農家を助ける、アドバイス付きのクラウドとは
国土の半分以上が“砂漠”のイスラエル。そんな乾燥地帯で作物を作るのは大変です。ただ、イスラエルは周囲の国との緊張関係もあり、食料を輸入に頼るのは安全ではありません。そこで、イスラエルは独自の農業技術を発展させてきました。
近年も、農業ベンチャーが続出し、世界の先端を行く技術が生まれています。代表的なサービスが、クラウドを使って農家が作物を管理したり、アドバイスを受けられるものです。
イスラエルは畜産も盛んですが、家畜の体調や餌やりの状況もクラウドで管理ができます。作物にしても同様です。天候や生育状況のデータをもとに、種まきや水やりのタイミング、量などのアドバイスが送られてくるのです。
こうしたクラウドで管理するサービスは発展を見せています。例えば、水に特化して給水量やタイミングを指示してくれるツール。その仕組みは、衛星から撮った作物の画像や土の中の水分量などをセンサーで把握し、データを分析してアドバイスを送ってくれるものです。ハイテクを駆使した先進的な農業にイスラエルのイメージが変わることでしょう。
超高性能なカメラで害虫や病気、栄養不足をチェック。
ほかにも最新のセンサーを使った技術は、イスラエルから誕生しています。「Prospera(プロスペラ)」というロボットシステムがその一つです。
農業で気をつけたいことは、作物が害虫に食べられたり、病気になることです。すぐに見つければ対策も打てますが、発見が遅れれば害虫は次々に作物を食べてしまい、病気はすぐに他の作物へと移ります。
とはいえ、広大な畑で“小さな被害”を素早く見つけるのは簡単ではありません。そこでProsperaです。特殊なカメラとセンサーで作物を監視し、害虫や病気の兆候を見つけたらすぐに知らせてくれます。
さらにすごいのは、人間の目ではわからない異変を察知すること。たとえば、作物が栄養不足に陥っている場合に知らせてくれますが、そこで「カリウムが不足している」など、細かなアドバイスまでもらえるのです。
様々なデータを取り入れ、それをコンピュータ自身が機械学習で勉強していくため、理由や原因を判断できるようになっています。