約1,000軒の生産者情報を網羅

近隣の直売所や農園を、現在位置から探すことが出来る
自分の家や会社の周囲でとれたての野菜が買える直売所を検索したり、旅行先で味覚狩りができる農園を探したりできる画期的なサービスがあります。その名は、「YACYBER」。北は秋田、南は沖縄まで、小規模農家を中心に約1,000軒の生産者情報を網羅しています。利用と登録はいずれも無料で、農家側には作物のPRやアクセス方法などを掲載できるメリットがあります。

YACYBERの農家紹介ページ
登録農家の数は、運営スタッフが直接出向くなどして増やしてきました。最も小さい登録農家は、耕作面積2反(約20アール)規模で、既存の地図に載らないような情報まで手厚くカバーしています。現場で出合った珍しい伝統野菜の写真や農家直伝のレシピを、SNSや自社メディアで発信している唐澤さんは、「農家と顔見知りになれることこそ直売所の魅力」と語ります。
同サービスは2014年から開始。唐澤さんは、構想段階に「販路がなくて売れない」という農家の悩みを多く聞き、都市部の主婦層をターゲットに、スーパーマーケットよりも新鮮な野菜を扱う直売所検索サービスの制作を決めました。
ルーツを知って野菜嫌いを克服 食育事業に注力

ネギ農家の話に興味津々の保育園の児童たち(大阪府松原市)
同社が最近力を入れているのは、農業体験の受け入れが可能な生産者と、教育機関をマッチングし、子どもたちが畑に触れる機会をつくる食育事業です。幼稚園や保育園の児童が、近隣の生産者の元へ赴き、作付けや収穫、販売を体験できます。大阪府の教育機関を中心に利用されていて、野菜嫌いの子どもが自分の手で収穫したトマトやピーマンを食べるようになったという声が、保護者から寄せられているといいます。
大阪府松原市で伝統野菜の難波葱を50年以上作り続け、市内一の作付け・生産量を誇る農家と提携し、近隣の教育機関の児童の農業体験会を11月末に行いました。歓声を上げながら畑作業に熱中した児童はもちろん、普段身体を動かして共同作業をすることが少ないという教諭からも、「楽しかった」という感想多く挙がりました。
唐澤さんは「自分が食べるものの生産過程に関わることで、感謝して農産物に向き合うようになる」と、食育の効果を信じます。
さらに、働く母親をターゲットとし、子どもが農業体験を行った生産者による出張直売所を保育園に設置し、送り迎えのついでに地場産の野菜を購入できる場の提供も展開予定だといいます。農家から販売マージンを得るビジネスモデルです。唐澤さんは、「忙しいお母さんの導線を変えずに、スーパーよりも新鮮な野菜が買える」として、サービス普及に期待を込めます。
近くの新鮮な野菜直売所を検索できるサービス「YACYBER」はこちらから。