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夏バテ予防! 子供も喜ぶバターチキンカレー&インドの家庭料理レシピ

夏バテ予防! 子供も喜ぶバターチキンカレー&インドの家庭料理レシピ

夏は40℃を超える猛暑になるエリアが多いインドでは、スパイスがよく料理に用いられます。宗教的な理由などからベジタリアンの人が多く、野菜をふんだんに使った料理が豊富。インド料理と聞くと辛いものだと思われがちですが、子供たちも食べられる辛くないカレーもたくさんあります。そんなインド料理からヒントを得て、暑い夏に打ち勝つバターチキンカレーと野菜をふんだんに使った家庭料理をご紹介します。インドに造形が深い、管理栄養士の塚原絵理(つかはら・えり)さんに夏バテ予防にぴったりなレシピを教えていただきました。

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スパイスのパワーで暑い夏を乗り切ろう!

インドはスパイスの宝庫。一般家庭でも「スパイスボックス」と呼ばれる、スパイスを入れる調味料入れを常備し、料理ごとにスパイスを使い分けながら、味わいや深みの変化を楽しんでいます。そのようにインドで日常的に食されているスパイスですが、栄養面ではどんな良さがあるのでしょうか。そこに夏を乗り切るヒントが隠されているかもしれません。今回のレシピで使用するスパイスについて、お話を伺いました。

スパイスから作るカレーは身体に良くて、低カロリー!?

「インドカレーにはカレー粉というスパイスはありません。原材料を見るとわかりますが、いくつかのスパイスが混ざっているものなのです。既成のカレー粉やルーを使用せず、スパイスから作るカレーは、バターや砂糖などを自分で調整できるため、脂質を抑えられるのが特徴です。また、チリなどによる辛さは、塩分が少なくても美味しいと感じさせてくれる作用もあるので、塩分も控えめに調理できるのがメリットです」(塚原さん)では、スパイスごとの特徴を見てみましょう。

ターメリック
カレー粉には必ず入っているのがウコンが原料のターメリック。カレーの黄色は、主にこのターメリックの色です。
「ターメリックには抗酸化作用のはたらきがあり、日焼けによるシミやソバカスを防ぐなど、夏の肌にいい作用が期待できますよ」(塚原さん)

火を通して使いましょう。お米2合、ターメリック小さじ1~2、バター1かけを炊飯器で炊いた「ターメリックライス」は、手軽だし、カレーによく合います。
 
クミン
香りのもととなる、インド料理には欠かせないスパイスです。
「クミンの香りにはリラックス効果もあるので、ストレスを感じているときにカレーを食べるのはいいんですよ。胃の健康を保ち、食欲増進をする作用もあります」(塚原さん)

キャロットラペ、ライタ(塩で味付けする野菜入りヨーグルトサラダ)、肉料理などに合います。
 
チリ
トウガラシが原料のインド料理の辛さのもとです。
「発汗作用があり、食欲増進につながるので、夏の暑さで食欲が減少したときに使うのがオススメです。インドではトウガラシを生でかじる子どもがいるぐらい、幼いうちから辛さに慣れている人が多いのですが、日本でカレーを作る場合は子供用にはチリパウダーを使わず、あとから振りかけて辛さを調整するのがいいですよ」(塚原さん)

料理を辛くしたいときに使いましょう。スープ、炒め物、カレーのほか、一味と原料は同じなので、日本料理に使ってもOKです。
 
ジンジャーパウダー
身体をポカポカと温める効果があります。夏場でも冷房が効きすぎたオフィスなどで過ごすことが多い人は、会社に常備しておいても良いかもしれません。

お味噌汁やスープとも相性が良いです。紅茶など、飲み物に入れてもOK。

【レシピ】おうちで本格インド料理を手軽に作ろう

では、インドカレーの定番「バターチキンカレー」とインドの家庭料理の作り方を教えていただきましょう。スパイスは、用意できないものは入れなくてOKです。ジンジャーパウダーは擦りおろしショウガ、チリパウダーは一味などで代用できます。

包丁なしで作れる! 手間なし簡単「バターチキンカレー」


「トマト缶と豆乳を使った、ヘルシーで簡単なバターチキンカレーです。カットしてある鶏肉を使えば、包丁を使わず、混ぜて煮込むだけ。料理が苦手な人でもラクラク作れますよ。マイルドで酸味と甘みがあり、大人も子どもも好きな味だと思います。もしあれば、おうちの冷蔵庫にある夏野菜を素揚げして添えると◎。夏野菜は何でもいいですよ」(塚原さん)

材料 ※2人分〔1人分あたり590kcal(ご飯含めず)〕

A
・鶏もも肉 1枚(約250グラム)※今回はひと口大にカットしてあるものを使用
・プレーンヨーグルト(無糖) 200グラム
・カレー粉 大さじ1 ※作り方は下記に記載
・塩 小さじ1/2

