農業簿記検定は、農業経営者にとって必要となる税務、会計などに必要な知識を学び、実践ですぐに役立たせることができる資格です。農業簿記検定には、1級から3級まで設けられており、「一般社団法人 全国農業経営コンサルタント協会」による監修のもと、「一般財団法人 日本ビジネス技能検定協会」が実施しています。
平成29年に収入保険制度の法案が可決、成立し、平成31年1月から実施されることが発表されています。これを受けて、個々の農業者が収入を把握することが今まで以上に必要となります。法案可決後の平成29年11月に実施された検定試験では、受験者が前回の約1.6倍に増え、農業簿記を学ぶことに必要性を感じている方が増えていると考えられます。
農業簿記検定の試験方法
農業簿記検定試験は、マークシートを利用した多肢選択式。記述文章によるものと、計算を行うものが含まれていて受験時は電卓の携行が認められています(携帯電話やスマートフォン、タブレット等通信機能のある機器は不可)。
受験資格と併願
学歴や年齢、国籍などに制限はなく、どなたでも受験することができます。2級と3級の併願受験はできますが、1級と2級の併願はできません。
試験時間
1級は120分、2級は120分、3級は90分です。
試験問題数
1級は50問、2級は25問、3級は25問です。
合格基準
各級とも問題の総得点の70%が、合格の基準です。
検定料(消費税込)
1級は4,000円、2級は2,000円、3級は1,500円です。
試験内容
1級:財務会計、原価計算、管理会計の分野
2級:財務会計、原価計算の分野
3級:財務会計の分野
各級の出題範囲や取り扱う勘定科目については、『農業簿記検定のホームページ』に掲載されています。
試験日
農業簿記検定は1年に2回、7月第1日曜日と11月の第4日曜日に実施されます。平成30年は7月1日と11月25日に実施されます。
※やむを得ない事情により変更となる場合があります。
受験会場は、北海道から沖縄県まで全国の40ヶ所以上の都市が設けられる予定です。
農業簿記検定の受験申込み方法
受験申込み期間中に『農業簿記検定のホームページ』からWeb申込みページに進み、指示に従って申し込みを行います。または、受験案内(リーフレット)に掲載されている受験申込書をハガキに貼付して申込みができます。
受験者が多い団体は、団体申込みが可能です。詳しくは、『農業簿記検定のホームページ』をご覧ください。
農業簿記検定の受験者数と合格率
平成29年度11月(第8回)の結果は以下の通りです。
1級 受験者数86名、合格38名、合格率44.2%
2級 受験者数301名、合格177名、合格率58.8%
3級 受験者数1,015名、合格631名、合格率62.2%
平成29年度7月(第7回)、に実施された受験結果は以下の通りです。
1級 受験者数64名、合格32名、合格率50.0%
2級 受験者数191名、合格110名、合格率57.6%
3級 受験者数590名、合格346名、合格率58.6%
農業簿記検定の試験対策
農業簿記検定の受験対策用の公式テキストや問題集、過去問題集が販売されているので、それらを使って試験対策を行うことができます。
また『農業簿記検定』のホームページ上で、過去に実施された問題を期間限定で公開されています。受験を考えている方、自分の力を試したい方などは利用してみるとよいでしょう。
農業経営を存続させるためにも、農業簿記検定の知識は決して無駄になることはないでしょう。農業に携わる方は、検定試験に望んでみてはいかがでしょうか。