴボウ。京都府の丹後産でアクが少ないのが特徴です。

栄養満点でおいしいゴボウは、私たち日本人にとって欠かせない野菜です。定番のきんぴらや、和え物などはもちろん、いつもとは一味違うゴボウ料理にチャレンジしてみては。また、ゴボウを素揚げしてサラダにトッピングすると食感と風味が際立った、とっておきの一品になります。

参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)

【野菜と果物ガイド】シリーズはコチラ!

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