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兼業農家の補助金制度と確定申告

兼業農家の補助金制度と確定申告

2018年06月09日

農業は、高齢化や後継者不足などの問題に直面し、就農者は減少の一途をたどっています。一方で、都市部の会社員も終身雇用制度の崩壊といった問題に直面しています。そんな日本で増えている、会社員と農家を掛け持ちする「兼業農家」という働き方。
ここでは、兼業農家が得られる補助金制度と、確定申告について紹介します。

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仕事と農業の両立で収入と心の安定を目指す「兼業農家」

兼業農家

農業のみで生計を立てている農家のことを専業農家、農業以外でも収入を得ている農家のことを兼業農家といいます。元々、日本では専業農家が主でしたが、農業は豊作の時もあれば不作の時も有り、収入が安定しません。
そこで、別に仕事を持って収入を安定させつつ、農業も営むといった兼業農家が生まれました。一方で、近年の農業ブームなどにより、都会の喧騒から離れた田舎暮らしに憧れる人が兼業農家となったり、農業で自給したり収入を得たりしながら、別に自営の仕事を持つという「半農半X」という言葉も生まれています。

兼業農家の現状

兼業農家にもさまざまなスタイルがあり、第1種兼業農家と第2種兼業農家に分けられます。農業と別の仕事での収入を比較して農業の収入が多ければ第1種、別の仕事の収入が多ければ第2種です。農林水産省の「農家に関する統計」によると、2015年の日本の農業人口は約215万5000戸。うち専業農家は44万3000戸、兼業農家は88万7000戸と、兼業農家が倍以上を占めます。なお、兼業農家の80パーセント以上は、別の仕事による収入のほうが多い第2種兼業農家です(2018年6月1日農林水産省調べ)。
もちろん、二足のわらじを履くのは決して楽な事ではありません。会社に勤めていれば基本的に平日は仕事のため、農業に充てられる時間は平日の就業時間の前後か土日休みに限られます。また、貴重な休み時間を農業に使わなければいけません。それでも、空き時間を副業に充て、自家製の食材を確保しながら副収入を得られるというのは、ワークライフバランスの一つの形として有効な手段と言えるでしょう。

兼業農家が利用できる補助金制度

農林水産省の「農業経営統計調査(2014年度調べ)」によれば、兼業農家の平均年収は516万円でした。専業農家は633万円となっており、専業農家のほうが収入は多いことになります。一方、国民全体の平均年収は約420万円のため、農業だけで生計を立てられないから兼業農家になるという話とは矛盾しているようにも見えます。平均年収なので、年収1000万円の人もいれば200万円の人もいるのは、農家も会社員も同じです。しかし、農業人口を減少させないためにさまざまな就農支援が行われ、補助金制度なども充実しています。凶作や自然災害などによる減収にも援助が出るなど手厚く保護されていて、こうした補助金制度は兼業農家であっても受ける事ができます。

農業次世代人材投資資金

新しく農業を始めたい人が利用できる農業次世代人材投資資金:準備型は、農業を始める前の最長2年間、年間150万円を給付し、先進農家や農業法人での研修期間の所得を保証するものです。また、経営開始型は実際に農業を始めてから最大5年間、同じく年間150万円の給付を受ける事ができます。

担い手確保・経営強化支援事業

担い手確保・経営強化支援事業は、経営発展に必要な農業機械・施設を導入するための融資残に対しての、資金援助が行われます。適切な「人・農地プラン」が作成されている事や、農地中間管理機構を活用している地区など、交付にはさまざまな条件がありますが、意欲的な農業者には有効な補助金制度といえるでしょう。

スーパーL資金

農地の取得など、何もないところから農業を始めると、1000万円以上の資金が必要になるといわれています。農業経営改善計画を提出し、認定農業者になれば、日本政策金融公庫からスーパーL資金の融資を受ける事ができます。金利が低く、一般でも0.20~0.30パーセントで、最初の5年間は実質無利子となります。他にも、日本政策金融公庫の提供する補助金には「農業改良資金」や「青年等就農資金」などがあり、この2つの制度は無利子となります。

収入減少影響緩和交付金

病気やケガなどで収入が激減してしまった場合に利用できる収入減少影響緩和交付金。これは、対象農産物の農業者の平均収入額を下回った場合に、収入額の9割を保証してくれます。交付金の交付だけではなく、農業者自身があらかじめ積み立てていた積立金の返納により収入に補填される場合も有ります

兼業農家の確定申告

確定申告

農業では自分が経営者ですから、兼業農家も自分で確定申告をしなければなりません。確定申告は白色申告と青色申告がありますが、青色申告はさまざまな申請手続きや帳簿が必要なため、白色申告に比べると手間が掛かります。しかし、青色申告は控除額が増えたり、損失繰越として申告すれば3年間赤字分を繰り越せたりするなどのメリットがあります。また、別の仕事は黒字で農業収入が赤字の場合にも、黒字収入から農業の赤字を相殺した額に課税されるため、節税につながります。

更に、通常の事業と同様に、従業員やアルバイトなどに支払った賃金も必要経費として認められます。設備投資なども減価償却の特例が受けられます。また、補助金には青色申告をしていないと受けられないものもあるので、農家は青色申告が基本といえるでしょう。普段から領収書や請求書は取っておき、収支をきちんと記録しておくと、確定申告が楽になります。

兼業農家は新しいライフスタイルの形

農業のメリットを活かしながら、収入につなげていくのが兼業農家です。
農業で収入を得る事は確かに大変です。栽培しやすく利益率の高い作物を育てて利益を追求していくのか、あくまで作りたい物を作って自分の満足感や達成感を優先するのか。そんなライフスタイルの選択ができるのも、多様性のある兼業農家ならではといえます。

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