B
・コンソメ 小さじ2
・砂糖 大さじ2~ ※甘さはお好みで調整を
・塩 小さじ1/2~1

・ニンニク 1かけ
・カレー粉 大さじ2 ※作り方は下記に記載
・油 大さじ1
・調整豆乳 200ml
・ダイスカットトマト 1缶(400グラム)
・バター 10グラム

【手作りのカレー粉レシピ】
クミンパウダー、ジンジャーパウダー、ターメリック、ガラムマサラをすべて同量ずつ混ぜるだけで完成!
これでほとんど辛くないカレー粉になるので、大人用にはカレーの味を見ながら、好みでレッドチリペッパーをプラスしてください。

<作り方>
1.鶏肉をAと共にビニール袋に入れよく揉みこみます。冷蔵庫に一晩ほど寝かせます。

2.鍋に油と擦りおろしたニンニクを入れて弱火にかけ、香りが立ってきたらカレー粉も加え、焦がさないよう注意しながら軽く炒めます。そこに豆乳とトマト缶を加え、弱めの中火で煮ます。

3.ふつふつしてきたら、1の鶏肉をヨーグルトごとすべて加えます。Bの調味料もすべて加え、ふたをして時々混ぜながら30分ほど煮込みます。
※鶏肉は鍋に入れる前にトースターやグリルなどで軽く焼いても◎。タンドリーチキンのように香ばしくなり、美味しさが引き立ちます。

4.味を見て、辛さが足りなければチリパウダー(分量外)で調整。火を止め、バターを加えて溶かしたら完成です。
※ナス、ゴーヤ、パプリカ、ズッキーニなど、家にある野菜を素揚げしてトッピングしても美味しくいただけます。素揚げの方法は、野菜をカットし水気を切り、約170度の油で1~2分揚げます。野菜にもよりますが、軽くきつね色になる程度が目安です。

たった10分! 切って混ぜればデリ風「ひよこ豆のカラフルサラダ」


「インドでは豆をよく食べます。これは、インド人家庭でもよく作られる、切って混ぜるだけの時短サラダ。クミンの香りが食欲を刺激します。紫タマネギは塩もみすれば辛みが抜けてお子さんでも生で食べられると思います。余ったひよこ豆は冷凍保存もできるので、トマトスープに入れたり、カレー粉で炒めたり、普通のサラダに加えたりして使ってくださいね」(塚原さん)

材料 ※4人分〔1人分あたり51kcal〕
・ひよこ豆(水煮) 80グラム ※パックや缶詰のそのまま使えるものが便利です。
・パプリカ赤 1/4個
・パプリカ黄 1/4個 ※パプリカの赤黄はどちらか1種類でもOK。その場合、1/2個に。
・紫タマネギ 1/4個
・キュウリ 1/3本
・レモン汁 小さじ1
A
・クミンパウダー 小さじ1弱
・コリアンダーパウダー 小さじ1弱
・チリパウダー 小さじ1弱 ※お子様用にはなしでもOK。
・砂糖 小さじ1/3
・塩コショウ 少々

<作り方>
1.ひよこ豆は水気を切っておきます。パプリカ、キュウリはひよこ豆と同じくらいの大きさに切ります。紫タマネギもひよこ豆と同じくらいの大きさにみじん切りし、塩小さじ1/2(分量外)を揉みこんで5分置き、水で塩を洗い流して水気を絞ります。

2.1とAをすべて混ぜ合わせ、レモン汁をかけて完成です。

夏が旬のオクラをたっぷり食す! 15分で作る「オクラのサブジ」


「ワンパターンの調理法になりがちなオクラを、インド式の炒め物でたっぷり食べられるレシピです。玉ねぎをじっくり炒めることで、お砂糖を加えたような甘さになり、子供も好きな味に。大人はチリパウダーで辛さを調節してください」(塚原さん)

材料 ※4人分〔1人分あたり57kcal〕
・オクラ 2パック(15~20本)
・油 大さじ1/2

・タマネギ 1/2個
・油 小さじ1/2
・ニンニク 1/2かけ
・ショウガ 1/2かけ
・トマト 1個

・塩 少々
・パクチー 適量 ※好きな人はたっぷり入れてOK。

A
コリアンダーパウダー 小さじ1/2
ターメリック 小さじ1/
ガラムマサラ 小さじ1/2
チリパウダー 小さじ1/4~ ※お子様用にはなしでもOK。

<作り方>
1. オクラは食べやすい大きさに切り、タマネギとトマトは粗いみじん切りに、ニンニクとショウガはすりおろしておきます。

2. フライパンに油大さじ1/2を熱し、オクラを炒めます。火が通ったらお皿に取っておきます。

3. 同じフライパンに油小さじ1/2を足して熱し、タマネギを加えて弱めの中火でじっくり炒めます。タマネギが透き通ったら、すりおろしたニンニクとショウガを加え、軽く炒めます。

