農業に不可欠な窒素肥料の効果と働き

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農業に不可欠な窒素肥料の効果と働き

農業に不可欠な窒素肥料の効果と働き

最終更新日:2018年09月11日

数多くの種類がある肥料の中でも、重要な役割を持つ窒素肥料。ほかの肥料と同じく、窒素肥料も使い方によって作物の出来が左右され、それによってトラブルの発生率も変化します。
ここでは、窒素肥料とその効果について紹介します。

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窒素肥料とはどんな肥料なのか

窒素肥料

窒素とは、空気中に存在する元素の一つで、空気の約80パーセントを占めています。無味無臭で色もないため、私たちの目や耳では確認することができませんが、DNAやたんぱく質の元となるアミノ酸の原料になるなど、私たちが生きていく上で欠かせないものです。また、光合成に欠かせない葉緑素(クロロフィル)も窒素によって作られるため、窒素は植物にとっても重要な存在です。
ところが、これほど重要なものでありながら、植物は窒素をそのまま吸収することはできません。土壌に含まれる窒素を微生物が分解することで無機化され、植物が吸収できる形になります。こうした原理を利用し、土壌や鉱石を原料とした窒素肥料が登場しました。そして、空気中の窒素ガスと水素を反応させることにより、合成アンモニアを作り出して窒素肥料を生産する方法が開発され、広く利用されるようになったのです。

窒素は植物の生育初期に欠かせないもの

窒素肥料

もしも窒素がなくなってしまったら、植物を育てることができません。また、極端に不足すると、さまざまなトラブルの原因にもなります。窒素はたんぱく質の元となる元素のため、不足すると葉や茎の成長が鈍くなります。葉の大きさも小ぶりになったり色が薄くなったり、茎の成長が悪くなって伸び悩んでしまうこともあります。

こうしたことから、窒素肥料は「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、生育の初期に効果的とされています。土のあいだから顔を出した小さな茎がぐんぐんと育ち、元気に葉を広げていってくれるかどうかは、土壌にどれほどの窒素が含まれているかによって左右されるのです。
しかしながら、窒素肥料を与えすぎるのは逆効果です。窒素が過剰になると葉に栄養が行きすぎてしまい、葉ばかりが大きく育ち、花のつきが悪くなったりします。さらには、花が咲かずに実もならず、害虫の被害にあいやすくなるなどのトラブルにつながることもあります。

窒素肥料にはどんな種類がある?

窒素肥料の多くはアンモニアが使われ、その中でもいくつかの種類があります。それぞれに効果があるため、栽培環境によって使い分けるのがおすすめです。

硫安

硫安(りゅうあん)は、硫酸アンモニウムの略で、窒素のみを含む単肥です。比較的安価で、施肥すると約1カ月は効果が持続するため初心者にも向いています。水に溶けやすいため土壌へのなじみが良く、作物への吸収率も良いことから、窒素補給やタンパク合成に使われる肥料です。ただし、そうした特徴から、気温の高い時期や雨が多い時期は有効期間が短くなる傾向があります。また、成分が一つの単肥のため、元肥・追肥の用途に合わせて、リン酸肥料やカリ肥料と併せて使用する必要があります。

塩安

塩安(えんあん)は、塩化アンモニウムの略で、アンモニア態窒素を25%含む複合肥料です。水に溶けやすく吸収されやすい性質を持ち、吸収された後には副成分の塩素が残るため、繊維作物の生育に欠かせません。硫化水素の発生が少ないため根腐れを防ぐ効果も有り、おいしいお米を作るための効果が期待できます。

硝安

硝安(しょうあん)は、硝酸アンモニウムの略で、アンモニア態窒素と硝酸態窒素を同量ずつ含みます。水に溶けやすく即効性があるため、土壌を酸性化しないという特徴があります。ただし、吸湿性が高いため、濡れた葉に付着すると悪影響を及ぼすことも。また、起爆性があるため、油と混ぜないようにするなど取扱いには注意が必要です。

尿素

尿素は、窒素の含有量が40パーセント以上と高く、硫安と同じ単肥です。即効性があるため、すぐに効果を出したい時に役立ちます。また、水に溶かして液肥として使うこともできるので、葉面散布にも向いています。ただし、窒素含有量が高いため、過剰施肥には注意する必要があるでしょう。

石灰窒素

石灰窒素は、カルシウムと窒素を含み、まいた当初は病害虫や雑草を防ぐため農薬としての効果も有ります。農薬成分が土壌で分解されると、主にアンモニア態窒素となり、肥料としての効果を表します。農家では古くから使われてきた物ですが、吸入や肌の付着による影響があるため、散布時には防護マスクやメガネなどを装着するなど、十分な注意が必要です。

土壌と作物に合わせた肥料の選択が重要

窒素肥料といっても、主な種類だけでも多くの種類がありますので、どれを使えば良いのか迷うことも有るでしょう。肝心なのは、土壌の状態や作物に合わせた肥料を選択し、施肥するタイミングを見極めることです。
過剰施肥になったり栄養不足になったりしないように、窒素肥料の施肥量にも気を配りましょう。農業は気候などによって土の状態も左右されがちで、なかなか計画どおりにはいかないものです。ですが、日々の状況をきちんと捉えて対応していくことが大切になります。
 
 
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