“インスタ映え”して夏休みの自由研究にも最適〜宮野園で茶摘み体験

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“インスタ映え”して夏休みの自由研究にも最適〜宮野園で茶摘み体験

“インスタ映え”して夏休みの自由研究にも最適〜宮野園で茶摘み体験

最終更新日:2018年08月17日

旅が好き、アウトドアも好き、でも小さい子がいて激しいのはちょっとムリ――。そんなファミリーにおすすめなのが、観光農園などでできる収穫体験です。お日さまをいっぱい浴びて土に触れ、しかも子どもが食に親しむきっかけになったら一石二鳥にも三鳥にもなるというもの。
ここでは“農”をキーワードにしたお出かけを「農旅」と呼んで、あちこちに旬を追いかける旅の模様を綴ります。
今回は新茶の香りに誘われて埼玉・狭山で茶摘み体験をしてきました。

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東京から一番近い銘茶の産地で茶摘み

関東では4月下旬ごろから新茶摘みシーズンが始まります。

住宅地の長くはない家並みを抜けると茶畑だった。視界の底が緑になった――。

『雪国』をもじって、そんなことを口走ってしまうくらいのまぶしい景色でした。最寄り駅で電車を降りて車で約10分、よくある地方都市の街並みの中に突如として茶畑が現れたのでした。
狭山といえば静岡、宇治と並ぶ三大銘茶の産地。「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という歌があるように、独自の仕上げ加工による豊かな味わいが特徴だと言われています。
今回お世話になった茶園「宮野園」さんは、茶摘み体験ができる場所としては都心から一番近いスポット。広大とまでは言えない慎ましい茶畑ですが、非日常感は充分です。ここに夫婦と娘2人、それに“じいじ”を伴ってわいわいと押しかけました。

冷たい緑茶とほうじ茶をいただきました。専用ボトルもおしゃれ。

早速、冷たい緑茶でウェルカムドリンクのおもてなしを受けると、これがビックリするほどおいしい。
「水出しすると緑茶の渋みが出にくいんですよ」
そう教えてくれたのは、宮野園のおもてなし部長の宮野圭司(みやの・けいじ)さんです。愛称は“お茶えもん”。その名に違わず、お茶に対する愛と知識がポケットいっぱいに詰まっています。
その間も、ほうじ茶を焙煎するいい香りが辺りに充満しています。

茶娘衣装が“インスタ映え”で人気

宮野園のインスタグラムより

宮野園は明治2年創業の老舗。10年ほど前から地元の小学生の体験学習を受け入れたところ好評で、大人の希望者も多く、4〜5年前から一般客の収穫体験も受け入れ始めたそう。最近では茶娘衣装がSNSで人気を呼び、この日も若い女性のみならずオジサンまで喜々として“娘”姿に。小学生の長女もはりきって衣装チェンジして、いざ茶畑へ。

茶摘みのポイントは「人差し指と親指で優しくつまむ」

「お茶摘みには一芯二葉という摘み方があります。まだ開いていない赤ちゃんの芯と二つの葉の計3つを、人差し指と親指でつまんで手前に折ると自然とプチッと切れますよ」。
茶摘みにあたって、一緒になった数組の客を前にお茶えもんがレクチャーしてくれます。

日本茶インストラクターの資格も持つ宮野圭司さん。

この日摘んだ葉は「狭山香」という品種。宮野園さんではこのほかに「狭山緑」「奥武蔵」「べにふうき」など十数種類の茶葉を栽培しています。市場に出回る緑茶の7〜8割を占める「やぶきた茶」を基準に、それより早く摘み取りの時期を迎える早生(わせ)と、後に芽が出る晩生(おくて)など多品種の茶葉を組み合わせて栽培することで、良い芽のお茶を長く摘むことができるそうです。
「芯が分かりにくかったら、小さめの2枚くらいを摘んでもいいですよ。摘むときに爪を立てたり、力任せに摘んだりすると葉にストレスがかかって傷みやすくなります。好きな子に接するときのように優しく摘んでくださいね〜」
お茶えもんのアドバイスが続きます。くすくす笑う大人たちの中で、長女、ぽかーん。子どもにはなかなか難しい例えだったようです。

プチプチの快感に包まれる…

「では自由に摘んで下さい」。そう言われて、わーっと駆け出す子どもたち。じつは、筆者は茶畑を間近に見るのは初めてでしたが、思っていたよりも密に植えられていて、木と木の間は大人一人が横向きに歩くほどのスペースしかありません。一度入ったらすれ違うことのできない一方通行です。かがんで見れば、あら迷路みたい。

