「ねぎ」を中心に事業を拡大 6次産業の成功例からノウハウを学ぶ
「脱サラ就農、九条ねぎで年商10億円」山田敏之
京野菜である九条ねぎの生産から加工・卸を主力として行い、2013年には6次産業化優良事例として農林水産大臣賞を受賞した農業生産法人「こと京都」。本書は、その代表取締役である山田敏之氏が、自身の経験をもとに語った農業経営の教科書となる一冊です。
「日本農業法人協会」の会長を務めるなど、現在、日本を代表する農業経営者の一人である山田氏。もともとアパレル業界のサラリーマンだった彼は、脱サラ就農から「年商1億円農家」という大きな目標を掲げ、京の伝統野菜である「九条ねぎ」の専門の農家になります。やがて、生産だけではなくカットねぎの加工・販売もスタート。さらに、加工品の安定供給を行うため、他のねぎ生産者らと連携し、九条ねぎ生産者グループである「ことねぎ会」、国産ねぎ専門商社「こと日本」を立ち上げるなど、そのビジネスは「ねぎ」を中心にさまざまな広がりを見せていきます。
現在は年商10億円を超え、日本の農業発展にも貢献する山田氏。その経営ノウハウを本書から学んでみてはいかがでしょうか。
脱サラ就農、九条ねぎで年商10億円
著者:山田敏之
出版:PHP研究所
先駆者7人のインタビューと広い視野から農業ビジネス化のポイントを探る
「アグリビジネス進化論」有限責任監査法人トーマツ・農林水産業ビジネス推進室
本書では、新進気鋭の農業経営者7人を取り上げ、事業成功までの道のりだけではなく、今後の成長戦略についてもインタビュー。前述の「こと京都」をはじめ、味と品質に厳しいモスバーガーへレタスを大量供給する「鈴生(すずなり)」、元金融マンという異色の経歴の経営者が立ち上げた「サラダボウル」、フランチャイズのオーナーを中心とした“コンビニ型”経営を農業で目指す「舞台ファーム」、自社栽培の生産品から、弁当・惣菜、おしゃれな和菓子まで作り出しブランド展開をする「六星」、ミカン農家の集まりからスタートし、加工品製造や販売など積極的な事業展開を見せる「早和果樹園」、販売価格を設定できる販路を自ら開拓した「野菜くらぶ」。これら農業法人の経営者7人のビジネスについて知ることができます。
また、本書はインタビューだけにとどまらず、7社を比較分析することで、広い視野からも農業のビジネス化のポイントを探ります。さまざまな視点から先駆者たちの成功のポイントを学べる一冊です。
アグリビジネス進化論
著者:有限責任監査法人トーマツ・農林水産業ビジネス推進室
出版:プレジデント社
成功のカギはAIと人材? 日本農業の課題、成長の対応策について知る
「稼げる農業 AIと人材がここまで変える」日経ビジネス編
農業従事者の不足や高齢化など、現在日本の農業はさまざまな問題に直面しています。しかしながら、ここまで紹介してきたように、農業をビジネスとして発展させ、大きな成功を収めている農業経営者も登場してきています。また、AIなどテクノロジーの導入も、問題解決のカギとして期待が高まっています。
本書はこのような、新しい経営感覚を持つ人材を育てる「農業の人材強化」や、AIなどICTを活用した「スマート農業」といった観点から、日本の農業の課題や成長のための対応策を探るシンポジウムの内容をまとめた一冊です。当時の自民党農林部会長・小泉進次郎氏や、オイシックス・高島宏平社長、コマツ・野路國夫会長、アイリスオーヤマ・大山健太郎社長といった、企業や農業生産法人経営者などの話から、日本農業の“稼ぎ方”を探ります。
稼げる農業 AIと人材がここまで変える
著者:日経ビジネス(編)
出版:日経BP社
今回紹介した3冊を参考に、あなたも「もうかる農業」への新しい道を切り開いてみてはいかがでしょうか。