不可能を可能にしようとする姿に感動の涙『奇跡のリンゴ』
『奇跡のリンゴ』は、様々なテレビ番組や書籍でも取り上げられた実話を基にした映画です。
主人公の木村秋則(阿部サダヲ)は青森でリンゴ農家を営んでいました。リンゴを育てるためには、年に十数回農薬を散布しなければなりません。秋則の妻・美栄子はその影響で皮膚がかぶれたり、ひどいときには寝込んだりすることもあったのです。そこで彼は、「絶対に不可能」と言われた無農薬での栽培を試みます。何度やってもうまくいかず、生活は苦しくなる一方。周囲からも反対されますが、妻を思う秋則は、なんとか無農薬リンゴをつくろうと努力します。そして、苦境の中、彼は思わぬところでヒントを得るのでした。
11年にも及ぶ苦労の連続。貧しくても、周りからなんと言われようとも、父を奮い立たせようとする幼い娘の心に響く言葉。さらにはタイトル通りに、努力が実ったシーン…泣ける場面は何度もありますが、すべては秋則の不可能を可能にしようとする姿があってこそ。感動の涙を流さずにいられないはずです。これから無農薬の果実や野菜作りにチャレンジされる方にもおすすめです。
『奇跡のリンゴ (特典DVD付2枚組)』
発売・販売元:東宝
価格:DVD 4,700円、Blu-ray 5,700円
時に悲しく、時にさわやかな涙が頬を伝う『銀の匙 Silver Spoon』
将来の目標や希望もなく、農業高校の酪農科学科に入学した主人公・八軒勇吾(はちけんゆうご)。そんな彼が様々な出来事に直面しながら、たくましく成長する姿を描いた『銀の匙 Silver Spoon』。
平凡なサラリーマンの家庭に生まれ、進学校に通っていたものの、挫折を経験した八軒(中島健人)は、すべてから逃げるように全寮制の農業高校に進学します。高校のクラスメートたちは皆、卒業後のことまで考えていましたが、担任の勧めと自宅から離れられるという理由だけで学校を選んだ八軒には、将来のことまでは頭にありませんでした。それでも彼は、実習や部活に真面目に取り組むうちに酪農への理解を深め、クラスメートたちとの強い結びつきにも繋がっていくのです。
この作品では、学校の実習だけでなく、実際の酪農家の姿も描いています。一家で仕事を続けていくうえでの問題も登場し、悲しい別れの場面も出てきます。酪農という仕事の“リアル”にも触れられるので、この仕事を目指してみたい人は必見です。
『銀の匙 Silver Spoon』
発売元:TBS/小学館
販売元:ポニーキャニオン
価格:DVD 3,800円、Blu-ray 4,800円
(C)2014映画「銀の匙 Silver Spoon」製作委員会 (C)荒川弘/小学館
親子の和解と思い出を繋ごうとする姿に涙『ブルゴーニュで会いましょう』
本作は、フランス・ブルゴーニュを舞台に、代々続いたワイナリーを再建させようとする父と息子、そして彼らを取り巻く人たちとの物語です。
ワイン評論家として名声を得たシャルリ(ジャリル・レスペール)。そんな彼のもとに、父が経営するワイナリーが経営不振で買収寸前だという知らせが届きます。久しぶりに実家に帰ったシャルリでしたが、父親は「ワインは家族で造るもの」という家訓を破った息子を許すことができません。シャルリは評論家としては超一流でしたが、ワイン造りは素人。それでも家族の思い出が詰まったワイナリーを再建しようと、一流ワイナリーの娘の力を借りながら妹夫婦や幼なじみで力を合わせます。さらには父からも協力を得て新たなワインを造ろうとするのです。
ずっと家訓を守ってきた父親にとって、息子は相容れない存在だったかもしれません。しかし、実は父にも思うところがあったのです。親子の和解、家族の思い出を繋ごうとするシャルリを中心とした人々の努力。誰もが心を打たれるヒューマンドラマであるだけでなく、家族で農家を営む方々にとってより心を動かされる作品と言えます。
『ブルゴーニュで会いましょう』
発売:ニューセレクト/クロックワークス 販売:アルバトロス
価格:DVD 3,800円
(c)ALTER FILMS-TF1 FILM PRODUCTIONS-SND
これらの作品で描かれているのは、農家の仕事の一部かもしれません。それでも、時に涙しながら様々な農業に触れることができます。見終わった後の想いを、勇気や原動力にしていきましょう。
上記の情報は2017年12月20日現在のものです。