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新しい価値観を共有する「八重洲塾」が描く明日の農業

新しい価値観を共有する「八重洲塾」が描く明日の農業

農業分野の新しい価値連鎖(バリューチェーン)の構築を目指す株式会社アグリインキュベーターが主催する「八重洲塾」は、これからのアグリビジネスシーンで必要とされる価値観の共有を目的に、2017年7月から毎月末に実施しています。プレミアムフライデーの夜、東京駅至近の会議室で行われる情報交流の場は、回を重ねるごとに参加者も増えているそう。2018年1月26日は第3フェーズがスタート。3回に渡る「農業の未来創造」というテーマの初回が行われました。

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農業の未来の姿を探る学びの場

株式会社アグリインキュベーター 藤井滋生代表

東京駅の東側、「八重洲」という地名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人ヤン・ヨーステンの屋敷があったことに由来しているとされています。「彼を生んだオランダは、今や日本が見習うべき農業大国。その縁を感じ、農業を語るのにふさわしい場所で行う勉強会を八重洲塾と名付けた」と話すのは、「塾」を主催する株式会社アグリインキュベーターの藤井滋生(ふじい しげお)代表。大手流通チェーンで国内外の農産物の商品開発を担当した後、直営農場の立ち上げに尽力し、農産物の新しい価値連鎖(バリューチェーン)の構築を目指して、2014年に同社を設立しました。農業経営のコンサルタントや、マーケットリサーチ、人材育成を専門に事業展開する同社の「塾」は、2017年7月からスタート。2018年3月までの全9回を計画する中で、3回ごとにテーマを変更し実施しています。第1フェーズ「女性の活躍」、第2フェーズ「食と健康」と続いてきた第3フェーズ、最後のテーマは「農業の未来創造」です。
農作物市場のグローバル化の進展といった明るい話題がある一方で、就農者の高齢化と減少などの課題もある「農業」を取り巻く環境の中で、いかに成長を推し進めていくか、どのように対応していくのか。これからの農業のあり方について、最前線で活躍する企業のリーダーの実践事例をもとに、理解を進めます。

農業界に新しい風を送るリーダーが見つめる〝その先″

イオンアグリ創造株式会社 福永庸明社長

株式会社農業総合研究所 及川智正社長

2018年1月に行われた第7回八重洲塾は、イオンアグリ創造株式会社の福永庸明(ふくなが やすあき)社長と、株式会社農業総合研究所の及川智正(おいかわ ともまさ)社長が登壇しました。
福永氏は「農業の働き方改革~キャリア選択としての農業~」と題して、同社の取り組みを紹介。世界的な水不足が深刻化する中、すぐそこまで迫る食料難の時代に、手をこまねいていることなく、農場経営に参入した同社。農業に一般企業の労働条件を当てはめ、メリハリのある農産品の生産活動を行っています。データやノウハウを蓄積し、活用する企業ならではの方法で、無理なく、無駄なく、効率的に生産し、供給していくこと。また、農場を全国展開することで、地域社会に貢献していくという、企業の方向性を示しました。
及川氏が率いる農業総合研究所は、都心部のスーパーの店内に農産物直売所を設置し、生産者から集めた農作物を販売する流通システムを構築して注目を集める農業ベンチャー。自らの生産者、バイヤーなどの経験を通して「流通から農業を変える」独自のアイデアで、農業界に新しい風を送っています。東証マザーズに上場を果たし、中小企業基盤整備機構が主催する「Japan Venture Awards2016」で経済産業大臣賞を受賞した及川氏の「ビジネスとして魅力ある農産業の確立」。農業界を見つめる視点や、次の展開に来場者は関心を寄せていました。
2人の講演後の質問タイムは、会場が最も熱を帯びた時間でした。ビジネスのきっかけ、ターニングポイントや、日々の業務まで、多岐に渡る質問の最後に、及川氏は「業界をどう捉えるか、農業のどの側面に目を向けるか、自分自身で考えて、信じて挑戦していくことが大切。農業に情熱をぶつけていきましょう」と話し、講座を締めくくりました。

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