農産物のPR・販路拡大!「農家のクラウドファンディング」とは

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農産物のPR・販路拡大!「農家のクラウドファンディング」とは

農産物のPR・販路拡大!「農家のクラウドファンディング」とは
最終更新日:2020年02月04日

支援者募集や農作物の認知度アップを目的にクラウドファンディングを利用する人が増えてきています。そこで地域活性化に特化したクラウドファンディングのプラットフォーム「FAAVO(ファーボ)」を運営する株式会社サーチフィールドの北山憲太郎(きたやまけんたろう)さんに、農業におけるクラウドファンディング利用の実態や上手に活用する為のポイントなどについてうかがいました。

プロジェクト件数は5年間で1,453件、支援者は4万6,000人

農業のジャンルに限らず、クラウドファンディングが広く知られるようになってきています。「FAAVO」は2012年6月にオープンしてから、これまで1,453件のプロジェクトを掲載してきました。2012年7月から2013年6月に掲載されたクラウドファンディングは70件に対して、2016年7月から2017年6月は391件と、5年間で5倍以上に増えていることになります。

「FAAVOは地域を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディングのネットワークであるせいか、これまでに実施されたクラウドファンディングのカテゴリーでは『観光・まちおこし』が最も多く、全体の2割弱を占め、次に『街・ローカル』のカテゴリーが多いです。『農業・漁業・林業』というカテゴリーも決して少なくありません」と北山さんは語ります。

さらに、クラウドファンディングを支援する人について見てみると、FAAVOの会員のうち、これまでに1回以上支援をした人は約4万6,000人(2017年11月末時点)になるそうです。

「クラウドファンディングを起案する人も、支援する人も、東京や大阪といった大都市に住む方が比較的多いですね。支援者については30、40代の方が多く、性別では男性と女性で半々くらいの割合となります」。

また、目標額に対する達成率が100%を超えたプロジェクトは、過半数を超える約54%にも及ぶそうです。(2017年7月から11月の結果)。
 
「海外と比べて、日本のクラウドファンディングは達成率が高い傾向にあります。FAAVOでは、掲載したいというプロジェクトについて公開前に審査を行い、その段階で起案者の方に様々なアドバイスを行っています。達成率が高くなる理由はそこにあるのかもしれません」。

農業におけるクラウドファンディング事例

これまでにあった、農業、畜産業におけるクラウドファンディングの事例としては、「農作物を全国に広めたい」、「生産量が少なくなっている農産物を未来に残していきたい」などといった目的で利用しているものがあります。

例えば、島根県美郷町比之宮地域に自生している「ポポー」という果物をジェラートにするというプロジェクトが実施されました。ポポーは、マンゴー、バナナ、パイナップルに似て甘くおいしいフルーツですが、熟すのが早く収穫時期が限られているため、市場にはほとんど出回らず、「幻の果物」と呼ばれています。

そんなポポーのおいしさを全国に知ってほしいという思いから、ジェラートを商品化するために資金を集めるクラウドファンディングプロジェクトが実施されました。その結果、67人の支援者から30万円の支援金が集まりました。

日向市の特産品ヘベスをPRする「へベス君」

また、宮崎県日向市の特産品に、柑橘類の「ヘベス」というものがあります。ですが生産農家の高齢化に伴って、生産量が減少。このままだと消滅してしまう危機的状況にあることから、ヘベスの苗木オーナーを募るクラウドファンディングが実施されました。「ヘベス君」というキャラクターを作り、PRを積極的に行ったことで201人から約345万円の支援金が集まったそうです。

「まだ誰も知らない特定の地域にある特産品などを紹介したり、またクラウドファンディングを起案する人たちの熱い情熱が込められていたりするものは、反響や共感を呼びやすく支援も集まりやすいようです」。

農家がクラウドファンディングを行う上で大切なことは

クラウドファンディングを起案した人からは、「これほど反応があるとは思わなかった」、「プロジェクトに共感した方が、拡散してくれるパワーを感じた」、「見ず知らずの方でも、プロジェクトのサポーターになってくれて心強かった」といった感想が寄せられました。そして、クラウドファンディングの利用について前向きに考える方が多くなっているそうです。

では、実際に農家がクラウドファンディングを企画する際、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

「クラウドファンディングを企画する上で、最も大切なのは計画をたてることです。ぜひ周囲の人も巻き込んで、様々なアイディアを出し合ってみてください。そして集まったアイディアの中から、たくさんの人が『これは面白い』『この企画は良い』というものを選んでみると、実際のクラウドファンディングでも支援を得やすくなると思います。

また、私たちは企画に対してアドバイスを行いますが、実際に行われるのは起案者の方々なので、ぜひ皆さんの思いを込めたプランを考えてほしいです」。

さらにクラウドファンディングでは、支援者募集のためのページ作りをはじめとしてプロジェクトの告知も行います。さらにプロジェクト達成後は、クラウドファンディング達成へのお礼として、できあがった商品などをリターン品として支援者に送るといった作業も出てきます。実際にプロジェクトの企画を行った方は「思っていたよりも大変だった」という意見もあります。農作業を行いながらクラウドファンディングを行うのは、決して簡単なことではありません。

そのため北山さんは「ぜひ、地域の人々やNPO法人などの団体を巻き込んで、チームで計画してください」とおすすめしています。

ここ数年で、クラウドファンディングが盛んになってきた背景を受け、今後はさらにアイデアのクオリティが高まっていくものと予想しているそうです。地域の特産品などをアピールするために、どうしたら共感を得られるかといったユニークなアイデアが必要になっていくことでしょう。

資金や支援者の不足を理由に、大切な農産物のPRをあきらめてしまうのはもったい無いことです。クラウドファンディングを利用して、その価値を広く人々に伝えることで新しい道が開けていくかもしれません。

FAAVO(ファーボ)

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