「子どものころはよく走り回って怒られていましたよ」とお茶えもん。茶畑はかくれんぼにも最適なスポットだということが判明しました。木の高さは90センチほどでしょうか。約1メートル20センチの長女が立つと、ちょうど胸のあたりに新芽が飛び出しています。1メートル以下の乳幼児が飛び込めば、もはや迷子状態。次女はじいじに抱っこと相成りました。大人は腰を曲げずに作業できて楽チンです。

茶葉を軽くつまんで折るだけ。子どもでも簡単です。

一芯二葉、一芯二葉、一芯二葉……。心の中でつぶやきながら芽を摘んでいきます。一つ摘むごとに無の境地に近づいていく感じがします。緩衝剤に使われる“プチプチ”を一つ一つつぶしているような快感に包まれてやめられません。隣で長女も「もうコツつかんだわ〜」と得意げな様子。20〜30分があっという間に過ぎて、終了を告げられても大人たちは戻りながらさらにプチプチ……。未練タラタラです。ああ、もっと摘みたい!
最後にはすっかり茶摘みの虜に。でも、まだ大事な仕事が残っていました。

茶摘みの後は製茶まで体験できる

作る人の人間性が茶の味になる

残る大事な仕事。摘んだ茶葉を手もみでお茶に仕上げます。
茶葉はどうやったらお茶になるのか。詳しくはお茶えもんから直接習っていただきたいのですが、じつは緑茶も紅茶もウーロン茶もすべて同じ茶葉から作ることができるそうです。
茶の葉にはカテキンなどのポリフェノールを酸化させる酵素が含まれていて、もんだりしおれさせたりすると発酵が進みます。そうした働きを利用して、最初に加熱して酸化酵素の働きを止めて作るのが緑茶、逆に充分に発酵させたものが紅茶、ウーロン茶はその中間くらい。それぞれに向いた茶葉もあるそうですが、同じ葉からできるというのは驚きでした。

一度蒸した茶葉を両手で優しくもみます。

体験では、①茶葉を軽く水洗いしてビニール袋に入れて電子レンジで加熱、②少し冷ましてから紙の上でもむ、③皿に乗せて再加熱、④もむ、という手順で、カリカリに乾燥するまで③④を繰り返しました。
聞けば簡単な作業なのですが、もみ始めに力を入れすぎてもダメだといい、その加減がなかなか難しい。長女はそうっと両手で包みこむように丁寧にもんでいますが、夫はガシガシと力を入れすぎて茶葉が団子状態に。
「お茶は作る人によって全然味が違うんですよ。せっかちな人が作るとせっかちな味になります」
そう指摘をうけて思わず苦笑い。実際に持ち帰ってそれぞれの作ったお茶を飲み比べてみたところ、素人でも味が違うのがハッキリ分かりました。

新茶の天ぷらが超絶ウマい

サクサクの天ぷら。手製の“新茶塩”を合わせるとさらに美味。

最後に新茶の天ぷらが振る舞われました。
「うっまーー!!」
口に入れた瞬間、みなが一斉に目をまるくします。サクサクと香ばしく、噛むごとに茶の苦みがじゅわっと追いかけてくる大人の味です。こんなにおいしいのに見たことがないと不思議に思ったのですが、それもそのはず、新茶は摘んでから数時間もするとしおれてきてしまうので、広く流通させることが難しいのです。まれに産地近くの直売所などに置いてあるようですが、やはり摘みたてが一番おいしいそう。これを味わうだけでも来た甲斐があったというものです。
気がつけば「子どもが楽しいはず」という大義名分はそっちのけ。茶の世界の奥深さに好奇心を引き出されて、天ぷらを肴に大人の社会見学といった具合になりました。しかも、茶摘みから手もみ仕上げまでの一連の流れを記録してまとめれば夏休みの自由研究になるという、とっておき情報もお土産にもらいました。帰宅後には長女が初めて自分でお茶をいれてくれるという、うれしいオマケまでついてきた茶摘み体験でした。

茶摘み体験は4月下旬〜10月末まで行えます。

<体験プランデータ>
宮野園 
茶摘み体験は小学生以上一人1000円、未就学児は無料。茶娘衣装は別料金500円。

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