プランター栽培は自給自足へのきっかけ
ベランダなど限られたスペースでできるプランター栽培は、日当たりや風通しの良い場所で、草花と同様に育てることができます。大規模な設備などが必要なく、誰でも気軽に始められて、自分で採取して食べられるのもメリット。作物の種まきから収穫まで体験できるので、農業初心者や野菜を育てることに興味のある方にもおすすめです。種から育てることもできますが、ポット売りされている苗をプランターへ移植して栽培すれば、失敗も少ないでしょう。プランターで栽培できる代表的な作物としては、ミニトマトやキュウリ、ナス、枝豆、バジルなどがあります。
プランター栽培に必要な道具
プランター栽培を始めるにあたって、そろえておきたい道具には次のような物があります。
- プランター
- 土
- 種(もしくは苗)
- 肥料
- じょうろ
- シャベルや熊手
- はさみ
プランターのサイズは、しっかり根を伸ばして成長できるよう、野菜の特徴に合わせてある程度の大きさと深さがある物を選びましょう。大きい物ほど水切れしにくいため、栽培も成功しやすくなります。様々な材質、形状のものがありますのでスペースや置く場所など環境に応じて選びましょう。
また、作物の成長に合わせて、防虫ネットや支柱なども用意しておくと安心です。これらは、いずれもホームセンターなどでそろえることができます。
栽培に向いている場所
プランター栽培に適しているのは、日当たりと風通しの良い場所です。時期によって日光の当たり方が異なるのであれば、状況に応じて台に乗せたり、移動させたりしましょう。
また、プランターや鉢植えを隙間なく置くと、風通しが悪くなってしまいます。複数のプランターを栽培する場合は、隙間を空けて余裕を持って並べましょう。
プランターで育てられる作物
プランター栽培を始めるにあたって注意することは、作物によって栽培に適している時期が異なることです。計画性なく栽培をスタートさせるのではなく、栽培を始めたい時期に適した作物を選ぶことが大切です。
そこで、初心者でも育てやすいおすすめの作物について紹介します。
ミニトマト
植付け時期:3~6月
収穫時期:4~8月上旬
小学校の授業などで栽培することも多いミニトマトは、比較的育てやすく、一度にたくさん収穫することができます。根がしっかりと張れるように、深さ30センチ以上の大きめのプランターを使って、たっぷりの土で育てるのがおすすめです。苗を植えた直後に、最低気温が10度以下の日が10日以上続くと育ちが悪くなってしまいますので、日当たりが良い場所に移動させるようにしましょう。光合成が始まるとされる午前中の水やりが最適です。
キュウリ
植付け時期:4~6月
収穫時期:5月中旬~9月中旬
キュウリはつる性の植物のため、支柱を立ててつるを誘引する必要があります。成長すると2メートル以上の高さにもなるため、プランターを置く場所は高さを確保しておきましょう。種と苗、どちらからでも育てることができますが、種から育てる場合にはポットで生育してからプランターに植え付けるのがおすすめです。高温が続く日には、土の表面を確認して朝と特に夕方にたっぷりと水やりすると良いでしょう。
バジル
植付け時期:5~7月
収穫時期:6~10月
初心者でも育てやすいハーブは、暑さにも強く水はけの良い場所を好みます。土の表面が乾くことのないように水やりをする必要がありますが、水をやりすぎると枯れてしまうことも多いので注意しましょう。小さなプランターでも育てることができますが、植物の根が繁茂しすぎて根詰まりを防ぐためにも深さが30センチある物を使うと安心です。柔らかい葉が食べ頃ですが、花が咲くと葉が硬くなってしまうので注意しましょう。
枝豆
植付け時期:4~6月
収穫時期:7~9月
枝豆は、品種によって植え付けから収穫までの期間が異なります。栽培期間が短いほど簡単に育てられますので、75~80日程度で収穫できる早生種がおすすめです。20~25センチくらいの間隔を空けて苗を植える必要がありますので、横長のプランターが使いやすいでしょう。細い茎が高く伸びるため、株のそばに支柱を立てて、風に負けない工夫をする必要があります。また、害虫被害に弱いため、防虫ネットをかけておくと安心です。
ラディッシュ
植付け時期:3月上旬~5月(春まき)、9~11月(秋まき)
収穫時期:4月下旬~6月(春まき)、10~11月(秋まき)
種まきから収穫までの期間がおよそ1カ月と短いため、二十日大根とも呼ばれる作物です。短期間で栽培の成果を実感したいという方にもおすすめです。春蒔きと秋蒔きの二回植付けの時期があり、ほぼ一年中育てることができます。小さなプランターでも良く育つので、限られたスペースで家庭菜園を行いたい方にも最適です。
培養土は初心者におすすめ
作物を育てる上で、栄養補給源にもなる土づくりは最も大切といえます。水はけが良く、水もちが良く、有機物を多く含んでいることなどが求められますが、プランター栽培初心者の場合は、家庭菜園用に市販されている培養土を使うのがおすすめです。培養土には、園芸用に好まれる赤玉土や生産性の高い土となる黒土、肥料が予め混ぜられているため、配合などを考えてブレンドする必要がありません。しかし、培養土には化学肥料が含まれている場合があります。農薬や化学肥料を使用せずに作物を育てたい場合には、培養土を使わずに自分で土をブレンドする必要があります。まずは、培養土で始めてから土づくりを勉強しても良いかもしれません。
プランター栽培の注意点
プランター栽培を行う場合、苗を植える間隔にも注意しましょう。なるべくたくさん育てたいという気持ちから、苗を詰めて植え付けてしまうケースがあります。そうすると、作物が成長していくうちに根や枝の張り具合が窮屈になり、良い野菜が育たなくなってしまう場合があります。
作物の種類や根の張り方、収穫時の大きさを考えて植えることが大切です。
プランター栽培は育てやすい作物から始めよう
プランター栽培の特徴や適した作物について紹介しました。プランター栽培を行うことで農業の楽しさにふれ、普段食べている野菜がどのように育てられているか、植物について知るきっかけになるでしょう。
まずは植付けから1カ月程度で収穫できる作物から、プランター栽培を始めてみてはいかがでしょうか。
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