本物の自然が残る、都心に近い丘陵地
房総半島のほぼ中央に位置する長南町は、山林・原野・水田が総面積の57%を占める、低い丘陵に囲まれた緑豊かな町。近年、首都圏中央自動車道の木更津―茂原間が開通し、町の北東部にインターチェンジが設置され、都心部とのアクセスがスムーズになったものの、自然環境はそのまま。6月にはホタル観賞会が行われるほどの、きれいな水と肥沃な土壌が良質な米を作る千葉県屈指の稲作エリアです。
首都圏在住の親子を中心に参加を募った「マイナビ農業田植え体験会」は、50人を超す希望者にご応募いただきました。町内の水田が続々と緑に覆われる5月中旬、体験会参加者のみなさんは、旧長南町立西小学校に集いました。
マイナビ農業が借りたのは、旧西小学校にほど近い、四方を森に囲まれた1600平方メートルの水田。この辺り一帯の水田に共通する電気柵はイノシシ除けの対策。地元の方の話によると、年間300頭を超えるイノシシが捕獲されるそう。自然がすぐそばに寄り添う環境だからこその「柵のある水田の風景」は房総の中心ならでは。美しい里山の中の水田で「マイナビ農業田植え体験会」をおこないました。
一枚の田んぼをみんなで作る 実りの秋が待ち遠しい
子どもたちは、小川を渡り、あぜ道を歩きながら、タンポポの綿毛を飛ばしたり、四葉のクローバーを探したり、田んぼへ移動する道中も自然を満喫している様子。用水路のオタマジャクシやカエルは敬遠するかと思いきや、すくったり、追いかけまわしたりと、都会っ子とは思えない姿は子どもらしい適応力を発揮し、田植えが始まる前から自然環境に溶け込んでいました。
地元営農組合の方々の指導のもとで行われた田植え体験は、子どもも大人も同じ間隔で一列に並び、ガイドロープに沿って、稲を植えていきました。組合の方の話によると「ポイントは稲の株の作り方」。3、4本の苗を取って、親指、人差し指、中指でつまんで、田んぼの土の中にしっかり植えるのがコツです。「やがて苗の茎が増えて実を付けていく中で、茎が多すぎると、養分が足りなくなり、実が少なくなる。1、2本だと茎が細くなり頼りない。多すぎず、少なすぎずが3、4本」なのだそう。
要領はつかんだものの、参加者にとって普段入ることのない田んぼはなかなかの難敵。足を取られてうまく進めなかったり、思わぬところで滑ったり、中にはバランスを崩して泥んこにダイブしてしまう人も。初めから上手な人も、そうでない人も、それぞれ自分なりに工夫して、田植えを楽しんでいました。
今回植えたのは、長南町で最も多く栽培されている品種「コシヒカリ」。これから半年、長南の自然の中で育った稲が豊かな実りをもたらしてくれるように。マイナビ農業編集部は、営農組合のみなさんに協力いただきながら、その成長を見守っていきます。
9月には、稲刈り体験会を実施する予定です。詳細が決まり次第、マイナビ農業サイトで参加者募集を告知させていただきます。
その土地らしい地域活性化を提案 「仲間と泊まる学校 ちょうなん西小」
田植え体験の後は、旧小学校の中庭でバーベキューを実施。ウシ、ブタなどの定番はもちろん、長南町ならではの“イノシシ肉”を網に乗せた他ではなかなか味わえないバーベキューのテーブルに彩を添えたのは、地元産の米と旬を迎えた町名産の“タケノコ”を炊き込んだ絶品の「タケノコごはん」。初夏の心地よい日差しが降り注ぐ会場は、まち自慢の食材を使った料理に舌鼓を打った参加者のみなさんの笑顔の花が咲き乱れました。
株式会社マイナビ地域創生事業部は、全国各地で地域活性化の取り組みを行っていきます。そのスタートの地となる千葉県長南町では、2017年3月まで小学校だった地域のシンボル「旧長南町立西小学校」をリノベーションし、「仲間と泊まる学校 ちょうなん西小」として、2018年7月1日にグランドオープンします。
小学校はいつの時代も地域の中心にありました。その役割は変わらないものの、学校としての役割を終えたこれからは、地域の人だけのものではなく、もっと広い範囲の人たちの「心のよりどころ」にしていきたいと考えています。利用者のみなさんが「ときどき帰って来られる場所」が「ちょうなん西小」です。宿泊だけでなく、ほっと一息くつろいでいただく「カフェ」も併設して、みなさんをお待ちしています。
仲間と泊まる学校 ちょうなん西小 https://chonan-nishisho.jp/