国が「証明書」を交付 農業のハイテク化をプッシュ
農業にITなどの先端技術を取り入れる「アグリテック」は、日本でも熱気を帯びてきていますが、ベトナムでは国ぐるみでこの分野を推進しています。
ベトナムの農業農村開発大臣は、果物・野菜生産などにおける「ハイテク化」の重要性を認めており、農業関連の企業が最新の科学技術を導入することで、新しい生産方法や技術を生み出すことをミッションに掲げています。そのため、先端技術の導入や活用を行う企業を支援する姿勢を取っています。
たとえば、高度な技術を活用している農畜産事業に対しては、ベトナムの農業農村開発省が証明書を交付しています。2017年9月の時点での内訳は、野菜および花の栽培9社、家畜育種8社、農業に特化した企業11社の計28社が証明を受けています。
そもそもベトナムは、世界的に見ても農業の盛んな国。米やコーヒーの生産・輸出に関しては、世界でもトップクラス。そのほかにも、タピオカの原料となるキャッサバをはじめ、サトウキビ、とうもろこしなど、さまざまな作物を多数生産しています。
しかも、人口9千万人のうちの約半数が農業関連の仕事に従事しており、GDPに占める農林水産業の割合も2割に上ります。ベトナムにおいて農業とは、国家を支える産業だからこそ、さらなる農業の成長を促すために国としてハイテク技術を取り入れようとしているともいえます。