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トマトの栽培体験で野菜をもっと身近に!カゴメが取り組む食育活動

トマトの栽培体験で野菜をもっと身近に!カゴメが取り組む食育活動

普段自分たちが口にしている食べ物について、食材がどんな場所でどんな風に育てられているのかを学んだり、自分で一から食材を栽培したりする「食育活動」。2005年に食育基本法が制定されてから、多くの企業が食育活動に積極的に取り組んでいます。今回は、カゴメ株式会社にスポットをあて、カゴメトマトジュース用のトマトの苗を無償で小学校や保育園へ提供する「りりこわくわくプログラム」などについて紹介します。

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健康や生活の向上を目的に始まった食育活動

食育

家族の形態やライフスタイルの多様化に伴って、日本人の食生活は大きく変化してきました。そして、栄養バランスの偏った食事が増えたり、生活習慣病にかかる方が増えたり、食料自給率の低下が問題視されたりと、食に関するさまざまな問題が浮かび上がってきたのです。

そのような背景があり、一人ひとりの健康や生活の質の向上を目的に、2005年「食育基本法」が制定されました。食育基本法には、食品の製造、加工、流通、販売などに携わる事業者や団体は、自主的かつ積極的に食育の推進に自ら努め、国や地方公共団体が実施する食育推進施策に協力するよう努めるよう明記されています。

これをひとつの契機として、CSR(社会や環境への貢献活動)や地域貢献などの観点からも、食品産業に携わる多くの企業で食育活動を行うようになってきています。

カゴメでは1964年より食育を実施

食育

食育基本法制定よりも早い段階から食育活動に取り組んでいるのが、カゴメ株式会社です。同社で初めて行われた食育が、1964年の子どもの日に、保育園・幼稚園向けに食育絵本や紙芝居などの教材を配布したことです。

カゴメ株式会社マーケティング本部、広告部・宣伝グループの関根理央(せきねりお)さんは、「弊社では、早くから食育活動に力を入れています。『自然を・おいしく・楽しく』というブランドステートメントを掲げており、食育活動は『楽しく』の部分を体現する、お客様とのコミュニケーションに繋がっています」と語ります。

1972年からは、食をテーマにした子ども向けミュージカルを開催する「カゴメ劇場」を実施。カゴメ劇場は現在でも続けられており、東日本大震災遺児の進学支援を行うチャリティとしても行われています。さらに、営業の現場や工場等の生産部門、研究部門など全社で、子どもに限らず全ての世代に向けて、食育に取り組んでいるそうです。

累計49,919校へトマト苗を無償で配布

食育

カゴメで1999年から始まり、現在も行われている食育活動に、「りりこわくわくプログラム」があります。これは、カゴメトマトジュース用トマト「凛々子(りりこ)」の苗を全国の小学校や保育園などに無償で提供し、子どもたちにトマトを育て収穫して食べるまでの過程を体験をしてもらうというものです。

「カゴメの工場見学に訪れた方へ、ジュース用の苗を紹介したところ『栽培してみたい』という声があったことが、活動の始まりとなりました。トマトの苗の栽培から、調理の実践による食体験を通して、子どもたちに『命への関心』と『感謝する心』が育まれること、そして、野菜好きの子どもが増えることを願って実施しています」(関根さん)。

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りりこの苗が届いたら、苗を畑やプランター、鉢に植えつけて、花が咲き、実がなり熟すまでの過程を観察日記などにまとめていきます。最後はトマトを収穫して、トマト料理を作ったり、トマトケチャップに加工したり、口に入れるまでを体験できます。

同プログラムを体験した子どもたちからは、「トマトの実の色の変化が新鮮だったし、面白かった」、「トマトは好きじゃなかったけど、好きになりました」、「ケチャップが沢山のトマトからできていると知って驚いた」という声が寄せられているそうです。

さらに、教員や保護者の方からは「野菜に興味を持ち、『食べてみよう』という気持ちになり、給食の野菜の残食が減った」「食べ物に感謝することの大切さを学んでくれた」などの感想があり、この活動が子どもの食べ物に対する向き合い方に良い変化をもたらしているものと分かります。

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2017年度の同プログラムへの参加校は1,214校で、東日本大震災発生後の2011年から2013年は、東北地方を中心に全国で年間4,000校へ配布したそうです。

「1999年から2017年度までの累計参加校は49,919校になります。配布は48苗または96苗でお届けしていますので、苗を1人1本育てたと仮定すると、少なくとも約240万人の子どもに携わっていただいている計算になります」。

食育活動は、企業にとって商品購買に直接繋がる事業とはいえないかもしれません。ですが、関根さんは「トマト苗を栽培し、調理加工を施し、味わうという一連の活動はカゴメの事業バリューチェーンそのもので、継続的に弊社と関わりを持ってもらえる貴重な体験と考えています」。

スーパーに並んでいる野菜を、生産者と同じように自分の手で一から育てて作るという経験は、消費者に親しみを生み、より身近なブランドとして認知されていくであろうと予想されます。また、小さい頃の野菜作りの経験が、野菜全般や食全体への関心を高めていくのでしょう。

 
りりこわくわくプログラム
画像提供:カゴメ株式会社

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