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持続可能な農業を目指して 国際GAP認証「グローバルGAP」

持続可能な農業を目指して 国際GAP認証「グローバルGAP」

最終更新日:2018年09月06日

農産物の安全性やトレーサビリティ、農業による環境保全が求められる中、適正農業規範の国際的な基準を示すGLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証の取得が進められています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは提供する食材の基準となり、2017年には認証取得に関する費用の一部が助成の対象になりました。一般社団法人GAP普及推進機構/GLOBALG.A.P.協議会の専務理事、今瀧博文(いまたきひろふみ)さんにお話をうかがいました。

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グローバルGAPは持続可能な農業のためのガイドライン

そもそもG.A.P.(ギャップ)とは、「GOOD(適正な)」、「AGRICULTURAL(農業の)」、「PRACTICES(実践)」の略で、あるべき農業の形を実践的に示した規範やガイドラインのことです。それらを証明する国際認証の仕組みの一つをグローバルGAPといいます。

1997年にEUで創設された「ユーレップGAP」が前身で、その後2007年に「グローバルGAP」となり、今日では世界130ヶ国に普及しています。また、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)の取り組みにも協力しています。

「グローバルGAPには、果樹・野菜分野で218の生産工程管理項目があります。これらは食品安全、生産物の追跡可能性ともいわれるトレーサビリティ、作業従事者の労働安全と健康、生物多様性を含む環境保全という4つの柱からなり、最終的には持続可能な農業生産を目指しています。

国内で取り組める、最も国際的に普及した認証なので、海外輸出の際にはこの認証が前提条件となることが多いです。グローバルGAPは輸出を考える方だけのものだけではありません。農業の効率化を進め、改善するべき点を知ることで、農業に従事するすべての方にメリットとなるでしょう」。

またグローバルGAPは、他の品質保証の認証マークの使い方と混同されやすいです。生産物の品質に対する認証ではなく、生産工程管理の認証となるものです。

グローバル基準の強要ではなく、その土地に合った農法を導く

GLOBALG.A.P.のロゴ

ヨーロッパでグローバルGAPを取得しているのは、大規模流通している農産物の6割を超えると言われています。一方、日本では1%未満。2000年初め頃に導入されたとはいえ、現状はアジアなどその他の国々に遅れをとっています。

『グローバルスタンダード』という言葉があります。自分たちに合わない画一的な基準を押し付けられるのではないか、と思う生産者さんが多いようです。ですが、グローバルGAPは国や地域ごとの特色をなくして欧米と同じにするということではなく、その土地に合った農業工程を細かく確認していくものです。ベテランの従事者にとって、これまで経験値で行なってきたことを、再確認のために紙に書き出すようなものです。

具体的に、『〜しなさい』という規定は少なくて、例えば有機質肥料や用水については衛生面で問題ないかどうか考えさせる内容となっています。既存の日本の技術指導とは異なっていますが、これからの農業には必要なことだと思っています」。

農業高校の快挙 認証取得を通してレベルアップ

近年では、グローバルGAPの教育的な側面に注目されています。2016年には青森県立五所川原農林高等学校がGAP Award(GAP大賞)受賞という快挙を達成。GAP Awardは認証者の中でも、顕著な業績や成果を上げた団体に贈られるもので、同校は気付きや自分の頭で考えることや、IT技術の活用、指導者と実践者の情熱といった点で高く評価されました。

「これからの農業を担う若い人たちが、グローバルGAP認証を通して農業従事者としてレベルアップし、農業への思いが確固としたものになったのは大変素晴らしいことです。

農業高校であっても、卒業後、農業に従事する生徒は少ない傾向にあります。同校でも例年3、4割程度の生徒しか農業分野を本業としないそうです。グローバルGAP大賞を受賞した学年の生徒たちは6、7割の生徒が農業関係の道に進んだということです」。

認証を取得する過程で、生徒たちの間で農業への取り組み方に変化がみられ、一生の仕事として農業を見つめるきっかけになっていったようです。

五所川原農林高等学校の影響力は大きかったようで、その後は北海道士幌高等学校、岩見沢農業高校、京都府立農芸高等学校、木津高等学校などがグローバルGAP認証取得に取り組んでいて、さらに多くの高等学校が続いています。

耕種作物から畜産・酪農・水産業へ

グローバルGAPの小売業及びフードサービス会員(2016年版)

一般社団法人GAP普及推進機構/GLOBALG.A.P.協議会では、認証取得に向け講演や全体研修、ワークショップなどの形で普及を行なっています。

2017年より認証費用の助成が始まりました(詳しくは農林水産省のウェブサイトでご確認ください)。GAP認証は基本1年単位で更新が必要で、「最初の認証費用の助成はあっても、その後は自己負担となるためによく考えた上で取得した方が良い」そうです。

また同機構では会員制度を発足し、グローバルGAPの最新情報を共有するとともに、スーパーなどの小売業と生産者のマッチングなど、ビジネス上の繋がりを生み出しています。

「これまでは果物・野菜や米といった耕種作物が中心でしたが、今後は畜産、酪農、水産養殖業といった分野でもグローバルGAPを広げていきたいと考えています」。
グローバルGAP取得準備にかかる期間は半年から1年、認証費用は40万円ほどです。この他に土壌、水質や農薬残留に関わる分析費用もかかります。

海外輸出のためには認定が必須となるグローバルGAPですが、農産物の輸出拡大の一助となるだけでなく、環境保全や食の安全、大規模化、高齢化など、現在の農業の諸問題に向かい合うための指針となることが期待されています。

一般社団法人 GAP普及推進機構/GLOBALG.A.P.協議会

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