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お灸でウシの受胎率UP?東京都農林総合研究センターのお灸マニュアル

お灸でウシの受胎率UP?東京都農林総合研究センターのお灸マニュアル

2018年01月30日

ウシを育てる畜産農家にとって、雌牛が妊娠し子牛を出産することは、経営向上のために必要不可欠なことでしょう。今回、ウシにお灸をすることで受胎率が上がったという研究結果を、公益財団法人 東京都農林水産振興財団農林総合研究センターが導き出し、「ウシのお灸マニュアル」を発表しました。お灸の詳しい施術方法や繁殖率の成果について、同センター畜産技術科の三山紗衣子(みやまさえこ)さんに、詳しくお聞きしました。

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ホルモン剤に頼らない繁殖技術

近年、ウシの受胎率の低下を食い止めるため、ホルモン剤を用いた様々な治療法や繁殖技術が盛んに研究されています。東京都内では、以前から繁殖機能改善を目的に、ウシにお灸を実践したり、講習会が開かれていたそうです。しかし、お灸を行っても受胎しない場合もあり、効果が曖昧であると認識されていたために広く普及していませんでした。

「ホルモン剤は獣医師の指示がないと使うことができません。また繰り返し使用することで効果が弱まることも知られています。そこで、ホルモン剤に頼らない繁殖技術に注目したいと考え、改めて家畜へのお灸の効果について調べてみることにしました」と三山さんは語ります。

ウシのお灸マニュアル

お灸を施すことによるウシの動きの観察から性ホルモンの動態まで、様々な調査を繰り返し実施。約3年に及ぶ研究の成果として、「ウシのお灸マニュアル」が発表されました。

ウシのお灸に必要となる基本は、味噌ともぐさだけです。ウシのお尻の近くにある背中のツボに、味噌を直径5センチほどになるように塗り、その上にもぐさをピンポン玉大に丸めてのせます。もぐさは人に使うものと同じ市販のものでかまいません。

「ウシは何のためにお灸をされているかわかりません。熱くてイヤだと感じれば、体をもじもじ動かしたり、後ろを振り向いたりしてもぐさを払い落としてしまいます。そこで、もぐさの下に味噌を塗って落ちないように固定しました。

味噌をぬったことで、皮膚に直接もぐさを置くよりも、じんわりと熱を伝えることができます。初めてお灸するウシには、熱さに驚かないように味噌を厚めに塗っておくと安心です」。

お灸の最中、ウシの頭を固定します

また、三山さんたちがお灸をする際は、尻尾や頭が動かないように固定していました。神経質なウシでなければエサを与えて注意をそらせば、頭を固定しなくても振り向いたりしなくなるそうです。

ウシのツボは、以前から知られている繁殖機能改善に効くとされる9つを選びました。天平、腎門、百会といった、ウシの背中にあるツボです。人工授精の7~10日後の黄体開花期に、3日連続でお灸を行います。もぐさは火をつけてから10分ほどで燃え尽きます。さらに、5分ほど待ってもぐさが熱くないのを確認したら、味噌ごとふき取って終了です。

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