4. トマトを加え、トマトが柔らかくなり少し潰れるくらいまで炒めます。

5. Aを加えて軽く炒め、オクラを戻し入れてさらに炒めます。塩少々で味を調えます。

6. お好みでパクチーの葉を刻んで混ぜれば完成です。

春巻きの皮で作る! おやつに食べたい簡単「サモサ」

「インドではおやつやスナックとして親しまれているサモサ。家庭で作るほか、屋台でも気軽に食べることができます。本場ではサモサの皮を小麦粉から練って作りますが、春巻きの皮で手軽に作れるようにアレンジしました。サクサクの皮のなかにあるジャガイモがもっちりとした食感で美味。アツアツでも、冷めても美味しくいただけます」(塚原さん)

材料 ※6個分〔1個あたり172kcal〕
1個が小さめのおにぎりぐらいの大きさです。ミニ春巻きの皮で作るともっと小さめのサイズができます。

・春巻きの皮 6枚
・薄力粉 大さじ1
・水 大さじ1

・ジャガイモ 2個(約400グラム)
・グリンピース 30グラム ※今回は缶詰のものを使用
・油 小さじ2
・ニンニク 1かけ
・ショウガ 1かけ
・牛乳 大さじ2
・塩 少々
・揚げ油 適量
・ケチャップ 適量

A
・コリアンダーパウダー 小さじ1/2
・ターメリック 小さじ3/4
・ガラムマサラ 小さじ1/2
・チリパウダー 小さじ1/2 ※お子様用にはなしでもOK。

<作り方>
「具を作る」
1. ジャガイモは皮をむいて4~6等分し、ゆでるかラップをして電子レンジに3~4分かけ、柔らかくしてマッシュしておきます。完全にマッシュせず、少し固形で残っていてもOKです。

2. ニンニク、ショウガはすりおろします。グリンピースは水気を切っておきます。

3. フライパンに油とニンニク、ショウガを入れて弱火にかけ、香りが立ったらAのスパイスを入れて軽く炒めます。焦がさないよう注意!

4. ジャガイモとグリンピース、牛乳を加えてよく混ぜ合わせます。塩少々で味を調えたら、お皿に移し冷ましておきます。

「包む」
1.「具を作る」でできた具が冷めたら春巻きの皮に包んでいきます。薄力粉と水を混ぜてのりを作ります。

2.春巻きの皮の2辺にのりをぬって三角形に折り、貼り合わせます。三角形の両端を真ん中から交差させるように折り、ポケットを作ります。折った部分が開かないようにのりで貼り合わせます。

3.逆三角形からはみだした部分はカットして、具と一緒にポケットに詰めます。ふたをしてのりでとめます。

「揚げる」
フライパンに1~2センチ油を入れ、約180度の温度で、片面ずつきつね色になるまで揚げます。具には火が通っているので、皮がパリッと揚がればOK。お好みでケチャップをつけていただきます。

野菜×スパイスで栄養価UPをめざそう

「今回のレシピではスパイスの良さをお伝えしてきましたが、野菜を一緒に食べることで、さらに栄養を取り入れることができます。たとえば、バターチキンカレーやオクラのサブジで使ったトマトに入っているリコピンは、紫外線やストレスに打ち勝つための抗酸化作用が期待できます。ひよこ豆のサラダに使ったパプリカは紫外線を浴びた肌やストレスで失ってしまうと言われるビタミンCを豊富に摂取できる食材です。オクラはビタミンやカルシウムが豊富な野菜です。夏の疲れた胃腸におすすめです」(塚原さん)

まさに野菜とスパイスの組み合わせはいいこと尽くし! 野菜とスパイスを一緒に取ることで、インドの人々は暑さを乗り越えるための体調を整えているのかもしれません。チリパウダーを使わなければ、辛くなく、お子さんでも食べられる料理ばかりなので、この夏は家族でインド料理に挑戦してみてください。

管理栄養士/NPO AOZORA共同代表 塚原絵理さん
管理栄養士として特定保健指導やそのほかの栄養指導、健康セミナー講演、コラム執筆、アスリートのサポートなどに携わる。100キロウルトラマラソン2度完走、登山、サーフィンなどのスポーツが好き。一方、インドの貧困層支援活動を学生時代より続けており、2014年にNPO AOZORAを設立。チャリティイベントやスタディツアーの企画・運営を通じて、インドの農村地帯に住む貧困層の子供たちの学習支援や生活向上支援を行っている。
NPO AOZORA

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