1:ミニトマト×バジル
家庭菜園で人気の高いバジルは、ミニトマトの生長を促進するといわれています。さらに、爽やかな香りをアブラムシなどの害虫が嫌うため害虫防除にも効果的なのだそうです。
また、トマトは水を極力与えないように育てると、実が甘くなる特性があります。バジルは水をよく吸収する植物なので、土の中の水分を多く吸収することで結果的に一緒に植えたトマトの甘みが増すといわれています。
バジルが生長してきたらトマトの株元の風通しが妨げられるので、随時収穫するようにしましょう。
2:キュウリ×小ネギ
ウリ類の害虫である「ウリハムシ」はネギ独特の臭いを嫌うといわれ、一緒に植えることで害虫予防が期待できます。
また、小ネギはキュウリを病原菌から守ってくれます。ネギの根に共生する「拮抗菌」が、葉や茎が青い状態で枯れる「青枯病」や、立ち枯れを引き起こす「立枯病」、徐々に蔓がしおれてやがて株全体が枯れる「つる割れ病」などの病原菌を抑えるのだそうです。
小ネギはキュウリの株元に絡むように植え付けてください。根がよく絡みあうほど防除の効果が高くなるそうです。
3:ナス×シソ
シソ類は香りが強く、その匂いを嫌う虫が寄ってこなくなります。そのため、ナスに寄ってくる害虫の予防にも効果的だそうです。
また、株間にシソを植えれば、シソの葉で影ができるため、土の乾燥を防ぐこともできます。
シソは大きく広がるので、ナスだけ植える場合よりも株間を広めにとってください。シソが育ってきたら収穫や切り戻し(伸びすぎた枝や茎を切り取って形を整える)をして、背丈の調整をします。切り戻しをすることで枝数が増え、さらに土に影を作りやすくなります。
4:オクラ×マリーゴールド
「植物のお医者さん」とも呼ばれるマリーゴールドには、根から出る殺線虫物質により、線虫を遠ざける効果があるとされます。
線虫は土壌に生息する0.2~2ミリのミミズのような形の生物で、種類によって異なりますが、葉を枯らしたり、作物を腐らせるなどの被害をもたらします。
また、マリーゴールドの葉の匂いにも防虫効果があるそうです。
「マリーゴールドは生長すると約40~100センチほどの草丈になるので、株間を十分にとって植えるようにしてください」。
5:カボチャ×長ネギ
カボチャの近くに長ネギを植えると、連作障害を引き起こす「ホモプシス根腐病」や前述の「立枯病」に効果があるといいます。
「ホモプシス根腐病」は、ウリ類の作物に被害を及ぼす土壌病害。病原菌に感染すると下の葉から徐々に黄化し、やがて作物は枯れてしまいます。さらに、病原菌は被害作物の残りかすとともに土壌中に残存します。
しかし、ネギ類の根に共生する微生物は抗生物質を出すため、カボチャなどウリ類の作物に被害をもたらす病原菌を減らすといいます。
そのほか、長ネギはカボチャの生育を促進するともいわれています。
根の絡みが良いと防除の効果も高くなるといわれているため、カボチャの株元に長ネギが絡むように植え付けましょう。
また、カボチャと長ネギを混ぜて植える時期もポイントです。カボチャの定植時に、別に種をまいた長ネギを植えます。この時、しっかり生長した長ネギを植えてください。小さな長ネギは、カボチャの葉下に隠れて生長しにくくなるため、コンパニオンプランツとして充分に機能しない可能性があります。
「コンパニオンプランツ」は植物本来の力で作物を守ったり、生長を促進したりするので、農薬や化学肥料の量を減らした栽培もしやすくなります。農薬に頼らない家庭菜園に挑戦したい方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
監修協力:原由紀子(西武造園株式会社)
http://www.seibu-la.co.jp/
生活園芸家。園芸装飾技能士。(株)日比谷花壇に9年半勤務後、園芸高校や専門学校で講師を務めるほか、幅広い年齢層に園芸の楽しさを伝える。現在は西武造園株式会社所属。都内の主要箇所の植栽管理を担当している。
画像提供:株式会社サカタのタネ
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