ニューヨークでも大人気の「パワーサラダ」って？
「HIGH FIVE SALAD」店内の様子
「パワーサラダ」とは、野菜・フルーツの他、肉や魚・ナッツやチーズなどのたんぱく質食材をひとつのボウルに詰め込んだサラダのこと。アメリカ西海岸やニューヨークで親しまれています。一皿で食物繊維、ビタミン、ミネラル、たんぱく質など、現代人に不足しがちなさまざまな栄養素を効率よく摂取することができるため、最近話題となっています。
今回は、そんなパワーサラダの日本初の専門店「HIGH FIVE SALAD」の代表・水野裕嗣（みずの・ひろつぐ）さんにお話を伺いました。2008年に訪れたニューヨークのサラダ専門店から着想を得たという水野さん。「野菜がメインのサラダはデパ地下やレストランなどでも売られていますが、より身近に、ファストフード感覚で食べられるものを提供したい」と、HIGH FIVE SALADをスタートさせたそうです。
「HIGH FIVE SALAD」に聞く！ パワーサラダ、人気のヒミツ
お店のメニュー開発に携わる料理研究家の西岡麻央（にしおか・まお）さん
HIGH FIVE SALADでは、安心・安全をベースとしており、農家の方から届いた旬な野菜をおいしく気軽に食べることができます。サラダと聞くと、野菜がメインのイメージがありますが、パワーサラダにはチキンやナッツ、チーズなど、野菜以外にも歯ごたえのある食材が含まれているため、色合いが豊かで食感があり、食べていても飽きることがありません。また、小さな子どもも安心して食べられるようにと、厳選された食材を使用しているという同店では、こだわりの国産野菜を使用しています。メニューのひとつ「農園ハーブのグリーンサラダ」は山梨県で栽培されたルッコラやワサビ菜など、完全無農薬のハーブを使用。ほかにも減農薬栽培の野菜を使用するなど素材にこだわったサラダは、栄養バランスなどの健康面も考慮するべく、料理研究家・西岡麻央さんがメニュー開発に携わっています。
お店の人気メニューは「グリルドチキンのサラダ」だそう。トッピングやドレッシングは自分で選ぶことができるため、同じ素材で違った味を楽しむことができるのも魅力。スムージーやホームメイドのスープなどのサイドメニューをつければ、ボリュームも満点です。
「サラダ専門店への興味を、もっとたくさんの人に持ってほしいです。サラダを食べることで健康改善にもつながりますので、ぜひ食べてください！」と水野さん。お店の客層は男性の割合も比較的多いそうで、健康への関心が特別強くなくとも、サラダを積極的に摂取しようとする人が増えてきているようです。
サラダブームの拡大はコンビニや大手企業にまで
昨年、大手コンビニエンスストア・ローソンがサラダ売り場を1.5倍に拡大するなど（※）、サラダ商品を強化していることや、サラダ専門店が年々増加していることから、アメリカだけでなく日本でも、サラダブームが広がってきているようです。厚生労働省が推奨する“1日350グラム以上の野菜”を摂取することができるボリューミーなサラダは、忙しいビジネスマンや野菜不足の若者にとっても、頼もしいメニュー。大手企業・キユーピーの公式サイトでパワーサラダのレシピが紹介されていることなどからも、野菜に対する消費者のニーズが高まっていることがうかがえます。今までは付け合わせとして親しまれてきたサラダが、メインのメニューとして生まれ変わり、これからの現代人にとって欠かせない存在として注目されていることは、野菜の生産者たちにとっても新しいチャンスにつながりそうです。
健康を考える上で欠かせない食生活は、野菜だけでなく、肉や魚、ナッツやチーズなどと一緒にバランス良く食べることで、毎日の食生活をより豊かに演出してくれます。消費者が野菜に対する興味を持つことで、農家を営む生産者にとっても、販路拡大やメニュー開発など新しい事業のきっかけとなるでしょう。「パワーサラダ」ブームから広がる新たな可能性に、今後も注目です。
