農作物の出荷に必要 段ボールの費用は誰持ち?
一般消費者が段ボールを買うことは少なく、たいてい何かに付随してくるものです。しかし、農家にとっては、野菜を出荷するために必要不可欠なツールです。
ですから、農家は段ボールを発注しなければなりません。方法として一般的なのが、農業組合単位での一括購入。地域で作られる野菜は決まっている場合が多いので、同じタイプの段ボールを組合の共用資材として大量保有しておいたほうが効率的です。もちろん、農家が段ボールを利用する場合には箱を買い取ることになるため、経費は掛かりますが、個人単位で入手するよりもはるかに安く済みます。
常識を打ち破る「六角形段ボール」とは?

画像提供:長野森紙業株式会社
「段ボール箱」と聞いて、どんな形をイメージするでしょうか。おそらく、多くの人が長方形や正方形を思い浮かべるはず。しかし最近、その常識を打ち破る「六角形段ボール」が誕生し、注目を集めています。
開発したのは、長野県のJA全農長野。ただし、「六角形」とっても教科書で見るような正六角形ではありません。対角線にある二つの角を切った、少し変わった六角形です。丸い農産物を入れやすく、角を増やしたことで強度が向上しています。また、増えた面に産地名などを印刷できるなど、PR効果も期待できるすぐれものです。
また、六角形にした場合、資材価格に直結する原紙の使用量を従来のものよりも約3%減らすことができるため、コスト面でも期待が高まっています。コスト削減は、生産者の大きなメリットとなるため、今後も開発を続けていくようです。
現在、この六角形段ボールはJA全農長野以外のほか、JA金沢市で試験流通しています。特許は、JA全農長野と開発を進めてきた塩尻市の長野森紙業株式会社が特許を出願しています。
段ボールにも個性!? オーダーメイドダンボールとは…
「オーダーメイドスーツ」や「オーダーメイド家具」のように、実は「オーダーメイド段ボール」というものもあります。あらゆるサイズ・形状に対応したオリジナル段ボールを作ってもらえるため便利です。また、オーダーメイド段ボールに注力している企業もあります。
オーダーメイド段ボールなら、表面に自慢の農作物をアピールするブランドロゴやイラストを入れることも可能。長年の得意先に野菜を卸すだけではなく、インターネット通販で新しいお客様へ商品を届けられる時代だからこそ、段ボールの見栄えやデザインにこだわるのも重要だといえるでしょう。
また、今では昨年話題になったロマネスコのように、これまでになかった新種の野菜に取り組む農家が増えています。従来の四角い段ボールでは対応できないような大きさ、形の野菜を生産した際、オーダーで作れればとても便利です。また、特別に生産した野菜のために1個から作れるオリジナルの箱に入れて納品すれば、顧客からも喜ばれそうです。オーダーメイド段ボールの業者は増えているようですので、今後も様々な使い方が提案され、実用化していくのではないでしょうか。
今回は、段ボールの調達方法、最新デザイン、オーダーメイドの存在について紹介しました。いずれも実用性の高い知識なので、ぜひ活用してみてください。