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スマート農業の未来とこれからの課題とは

スマート農業の未来とこれからの課題とは

最終更新日:2018年09月05日

ICT(情報通信技術)の進歩は、私たちのライフスタイルだけでなく金融や教育、行政など、社会のあらゆる分野に大きな変化をもたらしました。もちろん、農業もその例外ではなく、ICTやロボット技術を活用した「スマート農業」が提案され、実用化に向けて日々研究が進められています。
では、スマート農業の普及によって、農業はどう変わろうとしているのでしょうか。スマート農業の現状と、今後の課題について紹介します。

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スマート農業とは

スマート農業

スマート農業とは、「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」を意味し、近年の技術の進歩と労働力不足が深刻な日本の農業の現状から生まれたものです。つまり、ロボットやICT技術を活用して、少ない人手で効率良く高品質な作物をつくれるように推進している農業のことです。
農林水産省は、スマート農業により将来的に次のようなことが可能になるとしています。

超省力・大規模生産の実現

GPS自動走行システム等の導入により、現在は人が運転しているコンバインなどの農業機械の無人化や夜間走行などが可能に。少ない労力で、大きな面積を耕作できるようになります。

作物の能力を最大限に発揮

センシング技術(センサーなどを利用してさまざまな情報を計測し、数値化する技術)による情報収集や過去に蓄積したデータの解析、温室内のモニタリング、温室を一定の環境に保つ環境制御技術などを組み合わせた精密農業が可能になることで、多収穫・高品質生産が実現できるようになります。

重労働、危険な作業からの解放

収穫物の積み下ろしなどの重作業を軽労化するアシストスーツ、除草ロボットなどの導入により、労働者の負担を大幅に軽減することが可能となります。

誰もが取り組みやすい農業を実現

農業機械にアシスト装置を搭載してノウハウをデータ化して共有することにより、経験の浅い人でも農業に取り組みやすくなり、新規の就農者の増加が期待できます。

消費者・実需者に安心と安全を提供

クラウドシステムにより、生産地や生産者などの詳しい情報を、消費者・実需者が確認できるようになり、安心・安全につながります。

スマート農業誕生の背景

スマート農業

近年、日本の農業は新規就農者の減少と既存農家の高齢化により、労働力不足が深刻な問題になっています。そうなった背景には、若い就農者を増やしたくても、農業は重労働できついというイメージから若者に敬遠されたり、栽培技術やノウハウの伝承が難しいといった事情がありました。スマート農業は、そういった現状の解決策として提唱され始めたものです。

2013年11月、農林水産省で「スマート農業の実現に向けた研究会」が立ち上げられ、スマート農業を推進する方策についての検討と、実現のためのロードマップ作りが始まりました。以後、内閣府と農林水産省を中心に進められており、すでに実用化されているものもあります。その一例を紹介しましょう。

収穫用ロボット

センシング技術の発達により、センサーで周囲の情報を感知して収穫を行うロボットの実用化が進行。作業の効率化に役立っていて、収穫時期を判断することも可能です。

自動運転農機

トラクターやコンバインの中には、人が運転する機体に無人の機体が連動して動く、半自動運転機能を備えた物があります。政府は、2020年までに自動走行トラクターの実用化を目指していますが、事故が起きたときの責任の所在についてなどの法整備も必要なことから、現場への導入はまだ難しいと考えられています。

農業用ドローン

農業用ドローンが、果樹園での情報収集や広範囲に種を散布するなどの用途で使われています。ヘリコプターと違って小型で軽量なことから、農薬や肥料の散布は難しいとされていますが、操縦性や安全性に優れている点から、さらなる普及が期待されています。

スマート農業普及にあたっての課題

今後のスマート農業の普及に関する課題としては、技術開発、導入コスト、法整備などが挙げられます。
技術に関しては、農機の完全自動走行や品目共通で利用できる葉茎菜類・果菜類の収穫ロボットなど、開発が待たれる物が多くあります。そして、どんなに便利でも一般の農家が手の届かない価格になってしまっては意味がないため、規格を標準化して開発コストを抑えて現実的な価格を設定することも必要です。また、人件費と比較したときに、スマート農業の導入により利益が増えるかどうかも重要なポイントです。

他業種からも注目が集まるスマート農業

スマート農業は、新しい技術を農業に採り入れるというだけでなく、人手不足・後継者不足という日本の農業の課題を解決し、新しい農業の形を作ろうという画期的な試みです。
内閣府と農林水産省だけでなく、多くの企業の注目を集めているトピックでもあるので、今後のスマート農業の動きはますます注目されることでしょう。

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